0 編集部が注目した重点ポイント
① 金型の減価償却方法を変更し、生産効率を向上させる
2026年第1四半期より、国内事業において金型の減価償却方法を「定率法」から「定額法」へ変更しました。これはモジュラー型生産方法の導入に伴うもので、使用実態に合わせた耐用年数の見直しも実施。この会計上の変更により、当期の営業利益が1億4600万円増加しており、ものづくり基盤の刷新が収益構造に寄与し始めています。
② 北米エリアの増収増益により、中国依存リスクを軽減する
中期経営計画「Vプラン26」の柱である海外事業の構造改革が進展しています。中国の不動産市況停滞が長期化する中、北米エリアでは高効率な家庭用タンクレス給湯器の販売比率が向上し、増収増益を達成しました。特定の地域に依存しないポートフォリオへの変革が着実に進んでおり、グローバルでのキャリア機会が広がっています。
③ 政策保有株式の縮減により、成長投資資金を捻出する
資本コストを意識した経営の一環として、政策保有株式の縮減を加速させています。2026年12月までに純資産比率を20%未満とする目標を掲げ、売却資金を成長投資へ充当する方針です。当期には投資有価証券売却益44億3000万円を計上しており、財務基盤の強化と研究開発・生産革新への投資サイクルが確立されています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年12月期 第1四半期 決算IR資料 P.16
売上高
516.35億円
前年同期比 -2.3%
営業利益
16.78億円
前年同期比 -16.4%
親会社株主に帰属する純利益
44.63億円
前年同期比 +211.6%
2026年12月期第1四半期の売上高は516億3500万円となり、中国の不動産市況停滞に伴う海外事業の減収が響きました。営業利益も部材価格高騰の影響を受け16億7800万円となりましたが、国内での高付加価値商品の拡販により、稼ぐ力の強化は着実に進んでいます。
特筆すべきは純利益の推移です。政策保有株式の売却に伴う「投資有価証券売却益」を特別利益に計上したことで、前年同期比で3倍以上の利益水準となりました。キャッシュ・フローの適正化を図りつつ、将来の成長投資に向けた原資を確保する意志が明確に表れています。
通期予想に対する売上高の進捗率は約24.6%、営業利益の進捗率は約37.3%となっており、第1四半期としては順調な滑り出しと言えます。特に利益面での進捗が良く、期後半に向けた事業拡大への期待が高まっています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年12月期 第1四半期 決算IR資料 P.18
国内事業
事業内容
給湯器などの温水空調分野、ガスコンロ・レンジフードなどの厨房分野を柱に、国内シェアトップクラスを誇ります。
業績推移
売上高366.86億円(前年比+1.2%)、利益14.22億円(同-9.3%)。原価高騰の影響を受けるも増収を確保しました。
注目ポイント
自然冷媒ハイブリッド給湯機「HPHBR290」などの環境配慮型商品が、施工性の高さから需要を上回る拡大を見せています。また、厨房分野ではレンジフードの販売が好調。成熟市場ながら、高付加価値化による単価向上と、DXによる「つながり」を起点としたアフターサービスの拡大に向けたIT・企画人材の需要が高まっています。
海外事業:北米エリア
事業内容
北米市場において、貯湯式(タンク式)から瞬間式(タンクレス)への取替を提案する成長事業です。
業績推移
高効率製品の構成比アップにより増収増益を達成。業務用・暖房用機器の販売も大きく伸長しています。
注目ポイント
環境規制の強化を背景に、高効率タンクレス給湯器への需要が加速しています。PB Heat社などの現地グループ会社との連携により、暖房分野での新価値創造を推進中。グローバルなSCMマネジメントや、現地の施工・修理支援を支えるテクニカルサポートの強化が急務となっています。
海外事業:中国・豪州・東南アジア
事業内容
中国での給湯器・厨房機器販売に加え、豪州でのヒートポンプ拡大、東南アジアでの水技術展開を行っています。
業績推移
中国は市況低迷で減収減益。豪州はヒートポンプが好調。東南アジアはラオスでの販路開拓など基盤構築が進展。
注目ポイント
中国では上海トップクラスのシェアを維持しつつ、地方都市への拡大と厨房分野への本格参入を狙います。豪州ではDux社をマザー工場化し品質向上を推進。ベトナム・タイ等では浄水器販売を足掛かりに新エリアを開拓しており、ゼロベースで市場を創り出すタフな営業・マーケティング人材が求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年12月期 第1四半期 決算IR資料 P.25
ノーリツは、2026年までの3年間で総額325億円の戦略投資を継続しています。その内訳は海外事業への90億円を筆頭に、研究開発に55億円、生産革新に40億円と、次世代の「なくてはならない」価値創造に重点が置かれています。特に明石本社工場での自働化率70%を目指すスマートファクトリー化は、製造現場の働き方を大きく変えるプロジェクトです。
また、カーボンニュートラルへの対応として、水素燃焼技術やヒートポンプ給湯機のグローバル展開を強化。単なる機器販売に留まらず、IoTサーバーを活用した「見まもり」や「遠隔監視サービス」の拡大により、ストック型ビジネスへの転換を急いでいます。
質疑応答においては、中国の不動産市況などのリスクも言及されていますが、それらを織り込んだ上でのポートフォリオ変革が順調に進んでいることが強調されています。持続可能な社会課題解決に挑む同社では、エンジニアだけでなく、サービスモデルを再構築できるDX人材や環境商材の営業プロフェッショナルにとって、非常に挑戦しがいのあるフェーズと言えます。
4 求職者へのアドバイス
HINT 志望動機のヒント
「新しい幸せを、わかすこと。」というミッションのもと、成熟した国内市場からグローバル成長市場へのシフトを加速させている点に注目しましょう。特に、北米でのタンクレス普及や東南アジアでの水ビジネス展開など、ご自身のスキルが「どのエリアの、どの社会課題解決」に直結するかを言語化すると、強い共感を得られます。生産革新やDXによる事業構造変革に主体的に関わりたいという意欲は、現在の同社にとって非常に魅力的な志望動機となります。
Q&A 面接での逆質問例
・「中期経営計画 Vプラン26におけるスマートファクトリー化の進捗が、具体的に現場の生産管理やエンジニアの業務フローにどのような変化をもたらしていますか?」
・「北米や東南アジアでの成長を加速させる中で、日本の拠点と現地法人の開発・販売シナジーを最大化するために、どのような組織横断的なプロジェクトが進行していますか?」
・「IoTサーバーを活用したつながり強化が目標値(2030年900万件)に向けて進んでいますが、蓄積されたデータを活用した新サービス開発の現場では、どのようなバックグラウンドを持つ人材が活躍していますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年12月期 第1四半期 決算IR資料(2026年5月14日発表)
- 2026年12月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日発表)



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