0 編集部が注目した重点ポイント
① 純利益が前期比78.4%増の17億27百万円と大幅増益を達成する
2026年2月期決算において、売上高は前期比2.9%増の450億84百万円を記録しました。繰延税金資産(将来の税負担を軽減できる資産)の見直しにより、当期純利益が前期から大きく伸長しています。本業の営業利益は原材料高騰の影響で減益となりましたが、税務上の最適化を含めた財務体質の強化が進んでいる点は、安定した経営基盤を求める転職者にとってポジティブな指標です。
② 外販事業を強化し2028年度に売上高50億円を目指す計画を始動する
グループ会社のリンガーフーズ株式会社が担う外販事業を次なる成長の柱に据えています。2025年度の売上高28億15百万円に対し、3年後には約1.7倍の規模へ拡大させる方針です。ECサイトやTikTok Shopへの進出に加え、社内工場の生産特化型へのシフトを推進しており、食品メーカー的な視点を持つ商品開発やマーケティング人材の活躍機会が拡大しています。
③ 3ヶ年でグループ合計76店舗の新規出店による攻めの経営へ転じる
中期経営計画期間中(2026年度~2028年度)に、国内60店舗、海外16店舗の新規出店を計画しています。特にリンガーハット事業の都心店強化と、とんかつ業態の関東再進出を掲げ、成長へのアクセルを強く踏み込むフェーズに突入しました。新規連結されたベトナム子会社を含め、国内外での店舗開発や店長候補といった店舗運営・管理ポストの採用ニーズが高まることが予想されます。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期 決算説明補足資料 P.4
2026年2月期の連結売上高は450億84百万円と増収を確保しました。既存店売上高は前期比+3.3%と堅調に推移し、特に客単価が+3.6%上昇するなど、2度にわたる価格改定が顧客に受け入れられていることが伺えます。営業利益については、原材料費の5億29百万円増、人件費の5億30百万円増といったコストアップ要因を、増収効果(+12億89百万円)だけでは吸収しきれず減益となりました。
一方で、計画比で見ると売上高は98.5%となりましたが、当期純利益は計画の6億96百万円を大幅に上回る達成となりました。これは将来の税負担軽減を見込んだ繰延税金資産の見直しという一時的な要因が含まれていますが、自己資本比率は48.9%(前期比+2.2ポイント)に向上しており、業績は「概ね順調」に回復軌道を描いていると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期 決算説明補足資料 P.28
長崎ちゃんぽん事業(株式会社リンガーハット)
事業内容: 「長崎ちゃんぽん リンガーハット」を運営し、国産野菜100%にこだわった健康的なメニューを全国および海外で展開しています。
業績推移: 売上高368億84百万円(前期比+3.3%)、営業利益11億45百万円(同-16.2%)。増収ながらコスト増により減益となりました。
注目ポイント: 「モグベジ食堂」の浸透を図り、若年層や男性客をターゲットとした「背徳MAX」などの新メニュー投入で客層拡大に成功しています。DX推進による日々決算システムの導入やAIシフト作成など、店舗運営を支えるインフラ刷新に注力しており、店舗DXをリードできる人材が求められています。
とんかつ事業(濵かつ・卓袱浜勝)
事業内容: 「とんかつ 濵かつ」を中心に、九州・中国・四国地区および海外でとんかつ・和食専門店を展開しています。
業績推移: 売上高80億8百万円(前期比+1.3%)、営業利益1億40百万円(同-51.5%)。販管費の増加が利益を圧迫しました。
注目ポイント: 関東地区への再進出および、テイクアウト需要を狙った「かつ惣菜事業」の確立を目指しています。新店舗フォーマットの構築とエリア拡大という極めて重要な局面にあるため、ゼロから店舗網を築き上げる店舗開発や、新業態のオペレーション構築の経験を持つ人材にとって大きな挑戦の場となります。
設備メンテナンス事業
事業内容: グループ内の店舗設備維持、メンテナンス、工事受注、機器類の保全を専門に行っています。
業績推移: 売上高19億79百万円(前期比+8.0%)、営業利益2億17百万円(同+14.6%)。増収増益の優良セグメントです。
注目ポイント: 3ヶ年でグループ合計76店舗の新規出店と、既存店の大規模改装を支える重要な役割を担います。照明のLED化や厨房設備の自動化など、SDGsや省人化に資する設備投資が加速しており、飲食インフラのスペシャリストとしての活躍が期待されます。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期 決算説明補足資料 P.38
次期(2027年2月期)の連結業績予想は、売上高473億円(前期比+4.9%)、営業利益22億円(同+55.1%)と、利益の急回復を計画しています。2025年10月に策定した中期経営計画をベースに、「全員参加経営」による生産性向上と、外販・海外市場での規模拡大を両輪で進めていく方針です。
採用面では、国内における年間10数店舗ペースの新規出店に伴い、店長候補のニーズが拡大しています。また、海外事業においてもタイ、カンボジア、ベトナムでの直営店展開を加速させるため、グローバルな活躍を視野に入れた人材の確保が急務です。DX面では日々決算システムの本格稼働(2026年11月予定)に向け、管理会計の高度化に寄与できる専門職の採用も注目ポイントとなります。
4 求職者へのアドバイス
リンガーハットは、「食の安全・安心・健康」という普遍的な価値を「国産野菜100%」という具体的な形で実現しており、社会的意義の強いブランドです。志望動機では、「単なる外食の提供ではなく、持続可能な農業支援や食育活動を通じて社会に貢献したい」という姿勢をアピールするのが有効です。また、全員参加経営の「月例会」でパート・アルバイトを含めた意見交換を重視しているため、チームビルディングやボトムアップ型の改善に強みを持つエピソードを盛り込むと、同社の社風との高い親和性を示せるでしょう。
- 「2026年11月に稼働予定の日々決算システムによって、店長の現場管理業務や意思決定のスピードは具体的にどう変わることを期待されていますか?」
- 「とんかつ事業の関東再進出において、九州・西日本エリアとは異なる関東市場向けのマーケティング戦略や店舗フォーマットの工夫があれば教えてください。」
- 「2028年度に売上50億円を目指す外販事業において、店舗ブランドと差別化した独自の製品ラインナップをどう拡充していく計画でしょうか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社リンガーハット 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社リンガーハット 2026年2月期 決算説明補足資料



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