0 編集部が注目した重点ポイント
①製造業向け開発体制をM&Aで強化する
2025年3月に製造業向け生産管理システムに強みを持つ株式会社システム開発研究所を完全子会社化しました。これによりITと生産管理業務の両面に精通した人材を確保し、グループ全体での製造業向けソリューションを強化しています。同社は2026年2月期より連結対象となっており、製造系エンジニアのキャリア機会が大きく広がっています。
②ERP事業を多軸化しGRANDIT依存を脱却する
主力の「GRANDIT」に加え、グローバル標準の「SAP」や製造業特化型の「mcframe」を次なる柱として育成する「多軸化戦略」が本格始動しました。ERP事業の売上構成比においてGRANDIT以外の比率を、2026年2月期の13%から2033年2月期には42%まで引き上げる目標を掲げており、多様なERPパッケージの導入コンサルタント需要が高まっています。
③AI事業を研究から収益化フェーズへ移行させる
AI事業は従来の画像認識から生成AIを活用したサービスへシフトし、検図AI「KENZ」などの自社プロダクトによる収益化フェーズへ突入しました。2027年2月期中の収益化を目指しており、AIを業務に実装できるエンジニアや、AIを活用した新規事業の立ち上げ経験を持つ人材にとって、挑戦しがいのある環境が整っています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期 決算説明会資料 P.12
売上高
5,558百万円
前年比 +16.5%
営業利益
595百万円
前年比 +119.3%
営業利益率
10.7%
前年比 +5.0pt
2026年2月期の通期実績は、売上高が前期比16.5%増、営業利益が同119.3%増という大幅な増収増益を達成しました。主力のERP事業が企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要を取り込み絶好調であったことに加え、AI活用による開発生産性の向上が利益率を大きく押し上げました。営業利益率は前期の5.7%から10.7%へと劇的に改善しており、高収益構造への転換が見て取れます。
親会社株主に帰属する当期純利益については前期比で減少していますが、これは前期に計上された関係会社株式売却益という一時的な要因がなくなったためであり、本業の収益力を示す営業利益は過去最高水準にあります。2027年2月期の予想についても、売上高63億円(前期比13.3%増)、営業利益7億円(同17.6%増)と、連続した増収増益を見込んでいます。
売上高は期初予想に対して101.1%、営業利益は132.3%の達成率となっており、計画を大きく上回る極めて順調な進捗となりました。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期 決算説明会資料 P.4
ERP事業
事業内容:統合型基幹業務パッケージ「GRANDIT」を核に、SAPやmcframe(製造・物流向けシステム)など、業種に特化した基幹システムを提供。
業績推移:売上高4,649百万円(前年比20.7%増)、事業利益987百万円(同40.7%増)と、全社の成長を牽引。
注目ポイント:製造・建設・ITなど主要産業への特化戦略が奏功し、過去最高水準の受注を獲得。単一製品に依存せず、顧客規模や要件に応じて複数のERPソリューションを使い分ける提案力が武器となっています。導入案件の大型化に伴い、PL(プロジェクトリーダー)や業務コンサルタントの重要性が飛躍的に高まっています。
Object Browser事業
事業内容:DB開発支援ツール「SI Object Browser」やプロジェクト管理ツール「OBPM Neo」など、開発現場の生産性を高めるプロダクトを展開。
業績推移:売上高831百万円(前年比5.2%増)。新規サブスク契約が順調に伸長し、月次経常収益(MRR)は10.7%拡大。
注目ポイント:買取型からクラウド(サブスクリプション)への移行が着実に進み、安定したストック収益基盤を確立しています。2025年には生成AIを組み込んだ自動化機能を実装。プロダクトを自社で磨き上げる「自社製品開発」に携わりたいエンジニアにとって、ユーザーの反応を直接受け取れる魅力的な環境です。
AI事業
事業内容:生成AIを用いた検図AI「KENZ」や、設計Hub-AIなど、製造業のエンジニアリング領域を自動化する次世代サービスを提供。
業績推移:売上高76百万円。事業ポートフォリオの入れ替え期間につき減収となったが、赤字幅は18百万円改善。
注目ポイント:研究開発段階を終え、いよいよ本格的なビジネス展開フェーズへ移行しています。特に熟練技術者のノウハウをデジタル化する「検図AI」は引き合いが非常に多く、製造現場の深刻な人材不足を解決するプロダクトとして期待されています。ゼロから新事業をスケールさせる経験が可能です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期 決算説明会資料 P.10
同社は2033年2月期に向けた長期ビジョンとして、売上高120億円・営業利益20億円という野心的な目標を掲げています。そのドライバーとなるのが「人的資本への投資」です。「社員全員が一流の技術者」であることを目指し、AI・自動化ツールの積極導入やスキルの再定義を進めています。
特に注目すべきは、「AIネイティブ」組織への進化です。単にAIを作るだけでなく、提案から開発、品質管理までのあらゆる業務をAI前提で再設計する方針を明示しています。これにより労働生産性を飛躍的に高める計画です。また、10〜20億円規模のM&A枠を設定しており、今後も製造業コンサルやAI領域での企業買収による規模拡大が予想されます。
質疑応答等でも言及されている通り、今期は持分法適用関連会社の持分変動利益という特殊要因による純利益への影響がありましたが、本業の営業キャッシュ・フローは非常に潤沢です。このキャッシュを「未来型人材」の育成とプロダクト投資に振り向ける方針であり、エンジニアにとっては最新技術を存分に活用できるキャリア環境が期待できます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は「GRANDIT一辺倒」からの脱却を掲げ、製造業向けの専門性を深めています。これまでの製造現場での知見や、SAP・mcframeといったパッケージ導入経験がある方は、まさに「多軸化戦略の核」として貢献できることをアピールすべきです。また、全社を挙げて「AIネイティブ」を目指しているため、AIをツールとして使いこなし、開発効率を極限まで高めたいという姿勢は非常に高く評価されるでしょう。
面接での逆質問例
- 「株式会社システム開発研究所との統合により、具体的にどのような製造業向け新規プロジェクトが動いていますか?」
- 「AIネイティブな開発体制への移行にあたり、現場のエンジニアにはどのような新しいスキルセットが期待されていますか?」
- 「多軸化戦略において、今後特に注力していく予定の業種やパッケージ領域を教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
仕事におけるチームワークにも良い影響
雰囲気はとてもよい。上司との関係も、良い意味でフラットで、何でも相談しやすい。エンジニアとも、協力し合って業績をあげていこうという認識を一致させているので、働きやすい。
(20代後半・法人営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]上司と部下の関係は比較的フラット
社員は社内での業務の場合には基本的に服装は自由であり、個人の裁量にゆだねられる点は多い。組織の中においても上司と部下の関係は比較的フラットに近く、役職名で呼び合うことなく「さん」付で呼び合い、意見を交わすなど自分の意見をきちんと主張することが新人でもできる雰囲気がある。
(30代後半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社システムインテグレータ 2026年2月期 決算説明会資料(2026年4月23日発表)
- 株式会社システムインテグレータ 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月14日発表)



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