0 編集部が注目した重点ポイント
①当期より高研を新規連結し事業基盤を拡大する
当連結会計年度より高研株式会社を新規連結しました。前年同期は未連結のため単純比較はできませんが、グループの技術力や販売網が強化され、新しい市場へのアプローチが可能となります。これにより、新規事業に関わるキャリア機会が拡大する可能性が期待されています。
②インド工場が2026年2月に稼働し海外生産を加速する
2026年2月よりインド工場での生産を開始しました。自社製品のロータリージョイントなどを現地製造し、2026年度より売上へ反映される見込みです。地場や日系の工作機械メーカーをターゲットに販売を加速させるため、グローバルに活躍できるエンジニアの需要が向上しています。
③売上高558億円で過去最高を達成し増収を継続する
2026年3月期の売上高は前期比2.0%増の558億円と過去最高を更新しました。自動車や電子・半導体セグメントが牽引した一方、成長投資による販管費増加で営業利益は減少しました。積極的な先行投資を推進中であり、組織の拡大に伴う多様な職種での採用可能性が広がっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.14
売上高
55,827百万円
(前年同期比 +2.0%)
営業利益
3,537百万円
(前年同期比 -8.9%)
経常利益
3,897百万円
(前年同期比 -7.2%)
当期純利益
3,180百万円
(前年同期比 +11.9%)
当連結会計年度の連結業績は、売上高が前期比2.0%増の558億27百万円となり、5期連続増収で過去最高を更新しました。オリジナル品の伸長により原価率は改善したものの、人材・設備・ITなどの積極的な成長投資により販管費が15.4%増加し、営業利益は減少しました。純利益は旧本社売却に伴う特別利益が寄与し、過去最高を記録しています。
今回の通期業績は、当初の経営計画に対して売上高および純利益が非常に高い水準を維持しており、全体として極めて順調な推移を達成したと評価されます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.15
鉄鋼業界
事業内容:製鋼・熱延工程向け設備機器やメンテナンスサービスの提供を担っています。
業績推移:売上高は15,822百万円(前年比1.2%増)と微増にて推移しました。
注目ポイント:国内粗鋼生産量が微減する中、整備部門への営業強化により大型設備更新や電炉向け案件を獲得。顧客の米国進出に伴い現地へ人員を配置しており、グローバルに展開する営業・技術人材が強く必要とされています。
自動車業界
事業内容:CASE市場で注目される電池やモーター分野の製造工程向け設備機器を販売しています。
業績推移:売上高は12,179百万円(前年比3.9%増)と過去最高を更新しました。
注目ポイント:電池製造工程向けの自社製品である脱泡機などの販売が大きく伸び、業績に貢献しました。EV化シフトに対応する用途開発や提案活動を強化しており、最先端分野を牽引する技術営業が求められています。
電子・半導体業界
事業内容:半導体製造装置向けの各種部材や消耗品、ロータリージョイントの販売を行います。
業績推移:売上高は7,858百万円(前年比6.1%増)と好調を維持しています。
注目ポイント:AI技術の進歩に伴う半導体需要の増加を捉え、消耗品や自社製品の販売が非常に好調です。修理・再生ビジネスにも注力しており、顧客の保全・製造現場を支える技術サポート人材が不可欠です。
ゴム・タイヤ業界
事業内容:タイヤ製造工場向けにユーティリティ設備のメンテナンスや部品を提供しています。
業績推移:売上高は3,764百万円(前年比2.7%減)と一時的な減収となりました。
注目ポイント:新車用タイヤの需要回復はあったものの、前年同期の大型案件の反動減が響しました。今後は開発部門へのアプローチや設備投資の受注を再強化するため、深い課題解決力を持つ提案営業が期待されています。
工作機械業界
事業内容:工作機械の5軸化に対応するロータリージョイントなどの拡販を主軸としています。
業績推移:売上高は2,633百万円(前年比13.5%増)と二桁成長を達成しました。
