サントリービバレッジ&フードの転職研究 2026年12月期1Q決算に見るキャリア機会

サントリービバレッジ&フードの転職研究 2026年12月期1Q決算に見るキャリア機会

サントリービバレッジ&フードの2026年12月期1Q決算は、売上収益11.2%増と大幅増収を達成。新商品「NOPE」のヒットや、オセアニア事業のセグメント独立など、グローバルな組織変革が加速しています。「なぜ今サントリーなのか?」転職希望者がどの地域・事業で価値を発揮できるのかを整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

海外事業の組織再編によりオセアニア事業を独立させる

2026年1月1日付で組織変更を実施し、従来の「アジアパシフィック事業」から「オセアニア事業」を独立した報告セグメントへ新設しました。この再編により、海外各地域の迅速な変革と一体経営を加速させます。転職者にとっては、独立した事業体として急成長するオセアニア領域でのキャリア機会が拡大する可能性があります。

ギルティ炭酸などの新カテゴリー提案で需要を創出する

日本市場において、生活者の潜在ニーズを捉えた「ギルティ炭酸 NOPE」が発売1週間で出荷2,000万本を突破する大きな反響を獲得しました。既存の飲料カテゴリーに留まらず、ウェルネスケア領域への進出も加速させており、新たな価値創造を担える商品企画やマーケティング人材の重要性が高まっています。

売上収益11.2%増で持続的な収益成長に向けた滑り出しを見せる

2026年度第1四半期は、コアブランドの強化と価格改定の効果により、前年同期比で大幅な増収を達成しました。コスト高騰や積極的な投資による減益要因はあるものの、日本、アジア、オセアニア、米州の各地域で増収を記録しており、グローバル飲料企業としての収益基盤の拡大が着実に進捗しています。

1 連結業績ハイライト

積極的な投資と価格改定が寄与し増収。コスト高騰をこなしつつ、通期業績予想の達成に向けて想定通りの進捗を見せています。
2026年度第1四半期連結実績

出典:2026年度 第1四半期決算説明会 P.6

売上収益 4,069億円 (前年同期比 +11.2%)
営業利益 272億円 (前年同期比 -0.2%)
四半期利益 149億円 (親会社所有者帰属 -3.2%)

※既存事業ベース:売上収益からは譲渡事業の影響を、利益からは非経常的な要因(一時的な損失や収益など)を控除した、実質的な事業の成長を測るための指標。

当第1四半期は、原材料価格や物流費の高騰、さらにはブランド価値向上のためのマーケティング投資を積極的に実施した影響で、営業利益は微減となりました。しかしながら、為替の影響を除いた為替中立ベースでの売上収益は6.1%増と着実な伸びを見せています。特に日本や米州での価格改定効果が浸透し、増収効果がコスト増を補う構造が整いつつあります。

通期予想(売上収益1兆8,260億円、営業利益1,550億円)に対する進捗率は、売上が22.3%、営業利益が17.6%となっており、飲料業界の季節性を考慮すると、会社発表の通り「想定通りの進捗」であると評価できます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

地域ごとの市場環境に合わせた戦略を展開。オセアニア事業の大幅成長や、日本での新カテゴリー成功が目立ちます。
セグメント別実績

出典:2026年度 第1四半期決算説明会 P.7

日本事業

事業内容

サントリー天然水、BOSS、伊右衛門などの清涼飲料水の製造・販売、およびウェルネスケア製品の開発。

業績推移

売上収益:1,602億円(+4.9%)、利益:43億円(-11.9%)。コスト高騰が響くも増収。

注目ポイント

飲料市場全体が前年比99%と推定される中、当社は104%と市場を上回る成長を記録しました。「NOPE」のような嗜好変化を捉えた新商品の投入が成功しており、既存ブランドの磨き上げと新市場開拓の両輪を担う企画・マーケティング人材が強く求められています。

注目職種:ブランドマネージャー、商品開発(R&D)、サプライチェーンマネジメント

欧州事業

事業内容

フランス、英国、スペインを中心に、LucozadeやSchweppes等のブランドを展開。

業績推移

売上収益:880億円(為替中立 -0.0%)、利益:123億円(+5.1%)。

注目ポイント

フランスの消費低迷や英国・スペインの天候不順という逆風下でも、Schweppesのポートフォリオ拡充により底堅く推移しています。工場再編に伴う一時費用が発生していますが、構造改革による生産効率の改善が進行中であり、海外拠点のオペレーション最適化に知見を持つ人材の活躍の場があります。

