【平均年収547万円】幸楽苑 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収547万円】幸楽苑 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

幸楽苑は、ラーメン店のチェーン展開を主軸とする外食事業を展開しています。ラーメンや餃子の製造・直販に加え、フランチャイズ事業も手掛けています。直近の業績は売上高が増加傾向にあり、利益も黒字に転換しました。


目次

※本記事は、株式会社幸楽苑 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


幸楽苑は、ラーメン店のチェーン展開を主軸とする外食事業を展開しています。ラーメンや餃子などの製造・直販に加え、フランチャイズ加盟店の募集や経営指導、食材・消耗品の販売も行っています。

単体従業員数は581名です。事業セグメントはラーメン事業の単一セグメントとなっています。

幸楽苑は、ラーメンや餃子などの製造・直販を行うとともに、フランチャイズ事業として加盟店への食材販売や経営指導、店舗関連業務も手掛けています。

2024年10月1日付で完全子会社であった株式会社幸楽苑を吸収合併し、非連結決算会社となりました。これに伴い、商号も「株式会社幸楽苑ホールディングス」から「幸楽苑」に変更しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


幸楽苑は、従業員の安定したキャリア形成と働きがいを重視し、人財育成や多様な働き方を推進している企業です。給与水準や福利厚生、そして具体的な働き方に関する指標を通じて、同社がどのような職場環境を提供しているのかを見ていきましょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の長期的な定着を重視する傾向が見られます。平均勤続年数と平均年齢から、経験豊富な従業員が長く活躍できる環境が整っていることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 5,473,000円
平均勤続年数 14.07年
平均年齢 43.27歳
単体従業員数 581人


同社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型の確定給付企業年金制度を採用しています。確定給付型とは、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は13.6億円、年金資産は14.6億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は、「高品質で安全・安心な商品を、より低価格で提供する」という経営の基本方針のもと、中長期的な企業価値向上の実現に向けて人材の確保・育成を重要な経営課題と認識しています。従業員一人ひとりが能力を最大限発揮できる環境づくりを目指し、「採用」「育成」「定着」「活躍」の好循環を実現する人的資本経営を推進しています。

人材確保においては、新卒・中途採用の強化に加え、地域採用の推進やリファラル採用・アルムナイ採用の拡充を通じて安定的な人員確保を図っています。人材育成では、店舗スタッフから店長、エリアマネジャーに至るまで体系的な教育制度を整備し、特に店長人材の育成を重点課題としています。マネジメント能力、数値管理能力、人材育成能力を習得する研修プログラムを実施し、デジタルツール活用や生産性向上に関する教育も推進しています。

従業員の定着とエンゲージメント向上に向けては、労働環境改善、処遇向上、働きがい向上に取り組んでいます。具体的には、適正な人員配置、長時間労働の抑制、有給休暇取得促進、新しいキャリアプランの導入、福利厚生の充実を推進しています。また、性別や年齢等にかかわらず多様な人材が活躍できる組織づくりを推進しており、特に女性管理職(店長職)の登用拡大に力を入れています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 3.6%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 76.9%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 84.8%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 147.3%

ダイバーシティマネジメント

指標 数値
店長級以上に占める女性の割合 18.7%
男性社員の育児休暇取得率 40%
特別支援学校等の生徒を対象にした職場体験受け入れ 27校
子ども食堂の運営支援 100施設

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社幸楽苑は、ラーメン店のチェーン展開を主軸とする外食事業を展開しています。お客様の日常に寄り添い、おいしさと手頃な価格を追求した商品を提供することで、収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社は、ラーメン店のチェーン展開による外食事業を主な事業内容としています。ラーメンや餃子などの製造・直販を手がけるほか、フランチャイズ加盟店の募集、加盟店への麺・スープなどの食材や消耗品の販売、経営指導業務も行っています。さらに、店舗内装の設計・施工管理、建築の設計および監理業務、厨房機器の販売、印刷物の制作・販売といったフランチャイズ事業も展開しています。

同社は「より多くの人々の、よりふだんの食の場面に、よりおいしい味で、より低い価格の商品を、より速いスピードで提供することに私達は喜びを持とう」という経営理念のもと、安全安心で快適な食事環境の提供を基本方針としています。自社工場での製造直販を活かした積極的なメニュー開発を行い、定番商品と季節限定商品の両方で新たな価値を創出することで、顧客の来店頻度向上とブランド定着を図っています。キャッシュレス決済の拡充による利便性向上や、新卒・キャリア採用の強化と社員教育の充実による人財育成にも注力しています。

