スターゼンの転職研究  2026年3月期通期決算に見るキャリア機会

スターゼンの転職研究 2026年3月期通期決算に見るキャリア機会

スターゼンの2026年3月期通期決算は、中期経営計画2025の目標をすべて達成し、売上高4,482億円を記録。海外企業2社の買収によるグローバル展開の加速や国内物流拠点の再整備など、大きな構造改革を進めています。転職希望者がどの事業でどんな役割を担えるのか、最新データから紐解きます。


0 編集部が注目した重点ポイント

海外企業2社を買収し体制を強化する

当期に豪州Wagyu肥育のYORKRANGE社とシンガポールのADIRECT社を完全子会社化しました。前年は未連結のため単純比較はできませんが、グローバルサプライチェーンの構築により、海外事業におけるキャリア機会が大きく拡大する構造的変化を迎えています。

中計目標をすべて達成し成長を加速する

商品の高付加価値化や和牛輸出の伸長を背景に、中期経営計画2025の最終目標をすべて前倒しで達成しました。売上高は目標を82億円上回る4,482億円を記録しており、次なる中計2030に向けた強固な事業基盤が確立されています。

伊丹営業センターの新設で能力を5倍にする

国内市場における販売体制の最適化として、関西の基幹拠点である伊丹営業センターを新築移転しました。冷凍・冷蔵の保管能力を5倍に増強したことで、西日本エリアの取引拡大と物流効率化を同時に実現する体制を整えています。

1 連結業績ハイライト

中期経営計画2025の目標を全指標で上回り、売上高4,482億円を達成した堅調な通期決算です。
2026年3月期 決算概要 決算サマリー

出典:2026年3月期 通期決算説明会資料 P.4

売上高

4,482億円

前期比 +2.8%

営業利益

87億円

前期比 -3.1%

経常利益

110億円

前期比 +3.4%

当期純利益

83億円

前期比 -31.6%

当期の業績は、食肉相場の高値に伴うコスト上昇分を価格転嫁したことや、和牛輸出・ハンバーグの取扱量増加が寄与し、売上高は4,482億円と増収を確保しました。営業利益は人件費や物流費の増加をカバーできず微減となったものの、持分法投資利益の好調により経常利益は110億円へと拡大しています。当期純利益の減少は前期の固定資産売却益の反動によるものです。

通期予想に対する達成度は極めて良好であり、当初の目標を上回る実績を残したことから、業績の進捗および経営基盤は順調であると評価できます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

品目ごとの多様なニーズに対応し、素材型から付加価値型へのシフトを進める各事業の現状です。
品目別売上高の実績

出典:2026年3月期 通期決算説明会資料 P.6

国産食肉事業

事業内容:国内の大口農家との強固な信頼関係をベースに、国産牛や国産豚などの食肉を安定調達し市場へ供給するコア事業です。

業績推移:国産牛肉の国内販売は苦戦したものの、豚肉の販売強化や和牛輸出が好調に推移し、売上高は1,902億円(前期比+5.3%)となりました。

注目ポイント:新たに「AOMORI GOLD」ブランドを立ち上げ、既存の「AKUNE GOLD」との2ブランド体制で海外展開を本格化させています。調達・輸出拠点の拡充に伴い、世界市場で戦えるブランドマーケティングや海外営業の専門人材が強く求められています。(注:豪州肥育農場等の新規子会社は前年同期未連結のため単純比較不可)

注目職種:海外営業、グローバルブランドマーケティング

輸入食肉事業

事業内容:世界的なネットワークを活用し、北米産などの輸入牛肉や鶏肉を国内向けに最適な形で卸売販売する事業です。

業績推移:現地価格高騰や円安により厳しい環境が続き、売上高は1,597億円(前期比-1.8%)に減少したものの、価格転嫁と在庫管理の徹底で利益を確保しました。

注目ポイント:中東情勢の緊迫化や海外の供給制約といった外部環境リスクに対応するため、徹底した在庫管理と機動的な需給調整が不可欠です。調達網の最適化を担う国際購買やサプライチェーン企画の経験者が活躍できる環境が広がっています。

注目職種:国際食肉調達、SCM・需給管理スペシャリスト

加工食品事業

事業内容:冷凍ハンバーグをはじめとする業務用・家庭用の加工食品を製造し、付加価値の高い商品を提案する事業です。

業績推移:ハンバーグ商品群の取扱量が非常に堅調に拡大した結果、売上高は846億円(前期比+8.0%)と大幅な増収を達成しました。

注目ポイント:国内冷凍ハンバーグシェアNo.1の地位を誇るなか、さらなる生産体制増強に向けてオサベフーズの子会社化を推進しています。簡便性や歩留まり向上を求める外食・中食市場の課題を解決するため、現場起点での商品開発や生産技術人材の需要が高まっています。

