NTT株式会社の転職研究 2025年度通期決算に見るキャリア機会

NTT株式会社の転職研究 2025年度通期決算に見るキャリア機会

NTT株式会社の2025年度通期決算は、営業収益が過去最高を更新し増収増益を達成。住信SBIネット銀行の連結子会社化やNTTデータの完全子会社化など、グループ体制に大きな構造的変化が進んでいます。「なぜ今NTT株式会社なのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

NTTデータを完全子会社化しグローバル成長を加速する

2025年9月にNTTデータグループの完全子会社化を完了しました。これにより法人・グローバル分野における意思決定の迅速化と、データセンターやAI等の成長分野への投資をグループ一体で推進する体制が整い、転職者にとってグローバルIT領域におけるキャリア成長の機会が大きく拡大しています。

住信SBIネット銀行を子会社化し金融事業を拡大する

2025年10月1日付で住信SBIネット銀行を連結子会社化しました。スマートライフ領域における金融ビジネスの拡大が目的であり、2026年7月には「NTTドコモ・フィナンシャルグループ」体制への移行も発表されています。銀行業務のノウハウを融合した新規金融サービスの開発職などで高い採用可能性が期待されます。

2030年度EBITDA4兆円に向け中期財務目標を見直す

既存分野における事業環境の変化を踏まえ、連結EBITDA4兆円の達成目標を2027年度から2030年度へ見直しました。AI・データセンターを軸とした「バリュー分野」の成長加速に加え、通信基盤を次世代インフラ「AIOWN」へ転換させる構造改革を強力に推進しており、成長領域への専門人材シフトが活発化しています。

1 連結業績ハイライト

2025年度通期は営業収益が過去最高を更新!対前年で増収増益を達成し、極めて堅調な決算となりました。
2025年度 連結決算の状況

出典:2025年度決算、2026年度業績予想等について P.5

営業収益

14兆4,091億円

(対前年 +5.1%)

営業利益

1兆7,062億円

(対前年 +3.4%)

当期利益

1兆370億円

(対前年 +3.7%)

EBITDA

3兆4,233億円

(対前年 +5.7%)

※EBITDA(イービッタ):営業利益に減価償却費(使用権資産に係る減価償却費除く)、固定資産売却損及び固定資産除却損、減損損失を加算調整した経営指標。

当期の営業収益は14兆4,091億円(前年比5.1%増)となり、過去最高を更新しました。営業利益は1兆7,062億円(同3.4%増)、当期利益は1兆370億円(同3.7%増)と、すべての主要利益項目において増益を維持しています。グローバル・ソリューション事業における大型案件のデジタル化需要の獲得やデータセンター事業の拡大、さらに住信SBIネット銀行の連結子会社化などが収益成長に大きく貢献しました。

通期予想に対する進捗状況については、当期決算のため100%に到達しており、公表されていた通期業績計画に対して順調かつ計画通り達成という極めて堅調な評価となります。グループの構造改革投資に伴う一時的支出を吸収しつつ、EBITDAも前年同期を上回る着実な成長を遂げました。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

金融事業の拡大、グローバルITソリューションの加速など、各事業会社が担う実務領域において専門人材の活躍フィールドが広がっています。
2025年度 セグメント別の状況

出典:2025年度決算、2026年度業績予想等について P.6

総合ICT事業

(注:新規連結された住信SBIネット銀行等を含んでおり、前年実績とは単純比較不可)

事業内容:株式会社NTTドコモ等を中心に、携帯電話サービス、光ブロードバンド、決済などの金融サービス、システム開発を担うセグメントです。

業績推移:営業収益は6兆4,581億円(前年同期比3.9%増)と増収でしたが、投資や構造改革費用等の影響により営業利益は9,421億円(同7.7%減)となりました。

注目ポイント:スマートライフ領域における金融事業が急拡大しています。住信SBIネット銀行の子会社化に伴う「d NEOBANK」の開始や、2026年7月の「NTTドコモ・フィナンシャルグループ」への事業移管計画など、金融・決済サービスを起点とした事業体制の再編が急速に進行中であり、業界を越えた新しい金融サービスの企画・システム開発を担う専門人材が今最も必要とされています。

主な注力分野・職種: 金融サービス開発、決済プロダクト企画、ソリューションセールス

グローバル・ソリューション事業

事業内容:株式会社NTTデータグループ等による、公共・金融・法人向けのITコンサルティング、システム開発、データセンター事業等です。

業績推移:営業収益は5兆461億円(前年同期比7.9%増)、営業利益は4,882億円(同50.7%増)と、大幅な増収増益を達成し利益成長を牽引しています。

注目ポイント:2025年9月に完全子会社化されたNTTデータグループを中心に、グローバルなデータセンター事業が大きく伸長しています。米国シリコンバレーに「NTT DATA AIVista」を設立するなど、先端AIとデジタルインテグレーションの融合を推進中。世界をフィールドに最先端のクラウド、セキュリティ、AIシステムの設計・実装に挑戦したいエンジニアに最適な環境が整っています。