投資戦略としては、既存店舗の改装による付加価値向上や新店舗開発を進めており、海外ではタイ王国でのフランチャイズ展開も行っています。また、2028年12月の操業開始を目指し、新工場の建設用地取得も進めています。SDGs・ESG経営にも取り組み、環境負荷の少ない高効率設備への更新や、地域貢献活動として子ども食堂への寄付なども実施しています。同社の販売実績において、特定の主要顧客への収益集中は見られません。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社の過去の連結業績を見ると、売上高は増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、一時的に大きな損失を計上した時期がありましたが、その後は改善し、黒字に転換しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 250億円 255億円 268億円 - -
経常利益 14.5億円 △15.3億円 △1.1億円 - -
経常利益率 5.8% △6.0% △0.4% - -
親会社株主に帰属する当期純利益 3.7億円 △28.6億円 94百万円 - -
1株当たり当期純利益(円) 24.87 △189.97 6.08 - -

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社は本業で資金を創出しながら、事業拡大のための投資を進めています。財務基盤と資金の流れから、今後の成長性と安定性を確認できます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社の純資産は増加傾向にあり、自己資本比率は非製造業のプライム市場平均と比較して高い水準を維持しています。これは、同社の財務基盤が比較的安定していることを示しています。手元資金である現金及び預金等は減少傾向にあります。財務基盤の安定性は、入社後の雇用や給与の安定性にも関わる重要な要素です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 5,991百万円 7,189百万円
自己資本比率 47.9% 53.5%
ROE(自己資本利益率) - -
現金及び預金等 4,721百万円 4,623百万円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社のキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローはプラスを維持しています。これは、事業活動を通じて安定的に資金を生み出していることを示しています。

投資活動によるキャッシュフローは、前期の収入から当期は支出に転じています。これは、有形固定資産の取得や定期預金の預け入れなど、事業拡大に向けた投資を積極的に行っているためです。

財務活動によるキャッシュフローは、前期の収入から当期は支出に転じています。リース債務や借入金の返済が進んでいる状況です。

結果として、自由に使える資金を示すフリーキャッシュフローはプラスとなっていますが、前期と比較すると減少しています。同社は本業で資金を創出しつつ、成長のための投資を進めており、今後の事業展開とそれに伴う雇用や給与の安定性を判断する上で重要な要素となります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 1,991百万円 1,943百万円
投資CF 33百万円 △1,571百万円
財務CF 923百万円 △470百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) 2,024百万円 372百万円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社はラーメン店のチェーン展開による外食事業を主たる事業としており、ラーメン事業への依存度が高いです。国内景気の悪化や電力供給事情の悪化等の外的要因により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、外食産業では同業者だけでなく、和・洋・中華レストラン、ファストフードチェーン、コンビニエンスストア、スーパーマーケット等の食品小売業者との間で激しい競合状態にあります。これにより、品質向上やサービスレベル改善に伴うコスト増加、物価高に伴うコスト上昇の販売価格への転嫁状況によっては、利幅の低下が業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社は今後の店舗展開に比例してパートナー(臨時従業員)数を増加させる見込みです。新商勢圏において、店舗展開に合わせた適切な人材の確保や十分な技能教育ができない場合、出店計画の遂行に支障を来たす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


幸楽苑は、「原点回帰」を経営方針に掲げ、地域社会に貢献する「社会インフラ」としての店舗運営を目指しています。安全安心な食事環境の提供を通じて、持続可能な成長を追求する企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社は経営方針として「原点回帰」を掲げています。外食の原点である魅力ある商品作りとメニューの絞り込み、全店舗のQSC(品質・サービス・清潔さ)の立て直し、安全安心な食事環境の提供に取り組んでいます。

「幸楽苑」の店舗を社会インフラと捉え、地域社会の発展に貢献することで企業価値を高めることを目指しています。合わせて持続可能な成長を追求する方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社は「安全安心な食事環境の提供」を通じて、地域社会に必要とされる店舗の運営を目指しています。地域に密着した「必要な生活インフラ」として、持続可能な地域社会づくりに貢献することを重視する企業風土です。

