0 編集部が注目した重点ポイント
①期首の区分変更でリクルーティング売上が拡大する
当連結会計年度の期首より、従来の人材サービス事業の一部をより実態に即したリクルーティング事業の区分へ変更しました。この体制変更により同事業の売上高は3,708百万円(前年同期比6.2%増)となり、転職者にとっては広告領域でのキャリア機会が明確化します。なお、前年同期データも変更後ベースに修正済です。
②ワークプロジェクトの全株式を譲渡してコア事業へ集中する
2026年4月30日、保育士派遣等を行う連結子会社ワークプロジェクトの全株式を2026年7月1日に譲渡することを決議しました。これにより経営資源をコア事業へ集中させる方針であり、中核事業における採用や育成の投資が拡大する好機となります。業績への影響は軽微なため、前年同期比データへの影響は限定的です。
③海外拠点の再編で欧州域内の新規求রাপを開拓する
2025年12月に上海子会社の清算を結了する一方、2026年3月にドイツ・デュッセルドルフで新拠点を設立し事業を開始しました。欧州域内での新規求人開拓を重点化する方針であり、転職者にとってはグローバルな挑戦機会が増加します。新拠点の影響は始まったばかりで、前年同期比データへの反映はこれからとなります。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.4
売上高
339.2億円
+4.4%
営業利益
45.8億円
+1.1%
経常利益
46.8億円
+1.7%
当期純利益
41.5億円
+16.1%
当連結会計年度の業績は、既存事業の拡大と継続的な投資により、売上高が33,924百万円(前年同期比4.4%増)となり、過去最高売上を更新しました。営業利益は4,583百万円(同1.1%増)となり、投資有価証券売却益の計上などから当期純利益は4,158百万円(同16.1%増)と大幅な増益を達成しています。
通期計画に対する達成率は、売上高が99.9%、営業利益が100.3%となり、当初の業績予想をほぼ全般においてクリアしたことから、グループの経営基盤は極めて順調に推移していると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.8
人材サービス事業
【事業内容】人材紹介や人材派遣、紹介予定派遣、業務請負、保育園運営などを多角的に展開するグループの中核ビジネスです。
【業績推移】売上高は23,478百万円(前年同期比3.5%増)と増収を確保した一方、営業利益は3,640百万円(同7.2%減)の戦略的減益となりました。
【注目ポイント】建設・不動産やIT分野、製造業などの特定領域における人材紹介が非常に堅調に推移しました。一方で、保育士派遣は登録者の縮小により減収を余儀なくされています。今後は新ブランド「アンドプロ」の機能強化や、コンサルタントの能力開発、さらにはAI活用による業務効率化を徹底的に推進する方針であり、テクノロジーを駆使して高い付加価値を提供できる専門人材の獲得が急務となっています。
リクルーティング事業
【事業内容】求人広告の広告代理をはじめ、採用支援ツールの提供や人事業務請負など、総合的な採用ソリューションを提供します。
【業績推移】売上高は3,708百万円(前年同期比6.2%増)、営業利益は1,145百万円(同29.6%増)と大幅な増収増益を記録しました。
【注目ポイント】「Indeed」や「求人ボックス」といったアグリゲーション型求人サービスの取り扱いが極めて好調に推移し、新規顧客の開拓も着実に進みました。掲載課金型メディアの終了に伴い、業界特化型や社員領域などの新メディア拡販に成功しています。激化する競争環境において、求人広告に採用コンサルティングを組み合わせた総合提案型の営業人材が強く求められています。
地域情報サービス事業
【事業内容】地域情報誌の出版やポスティング、Webプロモーション支援、対面相談によるコンサルティングを展開します。
【業績推移】売上高は3,054百万円(前年同期比14.4%増)、営業利益は490百万円(同35.3%増)と極めて高い成長を示しました。
【注目ポイント】飲食店やショップ等の販促広告が大手・リテールともに旺盛な需要を維持し、特大号や別冊の発行が大きく寄与しました。さらに、北信越エリアの転職支援サービス「ココカラ転職」において、地域優良企業とのマッチングによる高単価案件の成約が増加しています。地域密着の強みとWeb施策を融合させ、企業の課題を解決できる人材の活躍フィールドが広がっています。
HRプラットフォーム事業
【事業内容】日本最大級の人事ナレッジコミュニティサイト「日本の人事部」の運営や、各種HR関連イベントを企画・運営します。
