0 編集部が注目した重点ポイント
① 完全子会社の吸収合併により非連結決算会社へ移行し経営効率化を推進する
2024年10月1日に完全子会社であった旧株式会社幸楽苑を吸収合併し、非連結決算会社へと移行しました。前事業年度は一部期間において未連結であったため単純比較はできませんが、組織統合によって経営と現場の距離が縮まり、意思決定が大幅に迅速化しています。この変化は、意欲ある店舗マネジメント人材にとって早期のキャリア機会に繋がる可能性を秘めています。
② 当期純利益が過去最高を更新し上方修正目標を上回るV字回復を達成する
2026年3月期の業績は、売上高29,404百万円、営業利益1,515百万円に達し、2025年11月に上方修正した目標をさらに上回るV字回復の達成を成し遂げました。特に当期純利益は過去最高を更新しており、経営基盤の再構築が完了したことを示しています。業績回復に伴い全社員に決算賞与が支給されるなど、原資の社員還元が進んでいます。
③ 代表取締役社長の交代によるスムーズな世代交代と新体制への移行を進める
経営の立て直しが成長軌道に乗り始めたタイミングで、大卒定期採用の現場叩き上げである芳賀正彦専務が新社長に就任する経営体制の大幅刷新を決断しました。2026年6月の株主総会後の取締役会を経て新体制へリレーし、「再生から進化へ」という次なる成長路線へ移行します。現場主義の経営により、働く環境のさらなる改善が期待されます。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.8
売上高
29,404百万円
(前期比 +5.9%)
営業利益
1,515百万円
(前期比 +42.5%)
経常利益
1,527百万円
(前期比 +49.7%)
当期純利益
1,155百万円
(前期比 +43.1%)
当事業年度の経営成績は、既存店売上高が前年比109.3%、既存店客数が前年比108.7%と堅調に推移したことが増収の主因となりました。一昨年より続く米価格などの食材価格や店舗建築資材価格の高止まり、人件費コストの上昇といった厳しい環境に対し、客数増加に焦点を当てたスポット・シーゾナルメニューの積極投入(年間22品)と、自社工場生産による原価抑制で吸収しています。不採算店舗の閉店・譲渡も完全に完了し、直営店舗における不採算店舗数がゼロとなったことも、全体の収益力を大きく底上げしました。
2025年11月に上方修正した目標数値をさらに上回る業績での着地となっており、通期計画に対する実績の進捗状況は非常に順調であると高く評価できます。当期純利益が過去最高を更新した事実は、同社が明確な再成長の軌道に乗った証左と言えます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結) P.22
東北地域
事業内容:直営店346店舗のうち134店舗を擁する同社最大の経営地盤であり、創業の地でもある中核地域です。
業績推移:売上高は11,600,375千円(前年比 9.2%増)と、店舗数が2店舗増加したこともあり大幅な伸長を見せました。
注目ポイント:「道の駅国見あつかしの郷店」のオープンや、二二重サッシ・自動調理ロボットを導入した環境配慮型の「ZEB Ready」型次世代店舗(安積店)の新築など、新しい店舗形態の導入が先行しています。既存商圏への出店によるドミナント強化が最優先されており、地域特性に合わせた新店立ち上げや店舗マネジメントを担う専門マネジメント人材の重要性が急増しています。
関東地域
事業内容:直営店最多の175店舗を構え、同社の売上総額の約半分を支える巨大市場エリアです。
業績推移:売上高は14,402,016千円(前年比 2.7%増)と、店舗数が2店舗減少したものの既存店の月商伸長でカバーし堅調を維持しました。
注目ポイント:黒黄色をベースとしたブランドイメージカラーの統一を狙い、既存店舗の大規模リニューアルが順次推進されています。改装後の店舗は売上前年比伸長率が年間平均プラス10%と好調に推移しており、これら改装店においてQSC(品質・サービス・清潔さ)の向上を徹底し、生産性を最大化できる現場の統括リーダーが必要とされています。
東海地域
事業内容:直営店9店舗を展開し、今後の新商勢圏開拓に向けた西側の最前線拠点となる地域です。
業績推移:売上高は737,108千円(前年比 8.6%増)と、店舗数は維持しながらも着実な成長を遂げました。