注目職種:食品研究開発(中食・外食向け)、生産技術エンジニア

ハム・ソーセージ事業

事業内容:長年培った衛生水準と加工ノウハウを活かし、高級・定番のハムやソーセージを製造・販売する事業です。

業績推移:原材料コストの上昇に伴い、商品の統廃合や価格改定を進めたものの苦戦し、売上高は83億円(前期比-8.8%)となりました。

注目ポイント:伝統ある「ローマイヤ(LOHMEYER)」ブランドのロゴ刷新をはじめとするブランディングプロジェクトが始動しています。「価値で選ばれる」商品へのリポジショニングを加速させるため、ブランド戦略の構築や既存チャネルの再活性化を主導するマーケターが必要です。

注目職種:ブランドマネージャー、販売促進企画

その他の事業

事業内容:食肉のサプライチェーン全体を支える周辺業務やサービス等、開示報告セグメントに含まれない小規模事業群です。

業績推移:当期の売上高は51億円(前期比-0.1%)となり、前連結会計年度と比較してほぼ横ばいで推移しました。

注目ポイント:新中期経営計画において、全社的なIT基盤の構築やDXを通じた業務プロセス改革が掲げられています。持続的な成長投資を支えるコーポレート機能の強化に向けて、社内インフラの刷新をリードできるシステム人材の重要性が増しています。

注目職種:社内SE、業務改革・DX推進担当

3 今後の見通しと採用の注目点

新中期経営計画2030が始動し、国内外への積極的な先行投資による持続的な成長ストーリーが描かれています。
中期経営計画2030の利益計画

出典:2026年3月期 通期決算説明会資料 P.21

2027年3月期の連結業績予想は、売上高4,700億円(前期比+4.9%)、営業利益92億円(前期比+5.0%)、経常利益114億円(前期比+3.4%)と、さらなる増収増益を見込んでいます。オサベフーズの子会社化を含め、これまで実施してきた成長投資が本格的なシナジーを発揮し始める計画です。一方で、人件費増や中東情勢によるエネルギーコスト上昇といったマクロリスクも注視されています。

新中期経営計画2030では、5年間で総額700億円の投資を計画しており、そのうち560億円を成長投資へ配分します。関東物流センターの新設や海外販売体制の増強を急ピッチで進めており、経常利益の海外比率15%を目指す方針です。このダイナミックな変革期において、部門を横断した人事異動や営業のクロスオーバーを牽引できる、視野の広いマネジメント人材や専門職の採用に大きな期待が寄せられています。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

同社は「中計2025の目標達成」を機に、海外比率を飛躍的に高める新中計2030へ舵を切っています。志望動機では、単に「食肉の安定供給」を語るだけでなく、豪州Wagyu肥育農場やシンガポール販売会社の取得といったグローバルサプライチェーンの構築に貢献したいという成長志向や、素材依存から高付加価値型へのシフトに挑戦したいという意志をアピールすることが強い差別化に繋がります。

Q&A

面接での逆質問例

1. 「中期経営計画2030において海外売上拡大と経常利益の海外比率15%を目指されていますが、新しく加わった豪州やシンガポールの子会社と連携するうえで、中途採用の専門人材に最も期待される役割は何でしょうか?」
2. 「インフレや中東情勢によるコスト影響を乗り越えるために顧客の現場起点での商品提案を掲げられていますが、営業と製造・物流部門がシームレスに連携するための具体的な取り組みや課題を教えていただけますか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
"

福利厚生は割と充実している方だ

福利厚生は割と充実している方だと思う。借り上げ社宅、各種保険、財界貯蓄、社員持ち株等、一応一部上場企業と言われるだけはあると思う。有給についても近年から年次計画有給制度が始まり、各自一年の内に任意の5日間を休まなければならなくなった。

(20代後半・ルートセールス・男性) [キャリコネの口コミを読む]
"

サービス残業は当たり前

サービス残業は当たり前。健全な職場環境とは思えない。休日出勤は基本ないが、お得意先優先のため、場合によっては出勤することも当然ある。

(20代後半・ルートセールス・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • スターゼン株式会社 2026年3月期 決算説明会資料(2026年5月20日公開)
  • スターゼン株式会社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日発表)

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


関連記事

スターゼン 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東京証券取引所プライム市場に上場する食肉専門商社。食肉の処理加工からハム・ソーセージの製造販売、生産肥育までを一貫して行う食肉関連事業を主力とします。第86期の連結業績は、売上高が前期比で増収となり、経常利益は微減益でしたが、親会社株主に帰属する当期純利益は増益となりました。