フジの転職研究 2026年2月期決算に見るキャリア機会

フジの転職研究 2026年2月期決算に見るキャリア機会

フジの2026年2月期決算は、営業収益が過去最高の8,142億円。2026年度からのシステム統合や物流再編によるシナジー創出、さらには2030年度の「売上1兆円」に向けた成長戦略を加速させています。中四国エリアの小売業をデジタルとインフラで変革する、専門人材の役割を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

営業収益8,142億円で過去最高を更新する

当連結会計年度の営業収益は8,142億60百万円を記録し、7期連続の増収とともに過去最高を更新しました。節約志向の高まりに対応した「安さ」の訴求やエブリデイ・ロー・プライス(EDLP)商品の拡充が奏功しています。既存店の活性化に向けた積極的な改装投資が実を結んでおり、地域シェアの強固な基盤が確立されています。

システム統合によるデータ経営を本格化させる

2026年度よりスタートする基幹システムの統合により、顧客・購買データの一元管理と需要予測の高度化を推進します。重複業務の削減による効率化に加え、イオングループの共通ポイント「WAON POINT」を軸とした販促精度の向上を図る計画です。デジタル領域でのシナジー創出を担う専門人材にとって、変革を主導する重要なフェーズとなります。

資本効率の改善によりPBR1倍超えを目指す

長期にわたるPBR1倍割れを解消するため、ROE 8.0%の達成を目標とした資本コストを意識した経営へ舵を切りました。保有株式の売却などによる特別利益の計上や有利子負債の削減を並行して進めています。財務体質の強化と成長投資のバランスを最適化し、2030年度の「営業収益1兆円規模」実現に向けた収益性の抜本的改善に取り組んでいます。

1 連結業績ハイライト

積極的な投資と賃上げにより営業利益は減少したが、資産売却や税金調整により純利益は倍増。
2025年度 連結決算概要

出典:2026年2月期 決算説明会資料 P.3

営業収益

814,260百万円

(前年同期比 +0.7%)

営業利益

11,217百万円

(前年同期比 -13.4%)

親会社株主純利益

8,176百万円

(前年同期比 +114.1%)

当連結会計年度の業績は、売上高にあたる営業収益が過去最高を更新するなど、トップラインの成長が継続しました。営業利益については、人手不足への対応として積極的な賃金の引き上げを実施したことや、物流費・店舗保守費用の増加により、前年を13.4%下回る着地となりました。

一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、保有株式の売却に伴う特別利益103億74百万円の計上や、店舗の減損損失に伴う税金の調整により、前年比で2倍以上の大幅な増益を達成しています。2024年度からの中期経営計画に照らすと、成長投資とコスト上昇の影響を受けつつも、財務体質の健全化と純利益の確保は「順調」に推移していると評価できます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

既存店改装による「個店強化」と「安さ」の追求を両立。中四国エリアのドミナント力を活かした多角的なアプローチ。
商品戦略(価格訴求・PB)

出典:2026年2月期 決算説明会資料 P.22

スーパーマーケット業態(フジ、マックスバリュ、マルナカ)

【事業内容】

中四国エリアを中心に展開する主力事業。即食・簡便商品の拡大や、専門店の導入による集客力向上を推進しています。

【業績推移】

売上高前年同期比0.6%増。物価高による節約志向に対応し、EDLP商品や「トップバリュ」の拡販を強化。

【注目ポイント】

当期は既存店37店舗の改装と3店舗の建て替えを完遂し、改装店の売上が6.7%増となるなど投資成果が明確に出ています。自社プロセスセンターでの商品開発や、AI販売予測に基づく人員配置など、オペレーションの刷新を担うリーダー層の重要性が増しています。

▼ 注目職種: 店舗マネージャー、商品開発(生鮮・デリカ)、店舗DX推進担当

ディスカウントストア業態(ザ・ビッグ)