注目ポイント:限られた店舗数の中で既存店月商を拡大させる、効率的なマネジメントが成果を出しています。将来計画に組み込まれている「撤退した中京・西日本エリアへの再出店」を見据えた戦略的要衝であり、エリア全体の運営効率を高めつつ、ブランド割安感を地域に定着させられる機動的な店舗マネジメント人材の活躍が期待されています。
北陸甲信越地域
事業内容:直営店28店舗を展開し、高いポテンシャルを秘めた広域ネットワークを構築している地域です。
業績推移:売上高は2,220,712千円(前年比 11.2%増)と、全地域中トップの売上高増加率を達成しました。
注目ポイント:メニューミックスの最適化やデジタルマーケティングを通じた顧客の囲い込み(公式アプリ会員登録者数は年間40万名増加し156万名を突破)が実を結んでいます。省エネや作業性向上のための新型厨房機器の導入に合わせ、最新の省力化・効率化オペレーションを現場に浸透させられるプロフェッショナルが求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.27
2027年3月期は、売上高315億円、営業利益16億円、当期純利益12.5億円の増収増益計画を掲げています。業績が好調なことから中期経営計画「幸楽苑レジリエンス」の見直しを行い、新たに策定した「暫定版 中期経営計画修正目標」では、2029年3月期に売上高350億円、営業利益20億円、さらに2033年3月期には500店舗達成の再チャレンジという野心的なビジョンを打ち出しました。 具体的には、ロードサイド中心の既存商圏ドミナント出店(2027年3月期は10店舗、うち7店舗は内定済)を進める一方、都市部の「駅前出店」を再開し、居酒屋業態「餃子の味よし」を絡めた複合ブランド展開をスタートします。製造直販の基盤強化に向け、2028年12月稼働予定の新工場の建設用地取得も完了しました。新体制へのスムーズな移行とともに、8年ぶりの新卒定期採用再開や初任給・一般職の賃金水準一斉引き上げ(平均5.1%)など人財投資を本格化させており、組織を牽引する中途・マネジメント人材にとって最大のチャンス期となっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は子会社合併の完了や不採算店舗ゼロ化による構造改革を経て、明確な「再成長フェーズ」に突入しています。志望動機を作成する際は、単なる飲食ビジネスへの理解だけでなく、同社が今後強力に推進する「地域別出店判断重要指標を用いた確実な多店舗展開」や「自動調理ロボットI-Robo2などの最新DX機器を活用した店舗運営効率化」に、自身の経験(店舗開発、マネジメント、業務標準化など)がどう活かせるかを示すことが重要です。現場主義の新社長へのリレーという文脈に合わせ、組織の進化を現場から支える意欲をアピールしましょう。
面接での逆質問例
「株主総会後の新体制移行に伴い、働く人と現場をより良くする現場主義が強化されると伺いました。今後リニューアルが計画されている既存200店舗以上の改装や、自動調理ロボット実験導入にともなう店舗オペレーションの変更において、新任の店長や中途採用者が現場で最優先で果たすべき役割についてお聞かせください。」
「暫定版中期経営計画において、2033年までの500店舗展開や中京・西日本エリアへの再出店が視野に入っているとのことですが、新規出店を年間10店舗から15、20店舗へと加速させていく上で、中途入社のリーダー人財が早期に複数を統括するエリアマネージャーへとステップアップするための評価基準や、期待されるマイルストーンについて教えていただけますでしょうか。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
人との繋がりを大事にできれば楽しい
人がそろい、育ち、不足なくシフトが組めお客様にきちんとサービスでき、仕事もうまく回れば楽しいです。人との繋がりを大事にできれば楽しいと思います。
(20代前半・店長・男性) [キャリコネの口コミを読む]人間関係で悩むことが多い
バイト、パートさんとの人間関係で悩むことが多く、人手不足のため休みも少なく、将来を考えたとき、まだ他の選択肢を選んだ方がいいと思った。
(20代前半・スーパバイザー・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)
- 2026年3月期 決算説明会資料



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