注目職種:海外経営企画、製造プロセスエンジニア、ファイナンシャルコントローラー

アジア事業

事業内容

ベトナム・タイ等での清涼飲料事業、および健康食品(ブランド「BRAND'S」)の展開。

業績推移

売上収益:831億円(為替中立 +3.6%)、利益:102億円(-0.1%)。

注目ポイント

ベトナムの旧正月需要を捉えたマーケティングが成功しました。タイでの砂糖税増税という規制変化に対し、低糖製品への切り替えや容量・価格設計の最適化で対応しています。新興国の市場変化と規制に迅速に対応できる、現地のニーズを汲み取った戦略立案力が期待されています。

注目職種:海外営業戦略、ガバメントリレーションズ、デジタルマーケティング

オセアニア事業

事業内容

豪州・ニュージーランドでの「V」等のエナジー飲料、およびアルコールRTDの販売。

業績推移

売上収益:304億円(為替中立 +49.8%)、利益:32億円(+24.0%)。

注目ポイント

2026年度より独立セグメント化され、凄まじい成長率を叩き出しています。豪州新工場の稼働に伴う製造コスト低減が利益に大きく寄与しました。アルコール飲料(RTD)の展開も加速しており、新組織の立ち上げや新拠点での事業拡大に関われるエキサイティングなフェーズにあります。

注目職種:事業立案、プラントエンジニア、国際ロジスティクス

米州事業

事業内容

北米を中心とした、ペプシコ社ブランド製品の製造・販売事業。

業績推移

売上収益:452億円(為替中立 +6.8%)、利益:44億円(+7.6%)。

注目ポイント

昨年末に実施した価格改定と、エナジーカテゴリーの機能性新商品がミックス改善(利益率の高い製品の比率向上)に寄与しています。製造コスト高騰の影響はあるものの、北米市場の強い購買力を背景に安定した収益源となっており、グローバルなビジネススキームを学びたい方に適した環境です。

注目職種:エリアセールス、計数管理、カテゴリーアナリスト

3 今後の見通しと採用の注目点

中東情勢等の外部環境リスクを注視しつつ、積極投資による攻めの姿勢を崩さず成長を追求します。
今後の戦略

出典:2026年度 第1四半期決算説明会 P.13

世界情勢の不透明感が続く中でも、通期業績予想の達成に向けた方針は不変です。特に注目すべきは、サントリーグループの総力を結集したウェルネスケア領域への本格進出です。筋肉・軟骨由来成分を含む「ロコモア」を飲料として提案するなど、生活習慣の変化に寄り添う新たな価値提案を加速させます。

組織面では、2026年からの新セグメント体制により、地域ごとの意思決定が迅速化されています。豪州での自社生産開始によるマージン改善や、欧州でのSchweppesブランドのさらなる拡大など、各地域で攻めのマイルストーンが設定されています。グローバルな事業変革を自らの手で推進したいという志を持つ人材にとって、今が非常に魅力的なタイミングと言えるでしょう。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

「NOPE」のヒットに見られるように、同社は従来の飲料の枠を超えた「新たな飲用価値」の創造に長けています。自身のこれまでの経験(異業界でのトレンド把握や新規事業開発など)を、サントリーの持つ「ブランド資産や技術力」と掛け合わせることで、どのようにウェルネス領域や海外新市場を牽引できるかを具体的に語るのが効果的です。

Q&A

面接での逆質問例

・「オセアニア事業の独立と豪州新工場の稼働により、域内でのサプライチェーン戦略はどのように進化させていく計画ですか?」
・「フランスでの消費低迷という課題に対し、主力ブランドの価格競争力と付加価値をどうバランスさせていく方針でしょうか?」
・「ウェルネスケア領域への進出において、飲料事業の既存リソースをどのように活用し、新たな販売チャネルを構築される予定ですか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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出産前と同じようにとはいかない

出産後も出産前と同じようにとはいかないと思いますが、多少工夫して働くことができると思います。

(30代後半・研究開発・女性) [キャリコネの口コミを読む]
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大変やりがいがありました

積極的に海外展開を図っており、多くのことを学ぶことができ、大変やりがいがありました。とても働きやすい環境だと思います!

(10代後半・代理店営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • サントリービバレッジ&フード株式会社 2026年度 第1四半期決算説明会資料
  • サントリービバレッジ&フード株式会社 2026年12月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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東京証券取引所プライム市場に上場し、飲料・食品セグメントの中核として国内外でミネラルウォーターやコーヒー、茶系飲料を展開しています。直近の業績は価格改定や欧州等での販売が寄与し売上収益が増加した一方、原材料高等のコスト増や海外の一部低迷の影響を受け、増収減益となっています。