【事業内容】

圧倒的な価格競争力を武器とした業態。まとめ買い需要に対応した大型カート対応の店舗設計などが特徴です。

【業績推移】

売上高前年同期比2.3%増。配送センターの活用とDS専用プライベートブランドの品揃え拡充が寄与。

【注目ポイント】

インフレ下で最も需要が高まっている業態であり、ローコスト・オペレーションの徹底が求められています。配送効率の向上や在庫管理の最適化といったサプライチェーンの変革に関心のある人材にとって、大規模な流通改革を経験できる環境です。

▼ 注目職種: 物流企画、SCMスペシャリスト、ディスカウントストア運営

移動スーパー(おまかせくん等)

【事業内容】

買い物困難者への支援を目的とした、過疎地や島しょ部を含む巡回販売事業。

【業績推移】

売上高前年同期比8.0%増。当期は7店舗で新たに運行を開始し、計146台・約800ルートへ拡大。

【注目ポイント】

単なる物販にとどまらず、地域住民の見守り機能など、ソーシャルビジネスとしての価値を創出しています。行政との連携やコミュニティ構築のノウハウが蓄積されており、ESG経営を現場レベルで体現したいという志向を持つ方に最適です。

▼ 注目職種: 地域連携企画、移動販売運営リーダー

3 今後の見通しと採用の注目点

中期経営計画の最終年度として「シナジー創出」を加速。2030年度の1兆円規模を見据えた大型投資。
2024-2026 中期経営計画ロードマップ

出典:2026年2月期 決算説明会資料 P.13

2026年度(2027年2月期)は、3か年中期経営計画の集大成となります。連結業績予想では、営業収益8,250億円、営業利益170億円を掲げ、営業利益率2%超へのV字回復を目指しています。インフレ環境への対応として、経費削減から「売上総利益の積み増し」へと軸足を移し、自社オリジナル商品の売上500億円(2030年度目標)に向けた開発を本格化させます。

採用の観点で注目すべきは、大規模なデジタル・物流投資です。システム統合による顧客データの一元管理や、中国エリアへの新プロセスセンター開設など、事業インフラの統合が最優先事項となっています。これらのプロジェクトをリードするIT・エンジニアリング人材や、サプライチェーンの再構築を担える実務経験者の獲得が、次なる「売上1兆円」の目標達成に向けた鍵となるでしょう。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

フジは「地域密着」と「イオングループのスケールメリット」を融合させた、独自の成長フェーズにあります。「2030年度に売上1兆円規模」という野心的な目標に向け、基幹システムの刷新や物流網の統合といったインフラ統合の真っ只中に参画できることは、キャリアにおける大きな魅力です。自律的な行動を求める企業文化への共感や、地元の味にこだわった「自社オリジナル商品」の価値をどう広めるかといった具体的な提案が評価のポイントとなります。

Q&A 面接での逆質問例
  • 「2026年度に予定されている基幹システム統合後、顧客データの利活用を現場の売場づくりにどう反映させていく計画ですか?」
  • 「売上1兆円達成に向けた成長戦略において、既存店舗の活性化以外に新規出店やM&Aはどの程度想定されていますか?」
  • 「賃金引き上げなどの人的資本投資が進む中で、従業員の自律的成長を促すための具体的な評価制度やキャリア支援策について教えてください。」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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年に2回上期下期に5連休が取れる

年に2回上期、下期に5連休が取れます。個人的には土日はどこに行っても人が多いので平日に5連休を取って渋滞、混雑フリーな休みを取れているので、大満足です。

(20代後半・店舗スタッフ関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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臨機応変に動ける人じゃないと難しい

実績もパソコンで確認でき、それを見て次回の発注に活かすなど、変動的で臨機応変に動ける人じゃないと難しい仕事ですが非常にやりがいのある仕事です。

(20代後半・店舗スタッフ関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 株式会社フジ 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 株式会社フジ 2026年2月期 決算説明会資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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