0 編集部が注目した重点ポイント
① 第1四半期で過去最高益を更新し進捗率は50%を超える
2026年12月期第1四半期(1Q)の業績は、売上高が前年同期比10.5%増、営業利益が9.0%増となり、1Qとして過去最高益を更新しました。通期利益予想に対する進捗率は50.6%に達しており、極めて好調な滑り出しを見せています。リニューアル案件の獲得と利益率の改善が、戦略的経費の増加を上回る成果を生んでいます。
② 工場・物流施設向け「第3の波」が新たな成長の柱となる
大都市圏や地方拠点に続き、現在は「工場オフィス(Factory Office)」のリニューアル需要が急速に拡大しています。人的資本経営への関心が高まる中、生産現場のオフィス棟や食堂のリノベーション提案が好調で、同領域の商談額は前年比で1.40倍(40%増)に急伸しており、転職者にとっても新たな市場開拓のチャンスが広がっています。
③ 2026年7月より製品価格を3~8%引き上げる価格改定を実施
原材料費の変動等に対応し、2026年7月1日よりオフィス家具や設備機器等の主要製品を対象に3~8%の価格改定を実施します。これは収益性のさらなる向上に向けた重要な施策であり、空間デザインを起点とした付加価値提供と合わせ、2026年12月期の営業利益率9.6%という高水準な目標達成を裏付ける動きとなります。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年12月期第1四半期 決算補足説明資料 P.3
売上高
472.2億円
前年比 +10.5%
営業利益
80.8億円
前年比 +9.0%
経常利益
80.9億円
前年比 +10.6%
第1四半期の売上高は、ハイブリッドな働き方に対応したオフィスリニューアル需要が堅調で、472億24百万円(前年同期比10.5%増)となりました。利益面では、DX推進のためのIT基盤強化や業容拡大に伴う人件費増といった戦略的支出を計画通り実行したものの、増収効果と付加価値提供による利益率の改善でこれらを吸収しました。
通期連結業績予想に対する進捗率は、売上高が28.2%、営業利益および経常利益が50.6%となっており、極めて順調に推移しています。例年、年度末を含む1Qに売上が集中する季節性があるものの、計画を上回るペースでの利益確保は、経営基盤の強さを示しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年12月期第1四半期 決算補足説明資料 P.4
ワークプレイス事業
事業内容
オフィス家具の製造・販売に加え、働き方やオフィス空間のデザイン・コンサルティングを行う主力の事業セグメントです。
業績推移
売上高は364億円(前年比+5.4%)、営業利益は70億円(+0.6%)と増収を維持。投資増を吸収し過去最高益に貢献しました。
注目ポイント
単なる「モノ売り」から、空間設計やコンサルティングを含む「Office 2.0(空間総合提案)」への転換が成功しています。上流工程からの参画により利益率が良化しており、建築士や空間デザイナー、働き方の変革を提案するコンサルタントといった専門人材の価値が非常に高まっています。
設備機器・パブリック事業
事業内容
研究施設、物流施設、教育施設、文化施設向けの専門設備機器を提供するセグメント。子会社のダルトンが中核を担います。
業績推移
売上高は103億円(前年比+33.8%)、営業利益は10億円(+168.5%)と、驚異的な成長を記録しました。
注目ポイント
特に研究施設向け設備が絶好調です。ダルトンの増収効果に加え、施工品質の向上や付加価値提供による利益率改善が顕著です。ライフサイエンス領域など、高度な研究環境が求められる市場において圧倒的な強みを発揮しており、専門技術者や営業担当の活躍フィールドが急速に広がっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年12月期第1四半期 決算補足説明資料 P.16
イトーキは今後、自社オフィスのリニューアルを通じて得た知見を顧客に還元する「体験価値」の提供をさらに加速させます。「ITOKI DESIGN HOUSE」を東京だけでなく、2026年12月に福岡、2027年5月に大阪でもオープンする計画です。また、海外事業でも上海オフィスの移転(2026年秋予定)を控え、グローバルなデザイン戦略を強化しています。
さらに、新たな成長ドライバーとして「データ活用(Office 3.0)」への進化も進めています。5,000名規模の調査レポート「WORKPLACE DATA BOOK 2026」の公開や、AIとデザインを融合させた新ブランド「NII」のミラノサローネ初出展など、先進的な取り組みが目立ちます。こうしたデータに基づいたコンサルティング領域の拡大は、IT・データ分析に強みを持つ人材にとっても魅力的なキャリア機会となるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
イトーキは家具メーカーから「働く環境のトータルデザイナー」へと変貌を遂げています。志望動機では、「単なる什器の販売ではなく、人的資本経営や生産性向上に寄与する空間価値の創造に携わりたい」という視点を持つことが重要です。特に工場リニューアルや研究施設設備といった成長領域への関心は、同社の戦略と合致しており、高く評価される可能性が高いでしょう。
面接での逆質問例
- 「Office 2.0からOffice 3.0(データ活用)への進化において、現場の営業やデザイナーに求められるスキルの変化をどう捉えていますか?」
- 「急速に拡大している工場オフィス領域において、競合他社に対するイトーキ独自の強みは何だとお考えですか?」
- 「ミラノサローネへの出展や上海移転など、グローバル展開を加速させる中で、国内拠点の専門人材が海外案件に関わる機会はありますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
介護が理由で退職される方もいる
介護が発生した場合の詳しい制度ができていない。実際介護が理由で退職される方もいると聞いている。まだまだ改革する必要がある。
(20代前半・インテリア関連職・女性) [キャリコネの口コミを読む]障害なくキャリアアップしやすい
女性にとって働きやすい環境。テレワークなど試験段階だが今後取り入れていき、働き方改革に向けてどんどん変わってきている。女性の管理職も何人かおり、障害なくキャリアアップしやすい。
(20代前半・インテリア関連職・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社イトーキ 2026年12月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社イトーキ 2026年12月期 第1四半期 決算補足説明資料



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。