0 編集部が注目した重点ポイント
① 第1四半期の全利益項目で前年を上回る
2026年12月期第1四半期は、売上収益が前年比14.6%増、営業利益が24.9%増と当初計画を上回るペースで進捗しています。為替の円安推移に加え、インダストリアル事業での受注案件の着実な遂行や航空宇宙事業の出荷増が大きく寄与しており、非常に力強いスタートを切っています。
② 構造改革によるCRRT事業の譲渡を完了する
不採算事業の整理と収益性改善を目指し、2025年中にCRRT(急性血液浄化)事業の譲渡を完了しました。これによりメディカル事業のポートフォリオが再構築され、今後は成長性の高い米国市場や欧州での血液透析事業へリソースを集中させる体制が整っています。キャリア形成においても、注力領域が明確化された点はポジティブな変化と言えます。
③ 航空宇宙事業の増産により収益が改善する
航空機市場の旺盛な需要を背景に、航空宇宙事業の売上収益が前年比31.4%増と大幅な伸びを見せています。業界全体での増産体制が加速する中、同社が強みを持つCFRP製品の出荷が伸び、セグメント利益は4.5億円(前年同期はほぼゼロ)へと急改善を遂げており、生産拠点である宮崎工場などの重要性が高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年12月期 第1四半期 決算補足説明資料 P.3
第1四半期累計の売上収益は553億円となり、前年同期の483億円から70億円の増収となりました。主力のインダストリアル事業において、エネルギー安全保障の高まりを背景としたLNG(液化天然ガス)分野の設備投資が活発で、既存案件の着実な収益化が進んだことが主な要因です。
営業利益についても、航空宇宙事業の増産やインダストリアル事業の増益が、メディカル事業での開発投資増を吸収し、36億円と大幅な伸びを見せました。営業利益率は6.7%まで上昇しており、前年の6.1%から収益性が改善しています。
通期予想の165億円に対し、第1四半期の営業利益進捗率は約22%ですが、為替影響や受注残の状況を鑑みると当初計画を上回るペースで順調に推移していると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年12月期 第1四半期 決算補足説明資料 P.12
インダストリアル事業
事業内容:LNG関連の極低温ポンプや、電子部品市場向けの精密機器などを提供する、同社の最大セグメントです。
業績推移:売上収益 313億円(前年比+22.7%)、営業利益 26億円(前年比+26.7%)と増収増益を達成しました。
注目ポイント:北米・欧州を中心にLNG受入基地案件が非常に活発です。また、CE&IGグループでは宇宙産業向けビジネスにも進出しており、伝統的なインフラから最先端技術領域まで、幅広いプロジェクトに携わるチャンスがあります。
航空宇宙事業
事業内容:炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を用いた航空機部品を製造。カスケード(逆噴射装置部品)は世界シェア90%超です。
業績推移:売上収益 52億円(前年比+31.4%)と急伸し、営業利益が大幅に改善(前年0.6億円→4.5億円)しました。
注目ポイント:航空機市場の需要回復を受け、生産活動の回復が加速しています。eVTOL(空飛ぶクルマ)など、次世代の移動多様化への挑戦も始まっており、材料技術を活かした新規開発に強みを持つ人材の需要が高まっています。
メディカル事業
事業内容:血液透析装置および消耗品の製造販売。国内トップシェアを誇り、グローバル展開を加速中です。
業績推移:売上収益 188億円(前年比+0.1%)。国内は微減ですが、欧州での販売拡大が寄与し、海外売上は堅調です。
注目ポイント:米国市場への本格進出に向け、2026年1月から新型装置の販売を開始しました。現在は上位機種の許認可取得に向けた対応を進めており、グローバルな規制対応や海外市場開拓の専門人材が不可欠な状況です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年12月期 第1四半期 決算補足説明資料 P.21
同社は2028年に向けた長期ビジョンとして、売上収益2,700億円、ROE9.0%以上という高い目標を掲げています。第1四半期の好スタートにより、通期業績予想は据え置かれていますが、インダストリアル事業のLNG関連需要や航空宇宙事業の回復基調は非常に底堅いものがあります。
今後の成長ドライバーとして、水素・アンモニアといった新エネルギー市場への参入や、米国血液透析市場での本格展開が挙げられます。これらは既存の技術基盤を活かしつつ、新たな市場を切り拓く「種まき」の段階から「成果獲得」のフェーズへ移行しており、事業開発や海外展開のスキルを持つ人材にとっては、非常にやりがいのある環境です。
一方で、中東情勢の緊迫化によるサプライチェーンへの影響や資源価格の変動には注意が必要であると質疑応答や短信でも言及されています。しかし、こうした不透明な環境下でも、海外売上比率70%を誇るグローバルな事業基盤がリスク分散として機能しており、安定した成長が期待されます。
4 求職者へのアドバイス
日機装は「ニッチトップ戦略」を体現する企業です。カスケードの世界シェア90%超や、国内透析装置のトップシェアなど、圧倒的な技術優位性を背景に、現在は「エネルギーの脱炭素化」や「宇宙産業」、「米国医療市場の開拓」といった壮大なテーマに挑んでいます。 「自分の専門性を活かして、グローバルな社会課題(エネルギー問題や医療格差)の解決に貢献したい」という軸で志望動機を構成すると、同社の戦略と合致しやすく、高く評価されるでしょう。
- 新中期経営計画「NIKKISO 2028」において、私の配属予定部署が担う「最も重要な成果獲得」は何でしょうか?
- LNGから水素・アンモニアへのエネルギー転換が進む中で、技術開発や営業スタイルの変化をどのように捉えていますか?
- 米国での医療機器事業の本格拡大に向けて、現場の組織体制やカルチャーにはどのようなアップデートを期待されていますか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
安定した基盤が築かれています
各事業部が独自の技術で成長してきたため、安定した基盤が築かれています。異なる事業部が互いに補完し合うことで、経済の変動に対しても強い耐性を持っています。
(30代後半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]将来的な不安要素となっています
メディカル分野では顧客の減少が懸念されており、将来的な不安要素となっています。新しい分野への挑戦も積極的ですが、撤退する部門もあるため、事業の選択と集中が求められます。
(30代前半・コンサルティング営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年12月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
- 2026年12月期 第1四半期 決算補足説明資料
- 中期経営計画「NIKKISO 2028-Toward a Healthier World」



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