0 編集部が注目した重点ポイント
①社内カンパニー制導入で組織を刷新する
2024年10月1日付の組織改編により、アーティストプロデュース事業へ9つの社内カンパニー制を導入しました。同時に会社分割を行い、IP開発やデジタルサービスなどの注力事業を専門子会社へ承継しています。転職者にとっては、各専門領域に特化した環境でグローバル展開を強化するキャリア機会が拡大しています。
②イベント事業好調で営業利益大幅増を達成する
2026年3月期決算において、サザンオールスターズ等の大型ドーム・アリーナツアーの成功やコンサートグッズの販売好調により、営業利益が前年比118.8%増の6,123百万円に達しました。主催公演の動員数が大幅に増加したことで、主軸のイベント関連事業が過去最高利益の更新を力強く牽引しています。
③A-Sketch売却による連結除外を実行する
前連結会計年度に株式会社A-Sketchの全株式を譲渡したことに伴い、当期より同社が連結除外となっています。音楽・映像事業における一時的な減収要因となったものの、グループの経営資源を映画やアニメなどのオリジナルIP開発、最先端デジタルソリューションへ集中投資する体制へとシフトしています。
1 連結業績ハイライト
出典:決算説明会資料 2026年3月期 P.10
営業収入
69,655百万円
+2.2%
営業利益
6,123百万円
+118.8%
経常利益
6,225百万円
+110.1%
当期純利益
2,695百万円
+63.5%
当連結会計年度における業績は、営業収入が前期比2.2%増、営業利益が118.8%増と驚異的な伸びを見せました。販管費の徹底したコントロールに加え、収益性の高い自社主催の大型音楽ライブが重なったことが大きな増益要因です。なお、親会社株主に帰属する当期純利益については、本社オフィスの一部をホテル事業へ事業転用することに伴う減損損失1,514百万円を特別損失として計上したものの、大幅な最終増益を確保しています。
通期業績予想に対する進捗状況を評価すると、営業収入は通期予想に対して104.0%、営業利益は111.3%、経常利益は111.2%に達しました。全ての主要利益指標において期首計画を大幅に上回って達成しており、ビジネスの進捗状況としては極めて順調な着地と言えます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:決算説明会資料 2026年3月期 P.12
イベント関連事業
【事業内容】 コンサート、舞台、イベントの企画制作や主催、ファンクラブ運営、コンサートグッズの企画・製作・販売を担う、グループ最大の売上規模を誇る中核事業です。
【業績推移】 営業収入:43,830百万円(前年比+4.2%)、セグメント利益:3,199百万円(前年比+277.9%)
【注目ポイント】 サザンオールスターズ、星野源、福山雅治などの大型ツアー開催が重なり、主催公演の動員数が飛躍的に増加しました。利益率が低い他社主催公演の制作受託が減少した一方、ファンクラブ会員数の拡大や、一人あたり購買単価の高いツアーグッズ物販の好調が利益を劇的に押し上げています。国内外における興行開発や大規模物販を統括できる、即戦力エンタメ人材の価値が高まっています。
注目職種:
ライブ制作プロデューサー、グッズ企画マーチャンダイザー、ファンクラブマーケター
音楽・映像事業
【事業内容】 原盤制作や旧譜の音楽印税管理、テレビ番組の制作・受託、自社幹事映画の製作・劇場配給、配信プラットフォーム向けのコンテンツ開発等を行う事業です。
【業績推移】 営業収入:18,624百万円(前年比▲5.7%)、セグメント利益:1,902百万円(前年比+26.6%) ※注:当期よりA-Sketchが連結対象外となったため前年同期と単純比較不可
【注目ポイント】 A-Sketchの連結除外によりセグメント全体では減収となったものの、子会社の極東電視台におけるテレビ番組制作やNetflixシリーズの配信が拡大しました。さらに、吉沢亮主演映画「国宝」の大ヒットに伴う配給収入等の分配金が収益を大きく押し上げ、大幅な増益を達成しています。世界を見据えたオリジナルIP(アニメ・コミックなど)の開発や、SVOD(定額制動画配信)プラットフォームと深く折衝できるコンテンツビジネスの専門家が強く求められています。
注目職種:
アニメ・映像プロデューサー、IP開発ライセンス営業、映像コンテンツディレクター
出演・CM事業
【事業内容】 所属俳優・タレント・文化人などのメディア・TV番組出演、映画や舞台へのアサイン、企業とのCM出演契約の獲得および広告制作を統括する事業です。
【業績推移】 営業収入:7,200百万円(前年比+12.8%)、セグメント利益:1,021百万円(前年比+127.7%)
