0 編集部が注目した重点ポイント
① 舶用事業の堅調な拡大が増収増益を牽引する
商船向け市場での新造船販売が増加し、既存船の機器載せ替え(換装)需要も高水準を維持しています。当第3四半期累計で売上高は前年同期比9.8%増の1,027億円に到達。特に保守サービス売上が国内外で着実に拡大しており、ストック型ビジネスの成長が収益基盤を強固にしています。
② 成長投資を継続しつつ営業利益21%増を達成する
保守サービスのDX(デジタルトランスフォーメーション)投資や海外拠点の採用増、給与水準の見直しといった積極的な成長投資を継続しています。投資による販管費増を舶用事業の売上拡大で吸収し、営業利益は126億円(前年同期比21.0%増)を確保。投資と利益成長の両立が鮮明となっています。
③ 次期中期経営計画でさらなる企業価値向上を目指す
2027年2月期から開始する「中期経営計画フェーズ3」の策定が進められており、2026年3月初旬に開示予定です。持続的な成長に向けた戦略投資を推進し、自動運行やリモート管理といった次世代の航海技術「Ocean 5.0」の実現に向けた研究開発や人財確保が加速する見通しです。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期 第3四半期 決算説明資料 P.3
第3四半期累計の業績は、世界経済の不透明感が続く中でも過去最高の更新を目指す勢いを維持しています。上期における税負担減少の影響もあり、当期純利益は前年同期比で大幅な伸びを記録しました。為替レートは米ドル149円、ユーロ166円で推移し、ユーロ安ドル高が一定の影響を与えています。
通期予想に対する進捗率は、売上高が約74.7%で概ね順調、営業利益は約79.2%に達しており、利益面では順調な進捗を見せています。第4四半期に販管費増加の季節要因を見込んでいますが、通期業績予想に変更はなく、着実な着地が見込まれます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期 第3四半期 決算説明資料 P.7
舶用事業
【事業内容】 航海レーダー、魚群探知機、衛星通信装置などの製造販売および保守サービスを提供。商船、漁船、プレジャーボート向けに展開しています。
【業績推移】 売上高894億円(前年同期比+11.7%)、セグメント利益132億円(+26.6%)と、全社を牽引する大幅増益となりました。
【注目ポイント】 アジアでの商船新造船向け販売や、米州でのオフシーズンにおけるプレジャーボート向け戦略商品の販売が好調です。特に保守サービス売上の増加が利益率向上に寄与しており、デジタル技術を活用した遠隔保守体制の構築など、DXエンジニアやグローバルなサービス管理能力を持つ人材の重要性が極めて高まっています。
産業用事業
【事業内容】 ITS・GNSS(GPS受信機等)、ヘルスケア(生化学分析装置)、防衛装備品の3領域で構成されています。
【業績推移】 売上高107億円(前年同期比+2.7%)、セグメント利益2.7億円(▲0.7%)。増収ながら防衛装備品の原価上昇により微減益です。
【注目ポイント】 ITS・GNSSでは、5G基地局向けの「時刻同期(通信ネットワークの時間を正確に合わせる技術)」製品が海外向けに23.7%増と好調です。防衛分野も予算増額を背景に生産回復基調にあり、公共インフラを支える高度な技術開発力を持つエンジニアや、グローバル展開を加速させるプロジェクトマネージャーへの需要が継続しています。
無線LAN・ハンディターミナル事業
【事業内容】 文教市場(教育機関)向けの無線LANアクセスポイントや物流・小売向けハンディターミナルを展開しています。
【業績推移】 売上高23億円(前年同期比▲16.5%)、セグメント利益0.4億円(▲82.0%)。需要環境が低調に推移し苦戦しています。
【注目ポイント】 教育ICT整備の一巡による更新需要の停滞が影響していますが、現場の効率化を支えるインフラとしての位置づけは変わりません。厳しい環境下での収益構造の改善や、物流DXなど新たな用途開発に向けたソリューション提案能力が問われています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期 第3四半期 決算説明資料 P.11
同社は今後、さらなる成長に向けて「人財・研究開発・販売促進」への積極的な投資を継続する方針です。特に舶用分野では、AIを活用した海洋予測技術(JAMSTECとの共同研究)や、AR(拡張現実)ナビゲーションシステムによる自動運行への貢献など、テクノロジーの進化が事業の核となります。
また、海洋プラスチック問題の解決を目指す「海ごみゼロプロジェクト」や「ブルーカーボン(海洋生態系によるCO2吸収)」活動の協業など、サステナブル経営も重要な柱です。これらの新領域を支えるAIエンジニアや環境技術者、そしてグローバルな舞台で技術を形にする多種多様なプロフェッショナルが求められるフェーズに入っています。
4 求職者へのアドバイス
世界シェアトップクラスを誇る舶用電子機器分野で、「Ocean 5.0」という壮大な未来コンセプトに共感できる点は強力な動機になります。特に、従来の機器販売から「保守サービス・DX」主体のビジネスモデルへと変革期にあるため、これまでの経験が事業の進化にどう貢献できるかを具体化すると効果的です。また、7年連続の「ホワイト500」認定といった健康経営への真摯な姿勢も、長く活躍したい意欲を支えるポイントとして言及できます。
・「次期中期経営計画フェーズ3において、戦略投資の重点となる技術領域や、中途採用者に期待される役割について伺いたいです。」
・「自動運行やリモート管理といった新技術の社会実装において、現場のサービスエンジニアにはどのようなスキルのアップデートが求められていますか?」
・「海外拠点の拡充を加速されていますが、グローバルな開発体制において日本の本社組織は今後どのように関わっていく方針でしょうか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
旅行費用や趣味などで使用することができます
カフェテリアプラン(選択型福利厚生制度)があり、年間数万円を旅行費用や趣味・自己啓発の書籍代などで使用することができます。
(30代後半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 古野電気株式会社 2026年2月期 第3四半期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 古野電気株式会社 2026年2月期 第3四半期 決算説明資料(2026年1月9日発表)



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