主な注力分野・職種: グローバルITコンサルタント、AIシステム開発エンジニア、データセンターインフラ設計

地域通信事業

事業内容:NTT東日本株式会社、NTT西日本株式会社等による、光回線サービス「フレッツ光」や企業向け法人通信サービス事業です。

業績推移:営業収益は3兆2,102億円(前年同期比3.1%増)、営業利益は3,074億円(同4.0%増)と、手堅く利益を積み上げました。

注目ポイント:従来型のメタル電話(アナログ回線)から光回線・モバイルへの移行という大転換期にあります。法人向けの超高速通信「フレッツ光 クロスBiz」等の提供を通じた顧客接点強化や、AIやDXを活用した通信オペレーション改革を進めており、インフラの安定性と業務プロセスの最新鋭化を牽引するIT・ネットワーク専門人材へのニーズが継続して高まっています。

主な注力分野・職種: 通信オペレーションDX推進リーダー、法人向けNWインテグレーター、新規地域ビジネス開発

その他(不動産、エネルギー等)

事業内容:NTTアーバンソリューションズ等による不動産開発や、NTTアノードエナジー等のグリーンエネルギー供給事業です。

業績推移:営業収益は1兆7,526億円(前年同期比1.5%増)となったものの、営業利益は16億円(同102.8%減の要因等による大幅な圧縮)となりました。

注目ポイント:「HIBIYA CROSSPARK」街区における「NTT日比谷タワー」の着工(2031年竣工予定)が発表されました。これはIOWNを実装した超・低消費電力な次世代都市(光の街)づくりの起点となるプロジェクトであり、不動産やエネルギー開発と先進的なITプラットフォームを掛け合わせた、スケールの大きいスマートシティ開発を主導できる異業界からのスペシャリストを求めています。

主な注力分野・職種: スマートシティ都市開発プロデューサー、スマートエネルギー技術開発、資産アセットマネジメント

3 今後の見通しと採用の注目点

次期予想は15兆円の大台へ!2030年度目標「EBITDA 4兆円」の達成を見据え、成長分野への積極的な投資を断行します。
中期的な利益成長に向けて(中期財務目標の見直し)

出典:2025年度決算、2026年度業績予想等について P.14

2026年度の通期連結業績は、営業収益15兆600億円(前年比4.5%増)、営業利益1兆7,100億円(同0.2%増)を見込み、引き続き強固な経営体制を堅持する計画です。中期財務目標を見直し、2030年度の連結EBITDA4兆円達成に向け、AIインフラサービス「AIOWN(アイオン)」の社会実装や、光電融合デバイス「PEC-2」の商用生産など、成長領域での新規ビジネス創出を加速させています。

こうした大きな方針転換と戦略的成長への注力を背景に、AIエージェント、先端宇宙インフラ事業(宇宙ブランド「NTT C89」の下で1,000億円規模への事業成長を早期に目標とする)、自動運転レベル4対応(2025年12月にNTTモビリティ株式会社を設立)、スケーラブルな光量子コンピュータ開発など、将来の利益基盤を築く先行投資分野において、中長期のキャリア設計を見据えた外部の優秀な技術・企画人材の採用が非常に活発化していくと見込まれます。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

NTTグループが直面している「巨大インフラから多角的なITバリューサービスプロバイダーへの転換」を強く意識した志望動機が効果的です。例えば、「NTTデータグループの完全子会社化」や「住信SBIネット銀行の連結子会社化」といった具体的な動きに触れ、これらが創出する新たな金融・スマートライフ、あるいは先端AI、データセンターの市場に向けて「自分の持つ専門スキル(IT、システム開発、データ分析など)を掛け合わせ、社会実装を加速させたい」といった意欲を示すことで、面接官に対して非常に高い熱意と解像度の高さをアピールできます。

Q&A

面接での逆質問例

面接の最終盤で、経営陣に近い視点を持っていることを示せるスマートな逆質問の例です。
「住信SBIネット銀行の新規連結や、2026年7月に向けたNTTドコモ・フィナンシャルグループへの事業統合において、既存のdカードやd払い等の決済プラットフォームに銀行業務が融合することで、どのような新機軸のサービスをめざされていますか?」
「中期的な利益成長のために2030年度EBITDA4兆円の達成を目指し、バリュー分野の成長加速やコネクティビティ分野のAIOWN移行が掲げられていますが、中途採用の専門人材に対してまずどの課題解決から担うことを一番期待されていますでしょうか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
"

意欲のある方はこの会社では収まらなくなって来ると思います

出張先で何か楽しみを見つけられるとか会社ブランドプライド持って友人知人に話せるとか少しそれたやりがいを見つけられないとつまらなくなってしまうかもしれません。人それぞれですので、一概には言えません。やりがいという意味でも安定という意味でも公務員よりはだいぶましだとは思いますが。

(20代後半・女性・企画営業) [キャリコネの口コミを読む]
"

女性のライフステージへの配慮は日本でも最高レベル

電電公社の時代から女性の多い会社で、女性のライフステージへの配慮は日本でも最高レベルである。フレックスタイム、育児休暇、育児求職を駆使して子育てしながらバリバリと働く社員も多い

(60代以上・男性・研究開発) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • NTT株式会社 2025年度 決算短信〔IFRS〕(連結)
  • NTTグループ 2025年度決算、2026年度業績予想等について(決算説明会資料)

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


関連記事

NTTの転職研究 2025年3月期2Q決算に見るキャリア機会

NTTの2025年度2Q決算は、営業収益が過去最高を更新。住信SBIネット銀行の連結子会社化や、12月の「NTTモビリティ」設立など、金融と自動運転への大胆な進出が鮮明です。「巨大キャリアからデータ駆動型企業へ」と変革する今、転職希望者がどの事業で新たな役割を担えるのかを整理します。