クレスコの転職研究 2026年3月期通期決算に見るキャリア機会

クレスコの転職研究 2026年3月期通期決算に見るキャリア機会

クレスコの2026年3月期通期決算は、デジタルソリューション事業が前年比99.1%増と爆発的に成長し、全体の売上高も10.1%増の646億円と増収増益を達成しました。「なぜ今クレスコなのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0編集部が注目した重点ポイント

M&A推進でデジタル領域の売上高を99.1%増加させる

2025年度に高木システムの吸収合併やエイプス、アイエステクノポートの買収等を次々と実行しました。前年は未連結のため単純比較不可な部分もありますが、デジタルソリューション事業の売上高は前年比99.1%増と急成長しています。これにより、同領域において転職者が先進的な案件に挑戦できるキャリア機会が確実に拡大しています。

組織再編でモビリティDXビジネス本部を新設し提案力を高める

2025年4月1日付の組織再編により、自動車・輸送機器分野の強化を目的とした「モビリティDXビジネス本部」を新設しました。さらに営業力を強化する「マーケットディベロップメント本部」も新設しており、全方位的な推進体制を整備したことで、新領域に挑む専門人材が活躍できる新たなフィールドが確立されています。

通期売上高が10.1%増の646億円に達し増収増益を達成する

2026年3月期の通期連結業績は、旺盛なIT投資需要を背景に売上高が前年度比10.1%増の646億76百万円、営業利益が10.4%増の66億5百万円となりました。主要顧客を中心に売上が増加したほか、新規連結効果も寄与しており、強固な経営基盤のもとで安定した成長トレンドを維持しています。

1連結業績ハイライト

企業のDX投資や旺盛なIT投資需要に支えられ、連結売上高は前年比10.1%増の646億76百万円を達成し、強固な増収増益トレンドを維持しています。
売上高・利益の推移

出典:2026年3月期 通期連結 アナリスト向け決算説明会 P.5

売上高

64,676百万円

前年比 +10.1%

営業利益

6,605百万円

前年比 +10.4%

経常利益

6,980百万円

前年比 +11.0%

純利益

5,279百万円

前年比 +19.8%

地政学リスク等の懸念がある中、企業のIT投資需要は依然として旺盛です。主要顧客を中心に売上が増加し、新規連結効果も加わって売上高は前年比10.1%増、営業利益は10.4%増となりました。賃上げ促進税制等の適用や投資有価証券の売却益計上により、純利益は19.8%増と大幅な増益を記録しています。

通期予想に対する達成率の評価としては、売上高が101.1%と期初予想を上回り非常に堅調に推移しました。一方、営業利益は達成率94.4%にとどまり期初予想を下回る結果となったため、今後は利益率の向上が重要な課題です。

2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

ITサービス事業の各サブセグメントと急成長するデジタルソリューション事業を網羅し、転職者が持つ専門スキルを活かせる活躍フィールドを詳細に分析します。
セグメント別の売上高比率

出典:2026年3月期 通期連結 アナリスト向け決算説明会 P.7

エンタープライズ(ITサービス事業)

【事業内容】幅広い業界向けにIT企画や開発・保守の総合サービスを提供しています。

【業績推移】通期の売上高は240億8百万円(前年同期比8.9%増)、セグメント利益は32億96百万円(同31.9%増)と、大幅な増収増益を達成しました。

【注目ポイント】「情報・通信・広告」分野において、アプリケーション開発支援業務が大きく増加しました。さらに、前年同期に発生していた不採算プロジェクトが収束したことも利益率の大幅改善に寄与しています。多様な顧客のDX需要に応えるため、上流工程の提案力を持つ専門人材が必要とされています。

注目職種:アプリケーション開発エンジニア、ITコンサルタント

金融(ITサービス事業)

【事業内容】高い信頼性が求められるミッションクリティカルな金融システムの企画・開発・保守を行っています。

【業績推移】通期の売上高は174億27百万円(前年同期比1.5%増)と横這いとなり、セグメント利益は22億8百万円(同7.7%減)の減益となりました。

【注目ポイント】銀行分野でのシステム開発案件が増加した一方で、保険分野での開発案件が減少したため全体としては横這いとなりました。また、一部の連結子会社において不採算プロジェクトが発生したことが利益面での下押し要因となっています。プロジェクトのリスクマネジメント強化や品質管理を徹底できるPM・PL人材の確保が急務です。

注目職種:金融システム開発プロジェクトマネージャー(PM)、システムエンジニア

製造(ITサービス事業)

