0 編集部が注目した重点ポイント
① 構造的要因を除いた実力ベースの利益が20%以上の大幅増益を達成した
2026年12月期第1四半期において、買収に伴う費用の計上(のれん償却)といった会計上の特殊要因を除いた実力ベースの営業利益は、前年同期比19.8%増の381億円となりました。不動産事業の好調に加え、新たに連結されたクックデリ株式会社などの成長が収益を押し上げており、稼ぐ力が着実に強化されています。
② リアルゲイトとの共同出資によりリノベーション事業へ本格参入した
2026年2月、株式会社リアルゲイトとの合弁会社「HistoRy合同会社」を設立し、リノベーション事業を本格化させました。都心部の築古不動産を取得・改修して価値を高める戦略で、早期に1,000億円超の投資残高を目指しています。同事業への参入により、不動産企画・運営の専門人材にとって新たな活躍フィールドが拡大する見通しです。
③ レンタルオフィス事業から撤退し経営資源の集中を加速させた
当四半期中にヒューリックビズフロンティア株式会社の全株式を譲渡し、レンタルオフィス事業から撤退しました。これにより、中長期経営計画で掲げる成長領域へのリソース集中をより明確にしています。事業ポートフォリオの最適化を進めるスピード感は、変化を好むプロフェッショナル人材にとって魅力的な環境と言えます。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年12月期 第1四半期 決算説明資料 P.3
※実力ベース営業利益 = 営業利益に株式会社リソー教育の株価変動に伴う追加的なのれん償却費(69億円)を足し戻した指標
売上高は前年同期比44.8%増と大幅な伸長を見せました。会計上の営業利益は311億円(前年同期比2.0%減)となりましたが、これはリソー教育の株価に応じた会計上の「追加的なのれん償却」69億円を計上したためであり、事業の超過収益力そのものに問題はないとしています。この特殊要因を除けば、実質的には2割近い大幅な増益ペースを維持しています。
通期予想に対する進捗率は、特殊要因を除くベースで営業利益・経常利益ともに18%以上となっており、期初の滑り出しとしては概ね順調な推移です。特に純利益の進捗率は20%に達しており、18期連続の最高益更新に向けた期待が高まっています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年12月期 第1四半期 決算説明資料 P.6
不動産事業
事業内容: 都心駅近のオフィス、商業施設、データセンターなどの賃貸および開発、売却を通じた価値創造。
業績推移: 営業収益 1,913億円(前年同期比43.4%増)、営業利益 385億円(同15.4%増)と極めて堅調。
注目ポイント: 国内では1,600億円の投資が確定・内定するなど、資産拡大が加速しています。「銀座」「渋谷・青山」「新宿東口」などの重点エリア比率を50%以上に保ちつつ、都市型データセンターなど高利回り・インフル耐性アセットの開発を強化しており、プロジェクトマネジメントの専門スキルを持つ人材の需要が高まっています。
ホテル・旅館事業
事業内容: 「ザ・ゲートホテル」や高級旅館「ふふ」などの直営施設の運営およびアセット保有。
業績推移: 営業利益 20億円(前年同期比10.7%増)。インバウンド需要の増加により宿泊単価が上昇。
注目ポイント: 2026年2月に「ふふ 城ヶ島」が開業、6月には関西旗艦店となる「ザ・ゲートホテル大阪」の開業を控えています。今後も新宿や銀座などでの新規開業パイプラインが豊富にあり、ハイエンド層向けサービスの知見を持つ人材にとって、ブランドを共に作り上げる絶好の機会があります。
その他(M&A3社・新規事業)
事業内容: リソー教育(教育)、鉱研工業(製造)、クックデリ(高齢者食)の主要3社を含む成長領域。
業績推移: 特殊要因除く営業利益は21億円。前年同期比で14億円の大幅な実質増益(注:一部新規連結のため単純比較不可)。
注目ポイント: 特に「クックデリ」は営業利益が前年同期比70%超の伸長を見せており、グループのネットワーク活用によるシナジーが明確に出ています。ヒューリックが「不動産の商社化」を掲げ、異業種を取り込んで価値を創出する中で、PMI(買収後の統合)や事業経営に携わるポジションが重要視されています。
保険事業
事業内容: 法人・個人向けの多用な保険商品の代理店販売(ヒューリック保険サービス株式会社)。
業績推移: 営業利益 4.9億円(前年同期比33.8%増)と高い伸びを維持。
注目ポイント: 厳しい市場環境ながら、既存代理店の営業権取得を重点戦略として着実に利益を積み上げています。グループ内での安定収益基盤としての役割を果たしています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年12月期 第1四半期 決算説明資料 P.48
同社は、2026年から2036年までの新・中長期経営計画において、収益力の複合化を強力に推進しています。2036年の収益構成として、観光やこども教育、高齢者・健康、次世代産業アセットなどの新規事業等の割合を3~4割まで引き上げる計画です。これは単なる不動産賃貸業から「コングロマリット・プレミアム」を創出する独自のビジネスモデルへの進化を意味します。
採用面での注目点は、M&A投資枠として総額7,500億円(2036年まで)を設定している点です。異業種との連携や新規事業の立ち上げが相次ぐことが予想されるため、特定のアセットに縛られず、事業を自ら創造・育成したいマインドを持つ人材には非常に魅力的なフェーズです。また、データセンターや物流、環境・インフラなど、専門性の高い技術的バックグラウンドを持つ人材の活躍の場も広がっています。
4 求職者へのアドバイス
「不動産の枠を超えた価値創造」への意欲を軸にするのが有効です。ヒューリックは「不動産の商社化」という独自のビジョンを掲げており、特にM&Aを活用した新規事業の育成に注力しています。自身のこれまでの専門知識(教育、製造、飲食、DXなど)を、ヒューリックの持つ不動産アセットや資金力と掛け合わせることで、どのような社会的課題の解決(高齢化対応や少子化対策など)に貢献したいかを語ることが、強いアピールに繋がります。
- 「不動産の商社化」を推進する中で、現場レベルで他セグメント(例:教育とホテルなど)とのシナジー創出はどのように奨励されていますか?
- 新規事業として注力されている「都市型データセンター」において、競合他社と比較した際の独自の競争優位性はどこにありますか?
- 中長期計画の達成に向けて、プロフェッショナル人材の獲得と育成に関して、今後どのような人的資本投資を計画されていますか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
待遇が良く誰しもが目指したい企業
業界内ではヒューリックバブルと言われるほど待遇が良く誰しもが目指したい企業であると思う。また、少数精鋭の中で自分を磨いていきたいから。
(30代後半・建築設計・男性) [キャリコネで面接事例を見る]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- ヒューリック株式会社 2026年12月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- ヒューリック株式会社 2026年12月期 第1四半期 決算説明資料



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。