注目ポイント:世界的な工作機械需要の拡大を受け、装置内部に組み込まれる自社主力製品の販売が大きく増加しました。航空業界向けオリジナル品の販売も寄与しており、製品価値を高める設計・営業人材が重要です。
高機能材業界
事業内容:高機能材料メーカー向けの能力増強投資に伴う機器販売や修理を担っています。
業績推移:売上高は2,252百万円(前年比11.3%減)と国内生産低迷の影響を受けました。
注目ポイント:国内におけるエチレン生産量の低迷が直撃し、厳しい事業環境が続きました。今後は医薬・化粧品分野などの新領域開拓や修理再生ビジネスを強力に推進するため、新規開拓を牽引するアクティブな人材が必要です。
環境業界
事業内容:環境・エネルギー産業や水処理関連事業向けの設備部品を提案しています。
業績推移:売上高は2,742百万円(前年比10.0%減)と受注の減少が響きました。
注目ポイント:排水処理向けの自社製品などの好調要因はあったものの、環境装置関連の落ち込みを補えませんでした。水処理領域は成長分野として新本部を設立したため、事業立ち上げや大規模提案を担う専門人材が急務です。
紙パルプ業界
事業内容:バイオマス素材(CNF)や既存設備のメンテナンス事業を展開しています。
業績推移:売上高は893百万円(前年比2.8%減)ながら、セグメント利益は向上しました。
注目ポイント:紙類全体の需要減少が続く中、生産活動における設備備品の販売が好調で利益率が改善しました。エネルギー・ケミカル素材などの新領域への深耕を強化しており、高い専門知識を持つ営業人材が求められます。
その他(食品業界・造船業界等含む)
事業内容:食品や造船など、報告セグメントに含まれない多様な業界へ製品を販売しています。
業績推移:売上高は7,679百万円(前年比5.6%増)と手堅く伸長しました。
注目ポイント:食品や造船業界向けの提案が実を結び、大幅な増益を達成しました。(注:前年同期は未連結のため単純比較不可)である高研株式会社の新規連結も本分野の将来的な成長に寄与しており、幅広い業界を俯瞰できる柔軟な人材が活躍できます。
日本(地域)
事業内容:国内全域における産業用機械・部品の販売や製造、修理再生を担います。
業績推移:売上高は49,054百万円(前年比3.0%増)と中核を成す実績です。
注目ポイント:半導体関連や人手不足に対応する設備投資が堅調に推移し、全体の約88%を占める国内市場を牽引しました。国内38カ所の営業拠点を活かした密着型の課題解決を進めており、地域に根差した強力な営業力が活きるフィールドです。
中国(地域)
事業内容:中国市場におけるロータリージョイント等の自社製品の製造・販売を展開しています。
業績推移:売上高は2,249百万円(前年比3.3%減)と市況低迷の影響を受けました。
注目ポイント:新エネルギー車関連の生産・販売低迷や不動産不況の長期化が継続する厳しい環境です。今後は自社工場のノウハウを活かし、シェア回復に向けた現地密着型の製造管理や販売戦略を担う人材が重要となります。
北米(地域)
事業内容:北米エリアにおける自動車関連や電池製造工程向け製品の販売を行います。
業績推移:売上高は1,757百万円(前年比9.1%増)と高い成長率を記録しました。
注目ポイント:米国の関税影響を一時的に受けたものの、現地の自動車や電池向けの堅調な需要を捉えて成長しました。主要顧客の北米投資強化に伴い人員配置を強化しており、海外拠点の基盤を広げるグローバル人材を求めています。
タイ(地域)
事業内容:東南アジア市場におけるタイヤ製造や自動車工場向けの設備部品販売です。
業績推移:売上高は960百万円(前年比10.3%減)と一時的な足踏みとなりました。
注目ポイント:日系自動車メーカーの工場再編などの影響を受け、売上高が減少しました。しかし、東南アジアにおける製造業のハブとしての重要性は変わらないため、現地顧客との信頼関係を深める息の長い提案人材が必要です。
欧州(地域)
事業内容:ヨーロッパエリアでの製造業向け産業用機械やオリジナル製品の提案を行います。
業績推移:売上高は477百万円(前年比16.7%減)と外需落ち込みの直撃を受けました。