【事業内容】製造業向けに、車載システムや組込みソフトウェア、生産管理システム等の開発を行っています。

【業績推移】通期の売上高は139億28百万円(前年同期比6.3%減)、セグメント利益は25億34百万円(同9.0%減)と、減収減益の着地となりました。

【注目ポイント】「機械・エレクトロニクス」分野におけるメーカーの製品開発プロジェクトの中止や延期の影響を大きく受けました。しかし、自動車分野等では「モビリティDXビジネス本部」の新設により開発体制を強化しています。急速に進化するSDV(ソフトウェア定義自動車)などの最先端領域へ対応するため、高度な組込み技術を持つ専門人材が求められています。

注目職種:組込みソフトウェア開発エンジニア、制御系システムエンジニア

デジタルソリューション事業

【事業内容】クラウド(Creage等)やRobotics(UiPath等)など、顧客のDX実現を支援するソリューションを提供します。

【業績推移】売上高は93億12百万円(前年同期比99.1%増)、セグメント利益は8億15百万円(同388.1%増)と、爆発的な成長を遂げました。

【注目ポイント】(注:新規取得会社を含むため前年同期とは単純比較不可)。製品・ライセンスの販売および導入支援が大幅に増加したことに加え、M&Aによる連結効果が大きく寄与しました。生成AIの活用やクラウド移行、セキュリティ強化など、最先端のDXニーズに応えるため、ソリューション提案やAI駆動開発を推進する専門人材が強く求められています。

注目職種:DXソリューションアーキテクト、クラウド・セキュリティエンジニア

3今後の見通しと採用の注目点

中期経営計画2026最終年度の目標を上方修正し、生成AIの活用による開発生産性の向上とさらなる事業拡大に向けた成長戦略を展望します。
通期業績予想

出典:2026年3月期 通期連結 アナリスト向け決算説明会 P.16

中東情勢に伴う原油価格の高騰やインフレの進行など、企業業績の不透明感が増しているものの、生産性向上を目的とした企業のDX投資は依然として継続すると見込んでいます。このような市場環境を背景に、同社は「中期経営計画2026」の最終年度となる2027年3月期の連結業績予想について、売上高715億円(前年比10.5%増)、営業利益80億円(同21.1%増)へと目標を上方修正しました。急速に進化する生成AIを開発効率向上とコスト効率改善のドライバーとして駆使し、収益性の引き上げを図る方針です。また、上限20億円の自社株買いや普通配当の70円への増配など、積極的な株主還元策も公表しており、高い成長意欲と安定した財務基盤を両立させながらさらなる事業拡大を目指しています。

4求職者へのアドバイス

HINT

同社は、ミッションクリティカルなシステム開発で培った高い技術力と品質への責任感を強みとしています。志望動機を構築する際は、新設された「モビリティDXビジネス本部」での先進的な車載システム開発や、急成長を遂げている「デジタルソリューション事業」におけるクラウド・AI・セキュリティといった最先端領域への挑戦を軸にすると効果的です。特に、生成AIを活用したマイグレーション加速(生産性50%向上)などの具体的な技術革新に触れ、自身の専門スキルを活かって同社の次世代SI事業モデルへの進化や共創パートナーとしての成長にどのように貢献できるかをアピールすることが、面接官の共感を得る強いフックとなります。

Q&A
  • 「中期経営計画2026の最終年度に向けて、売上高715億円への上方修正が発表されましたが、この高い目標を達成するために、デジタルソリューション事業やモビリティDXの領域で中途採用の専門人材に最も期待されている役割や具体的な成果について教えていただけますでしょうか。」
  • 「デジタルソリューション事業が前年比99.1%増と爆発的に成長している一方で、金融や製造の一部サブセグメントでは不採算プロジェクトの発生や案件延期による減益が課題として挙げられていました。これらの領域において、品質管理体制の強化やリスクマネジメントの観点から、新たに参画する技術者が最優先で取り組むべき課題は何でしょうか。」

5転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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男女問わずキャリアを築きやすい環境

男女問わずキャリアを築きやすい環境が整っており、性別による差別を感じることはほとんどありません。特に、ハラスメントに関する相談窓口の対応が迅速で、問題が発生した際にはすぐにサポートを受けられるため、安心して働けます。社内の男女比はほぼ均等で、どの部署でもバランスが取れています。

(40代後半・人事・女性) [キャリコネの口コミを読む]
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夜遅くまで働くことが常態化している

同僚の中には夜遅くまで働くことが常態化している人もおり、運の要素が大きいと感じます。特にプロジェクトマネージャーなどの役職者は忙しそうです。契約形態によっても働き方が異なり、請負契約では有給が取りやすいですが、準委任契約では取得が難しいことがあります。

(40代前半・システムエンジニア・女性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 株式会社クレスコ 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 株式会社クレスコ 2026年3月期 通期連結決算説明会資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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