【業績推移】売上高は1,127百万円(前年同期比9.6%減)、営業利益は476百万円(同19.1%減)と市場の一巡に伴い減収減益となりました。
【注目ポイント】人材採用・育成領域における企業のリプレースニーズが一巡し、オンライン広告は主要顧客の予算縮小から苦戦しました。しかし、対面形式の「次世代リーダーカンファレンス」を新設するなどイベント事業は堅調です。独自コンテンツの拡充による会員拡大と、人事コミュニティを通じた深い顧客関係性の構築を推進できる企画運営人材が必要とされています。
海外事業
【事業内容】世界各都市(米国・欧州・アジアなど)で人材紹介や人材派遣、人事労務コンサルティングを展開しています。
【業績推移】売上高は2,557百万円(前年同期比6.1%増)、営業利益は169百万円(同25.4%増)と二桁の営業増益を達成しました。
【注目ポイント】米国での新規求人獲得や、英国における高年収帯案件の成約が順調に進み、全体の利益を大きく押し上げました。ベトナムでの日系企業向け紹介は競争激化により苦戦したものの、タイでの登録者獲得施策などが奏功しています。ドイツ新拠点の事業開始など、今後の業績拡大と「クロスボーダーリクルートメント」の推進を担うグローバル人材が期待されています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.18
2027年3月期は、売上高34,800百万円(前年同期比2.6%増)、営業利益4,110百万円(同10.3%減)となる増収減益を見込んでいます。減益の主な要因は、人的投資やIT投資といった中長期的な成長に向けた積極的な成長投資を継続することによるものです。市場の構造的人手不足は継続する見通しであり、企業の採用ニーズは底堅く推移すると予想されます。また、新たな配当方針として年間38円の下限配当を導入し、従業員向けの譲渡制限付株式付与制度を導入するなど、人的資本投資の強化とエンゲージメント向上に本気で取り組む姿勢が示されており、求職者にとって非常に魅力的な成長環境と言えます。
4 求職者へのアドバイス
HINT 志望動機のヒント
株式会社クイックは、構造的な人手不足を背景に過去最高売上を更新し続けるなど、非常に高い安定性と成長性を誇っています。特に新ブランド「アンドプロ」の立ち上げによる自社集客基盤の強化や、AIを活用した業務効率化など、時代に即した事業変革へ果敢に挑戦している点が魅力です。同社が注力する専門領域特化型の人材紹介や、アグリゲーション型求人広告を組み合わせた総合提案において、「自身の持つ専門知識を活して企業の採用課題に深く貢献したい」という意欲を伝えることが、強力な志望動機となります。
Q&A 面接での逆質問例
・新サービスブランド「アンドプロ」の旗艦サイトリリースに伴い、現場のコンサルタントに求められる役割やスキルセットにはどのような変化が生じていますか。
・リクルーティング事業において、Indeed等のアグリゲーション型サービスと採用コンサルティングを組み合わせた「総合提案」を強化されていますが、入社後に早期に活躍するためにキャッチアップすべき要素は何でしょうか。
・新たに導入される「譲渡制限付株式付与制度」など、従業員のワークエンゲージメントを高めるための施策が現場のモチベーションや組織風土にどのような好影響を与えているか教えてください。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
給料は他の会社に比べて多くもらっていた
大手の関連ということで、給料は他の会社に比べて多くもらっていた印象がある。その他手当に関してももしっかりと制度として整えられていたため、自分含め周りの人からも不満の声を聞くことがなかった。
(20代前半・代理店営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]月の残業時間に差がある
営業という仕事柄なのか、常に羽目を外しすぎて印象を損ねないようにするために気を張っていたような気がする。同じ会社内でも月の残業時間に差がある人がいた。基本みなし残業分以上の残業はさせられていたが、給料を考えると妥当である。
(20代前半・代理店営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社クイック 2026年3月期 決算説明資料
- 株式会社クイック 2026年3月期 決算短信



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