0 編集部が注目した重点ポイント
① 過去最高益を更新し中期経営計画の利益目標を1年前倒しで達成する
2026年2月期決算は、売上高が14,312百万円、営業利益が1,122百万円となり、ともに過去最高を更新しました。主力の放電加工・表面処理セグメントが牽引し、中期経営計画2027で掲げていた営業利益目標(8.9億円)を1年前倒しで達成しており、収益力の飛躍的な向上が確認できます。
② シナジー創出を目的とした事業セグメントの再編を実施する
2025年3月(2026年2月期第1四半期)より、環境事業の一部を「放電加工・表面処理」から「機械装置等」セグメントへ移管しました。これは横浜工場の機能を大和事業所へ集約し、技術力を結集させることで装置ビジネスの競争力を高める狙いがあります。開発・製造体制の変化により、新分野でのキャリア機会が拡大しています。
③ 航空機およびエネルギー分野の増産に向けた人的資本投資を加速させる
三菱重工業との提携を通じた技術者派遣の受け入れや、業界経験者の積極登用により即戦力の確保を進めています。強い需要が続く航空機エンジン部品やガスタービン部品の量産体制を整えるため、採用・教育への投資を優先しており、専門スキルを持つエンジニアにとって非常に有利な環境が整っています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期 決算説明会資料 P.4
当連結会計年度の実績は、売上高・各段階利益ともに期初計画を大幅に上回り、3年連続の増収増益を達成しました。特に営業利益は計画の800百万円に対し1,122百万円と大きく上振れています。背景には、世界的な航空機需要の回復によるエンジン部品の増産や、防衛予算の拡充に伴う装備品需要の拡大があります。また、前期に実施した価格改定の浸透や生産効率の向上も利益率の改善に大きく寄与しました。
通期予想に対する進捗評価は、実績が計画を大きく上回って着地しており、極めて順調な推移と言えます。2027年2月期に向けた新目標も上方修正されており、成長スピードが加速しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期 決算説明会資料 P.6
放電加工・表面処理
事業内容:航空機エンジン部品やガスタービン部品の受託加工、および防衛装備品の表面処理加工を担当。
業績推移:売上高 9,906百万円(+18.8%)、営業利益 2,025百万円(+40.5%)。
注目ポイント:全社の利益の柱であり、圧倒的な成長を続けています。ガスタービン部品の量産フェーズ移行や、防衛整備計画の拡充により中長期の受注も盤石です。需要増に対応するため生産ラインの増設を進めており、製造・品質管理のスペシャリストのニーズが急増しています。
金型
事業内容:アルミ押出用金型やセラミックスハニカム押出用金型の製造・販売。住宅および自動車分野が主。
業績推移:売上高 3,367百万円(+1.5%)、営業利益 297百万円(▲10.8%)。
注目ポイント:国内住宅需要の反動減を海外子会社の成長でカバーしています。現在はデジタル技術を活用した工法転換による合理化を追求中。また、セラミックスハニカム金型の技術を活かし、CO2回収・ガス分離などの新市場開拓に挑んでおり、新規事業開発のチャンスがあります。
機械装置等
事業内容:デジタルサーボプレス機の製造販売や、自動車関連プレス部品の受託加工。(注:環境事業を一部統合)
業績推移:売上高 1,039百万円(▲16.1%)、営業利益 33百万円(▲7.7%)。
注目ポイント:自動車業界の設備更新需要が低調な中、採算重視の運営にシフトしています。混合溶融技術を用いたプラスチック資源循環など、環境負荷低減に向けた「装置ビジネス」への転換を急いでおり、環境・リサイクル分野の知見を持つ人材への期待が高まっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期 決算説明会資料 P.27
2027年2月期の連結業績予想は、売上高16,073百万円(前年比+12.3%)、営業利益1,200百万円(同+6.9%)と、さらなる増収増益を見込んでいます。特に成長事業の受注高・利益成長イメージは、2024年比で航空・宇宙分野が2.1倍、環境・エネルギー分野が1.4倍と非常に強力なモメンタムを想定しています。
成長を支えるキーワードは「投資」です。ガスタービン部品の生産能力増強に向けた設備投資に加え、人材投資に約5億円(前年比増)を投じる計画です。三菱重工業との資本業務提携によるシナジーも本格化し、航空機エンジンの大幅な増産ニーズに対応します。採用面では、製造現場の自動化・省人化を担う技術者や、グローバルなサプライチェーン管理を担える人材へのニーズがより一層高まるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
「航空機・エネルギー・防衛」という、日本の製造業において最も成長が期待される分野にリソースを集中させている点が最大の魅力です。特に三菱重工業との強固な提携関係を背景に、世界レベルのモノづくりに携われる点は強力な動機になります。「過去最高益を更新し続ける勢いのある環境で、自身の専門性を量産体制の構築や自動化に活かしたい」といった軸は高く評価されるでしょう。
- 「ガスタービンの量産フェーズ移行において、生産管理や歩留まり改善で現在直面している最大の課題は何ですか?」
- 「三菱重工業からの技術者派遣など、外部連携が活発な中で、自社独自の技術継承をどのように担保されていますか?」
- 「金型や機械装置部門における環境新分野(CO2回収等)のキャリアステップや、チーム構成について教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
今後の10年で会社の規模がかなり小さくなる
三菱重工から国内航空機の受注を行い、一時期は60億円以上の借入金があり、工場の売却により少しずつ返済は行われているものの、今後の10年で会社の規模がかなり小さくなると推測される
(50代前半・技術関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社放電精密加工研究所 2026年2月期 決算説明会資料(2026年4月16日発表)
- 株式会社放電精密加工研究所 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月7日発表)



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