注目ポイント:製造業全体の外需低迷が響き売上高が減少しました。今後はインド工場で生産された欧州向け製品の展開なども検討されており、国際的なサプライチェーンの最適化に携わるチャンスが生まれる可能性があります。
インド(地域)
事業内容:インド現地の地場・日系工作機械メーカー向けに自社製品を製造販売します。
業績推移:売上高は605百万円(前年比7.4%減)となるも、今後の最注力エリアです。
注目ポイント:経済成長に伴い粗鋼生産や自動車生産が活発な最重要市場です。2026年2月に新工場が稼働を開始し、2026年度より売上反映が本格化するため、現地での生産立ち上げや拡販を主導するコア人材の活躍が期待されています。
その他(地域)
事業内容:主要エリア以外の地域における産業用機械部品のスポット販売です。
業績推移:売上高は3百万円(前年比92.4%減)と案件の有無で変動しやすい状況です。
注目ポイント:全体の業績に与える影響は限定的ですが、グローバルなニーズに応える窓口機能を維持しています。世界中のものづくりの課題解決屋を目指す上で、未開拓エリアの市場ポテンシャルを調査できるスキルが将来的に活きます。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.29
2027年3月期の通期連結業績は、売上高580億円、営業利益42.2億円といずれも過去最高を予想しています。自社製品の販売が多い電子・半導体や工作機械業界の伸びにより、利益面での二桁成長を見込みます。一方で、質疑応答で言及された通り、中東情勢悪化に伴う物価上昇懸念を販管費に織り込んでおり、先行き不透明なため売上予想には反映していません。長期経営計画ではオリジナル品比率55%以上を目標とし、2024年11月に開所した『リックス協創センター』を活用した探索型の開発を進めています。酪農向けDXなど新領域への参入も始まっており、研究開発や新規事業開発を担う専門人材の採用が注目されています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
リックスは『協創型メーカー商社』として、仕入先3,600社を超える販売商社機能と、流体制御技術を軸としたメーカー機能を併せ持っています。志望動機では、単に製品を売るだけでなく、顧客の生産現場のあらゆる課題(省人化や自動化、環境改善など)をトータルで支える『課題解決屋』としての姿勢に共感した点をアピールすると良いでしょう。また、2026年2月に稼働したインド工場や、酪農DXを推進する新領域への挑戦に触れ、自らの経験を活かしてオリジナル製品の比率向上やグローバル展開に貢献したいという意欲を示すことが強力なアピールになります。
面接での逆質問例
・2026年度から導入されたROIC管理において、現場の営業拠点や各セグメント単位では、どのような具体的な収益性向上の取り組みや意識改革が進められていますか?
・長期目標であるオリジナル品比率55%の達成に向け、新設された『アドバンストソリューション本部』や『リックス協創センター』において、中途採用者が即戦力として最も期待される役割はどのような点でしょうか?
・インド工場の稼働開始や米国への人員配置など海外展開が加速していますが、今後現地でのシェア拡大を狙う上で、日本側からどのような技術・営業面での連携やサポート体制が求められますか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
比較的アットホームな雰囲気の職場である
労働組合がないが比較的アットホームな雰囲気の職場である。営業所単位で雰囲気は違うがガチガチではない印象。ノルマはあるが普通にやっていれば達成できる。
(20代後半・法人営業・男性) [キャリコネで面接事例を見る]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- リックス株式会社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- リックス株式会社 2026年3月期 決算説明資料



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。