社員とパートナー従業員のモチベーション向上と勤務時間の適正化を図り、心身の健康確保とワーク・ライフ・バランスの実現を目指しています。長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進に労使一体で取り組むことを大切にしています。人財の多様性確保を持続的な成長に不可欠と考え、女性従業員が能力を高め継続的に就業できる環境整備に努め、パートナー従業員の正社員登用も積極的に行っています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社は業績の進展に合わせ、中長期経営ビジョンの見直しと中期経営計画の修正を行っています。新たな計画期間を2027年3月期から2029年3月期として取り組む方針です。

生産面では、郡山新工場の新築や現郡山工場の増員、小田原工場の設備更新等により、500店舗展開を見据えた生産供給能力の段階的な確保を計画しています。自社生産体制を強みとし、商品開発力の更なる発揮により、シーゾナルメニューの充実やバラエティに富んだ商品ラインナップで差別化と独創性を打ち出すことを重点テーマとしています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


幸楽苑の経営体制は監査役会設置会社であり、取締役会が経営上の意思決定機関となっています。社外監査役を含む監査役が取締役の業務執行を厳正に監視する体制です。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


幸楽苑の株主構成を見ると、筆頭株主はラニケアコーポレーションであり、事業会社が上位に名を連ねています。また、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)のような機関投資家も主要な株主として存在しています。複数の事業会社が上位株主として同社を支えている点が特徴です。

株主名 持株比率
ラニケアコーポレーション 11.34%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 7.46%
アリアケジャパン 2.32%
日東富士製粉 2.29%
東邦銀行 2.06%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.0%です。代表取締役会長兼社長は新井田傳氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。

氏名 役職 主な経歴
新井田 傳 代表取締役会長兼社長 1966年4月味よし食堂(現同社)入社。1970年11月同社設立、代表取締役専務取締役就任。1978年9月代表取締役社長就任。2023年6月代表取締役会長兼社長就任より現職。
渡 辺 秀 夫 専務取締役 1975年4月東邦銀行入行。2011年5月同社総務部長。2012年6月取締役総務部長就任。2022年6月専務取締役内部監査室長就任。2025年8月専務取締役就任より現職。
芳 賀 正 彦 専務取締役営業本部長 1999年4月同社入社。2020年6月FC業態推進部長。2023年6月取締役経営戦略部長就任。2024年6月常務取締役管理本部長経営戦略部長就任。2025年6月専務取締役営業本部長就任より現職。
佐 野 篤 常務取締役管理本部長 2003年2月同社入社。2011年4月社長室長。2024年6月取締役社長室長就任。2025年6月常務取締役社長室長就任。2026年5月常務取締役管理本部長就任より現職。
鹿 野 昌 彦 取締役営業副本部長第1店舗運営部長 1997年4月同社入社。2020年6月人事部担当部長。2022年6月社長室室長。2025年6月取締役営業副本部長第1店舗運営部長兼店舗運営企画部長就任。2025年8月取締役営業副本部長第1店舗運営部長就任より現職。


社外取締役は、小河原佳子氏(武蔵丘短期大学教授)、鈴木廣明氏(福島大学学外理事)、星野昌洋氏(元朋栄代表取締役社長)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役3名、社外監査役3名が在任しています。社外役員は、専門的な知見や豊富な経験に基づき、経営の監督・監査機能の強化に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


幸楽苑の役員報酬は、企業価値の持続的な向上と株主利益との連動を重視した体系です。業務執行取締役には固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬、株式報酬が支給されます。一方、監督機能を担う社外取締役には基本報酬のみが支払われます。業績連動報酬には当期純利益が指標として採用されており、株式給付信託やストック・オプションの導入により、中長期的な企業価値増大への貢献意識を高める設計となっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 90百万円 18.1百万円
社外役員 7名 30百万円 4.2百万円


同社の役員報酬等の総額は1億2,002万円であり、対象となる役員の合計は12名です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

💬キャリコネで会社の実態を確認する

決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。

ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。

企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。


この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


関連記事

幸楽苑の転職研究 2026年3月期決算に見るキャリア機会

幸楽苑の2026年3月期決算は、当期純利益が過去最高を更新するなどV字回復を達成。「なぜ今幸楽苑なのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。