【注目ポイント】 福山雅治や大泉洋、吉沢亮、堀田真由をはじめとする所属実力派俳優の大型CM契約が非常に好調に推移しました。また、グループ会社のアミューズコミュニケーションデザインにおける企業広告制作収入も拡大しています。イベント関連事業の急成長に伴って全社共通の間接費・販管費等の配賦額が減少したことも相まって、利益が前年比2倍以上と急成長を遂げました。
注目職種:
タレントマネージャー、CM・タイアップ営業、ブランドアカウントプランナー
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:決算説明会資料 2026年3月期 P.18
翌連結会計年度(2027年3月期)の通期計画は、営業収入55,000百万円(前期比21.0%減)、営業利益2,000百万円(前期比67.3%減)と反動減による一時的な減収減益を見込んでいます。しかし、経営陣は創立51年目以降を見据えた「利益水準の底上げ」を明確なテーマに設定しており、2029年3月期には営業収入75,000百万円、営業利益5,000百万円の達成を掲げる新中期経営目標を発表しました。
特に中長期の成長の鍵を握るのが、新規成長領域に指定された「共創」のビジネスモデルです。アジアを中心に海外アーティストの日本進出をワンストップで支える「360°パートナーシップ」の提携を推進し、3年間で20組以上の海外アーティスト開拓と売上規模100億円以上への成長を目標としています。さらに、山梨県西湖の本社滞在施設「A VILLAGE」や香川県豊島の宿泊施設「聚 Hotel SHU」など、急成長するインバウンド地方シフトを捉えた「カルチャー・ツーリズム」への参入を本格化しており、観光・ホテルビジネスの知見を持つ外部の異業界プロフェッショナルを広く迎え入れる方針を強めています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は従来の「自社タレントのマネジメント」という枠組みを超え、自社開発の共通ログインID基盤「A!ID」によるファンデータ蓄積や、内製化チケットサービス「SAKUTICKET」、特許取得済みのファンコミュニケーションPF「KLEW」といった独自エンタメエコシステムの構築に邁進しています。志望動機を構築する際は、「エンタメ業界に強い興味がある」といった抽象的なアプローチを避け、「自社開発の高度なソリューション基盤を用いて、国内外のアーティスト活動における顧客生涯価値(LTV)の最大化に貢献したい」など、同社が推進する垂直統合型のバリューチェーンに対する具体的な実務貢献をアピールすることが選考突破に直結します。
面接での逆質問例
質問例1: 新中期経営計画における「共創(海外アーティストとの360°パートナーシップ)」では、3年間で20組以上の提携を目標とされています。アジアをはじめとする海外の所属や国境を超えた才能に対し、当社の内製化ソリューション(チケット、KLEW、グッズEC等)をどのようにパッケージ化してアプローチしていく戦略でしょうか。
質問例2: 今回の資本アロケーションにおいて「純資産配当率(DOE)を従来の2%から3%へ変更」されるなど、資本効率向上に向けた財務戦略が強化されました。PBR1倍割れの早期解消を目指すにあたり、新たに始動したインバウンド観光・ホテル事業をはじめとする新規成長領域の収益貢献タイミングについて、現時点で社内ではどのようにマイルストーンを設定されているかお聞かせください。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
働き方改革に理解がない人が多い
仕事がハードなため、そこで我慢強く頑張ってきた人のみが長く在籍しているため、近頃の働き方改革に理解がない人が多い。ゆえに次々に退職者が生まれている状況。
タレントもYouTuberのように自己発信できる人が多くなってきたことで、マネジメントの必要性が年々薄れてきていることもあり、若手のヒットがなく、数年先に会社を背負って立つようなタレントがいないのが課題。
(20代後半・営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]時間を有効に使うことができます
社員の方もみんなやさしくとてもやりやすいと思います。 時間も朝から出勤か夕方から出勤かを自分で選ぶので時間を有効に使うことができます。 掃除の仕事なので掃除などが好きな人にはとてもやりがいのある仕事だと思います。
(20代前半・マンション・ビル管理・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社アミューズ 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社アミューズ 2026年3月期 決算説明会資料



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