0 編集部が注目した重点ポイント
①営業収益が過去最高を更新し住信SBIネット銀行を連結子会社化する
2025年度第2四半期の連結業績は、営業収益が過去最高を更新し、前年同期比2.8%増の6兆7,727億円となりました。また、金融ビジネスの拡大を目的として、2025年10月1日付で住信SBIネット銀行を連結子会社化しました。銀行業務のノウハウを獲得することで、スマートライフ領域でのキャリア機会が大きく拡大する可能性があります。
②自動運転事業を推進する新会社「NTTモビリティ」を12月に設立する
自動運転社会の実現に向け、2025年12月に新会社「NTTモビリティ株式会社」を設立します。グループ内の知見を集約し、車両提供から遠隔監視システムまでを一気通貫で提供する計画です。全国各地の自治体や交通事業者との連携が想定されており、地域密着型の社会インフラ構築に携わりたい人材にとって魅力的なマイルストーンとなります。
③グローバル・ソリューション事業が大幅な増益を達成し成長を牽引する
セグメント別では、グローバル・ソリューション事業の営業利益が前年同期比で1,200億円の増益となり、グループ全体の利益成長を牽引しています。データセンター事業の拡大や海外でのシステムインテグレーション需要が堅調です。ITコンサルタントやクラウドエンジニアにとって、グローバルな規模で活躍できるフィールドが強固になっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 第2四半期決算について P.5
2025年度上半期は、グローバル・ソリューション事業の好調が寄与し、増収増益の決算となりました。営業費用において人件費が若干減少した一方で、事業拡大に伴う経費や減価償却費が増加していますが、これらを増収分で十分にカバーしています。自己資本比率は27.5%となっており、大規模な投資を見据えた資金調達により有利子負債が増加している点も特徴です。
通期予想に対する営業利益の進捗率は53.4%(通期予想1兆7,700億円に対し9,450億円)となっており、年度の折り返し地点として業績は順調に推移しています。下半期に向けた上方修正は現時点ではありませんが、極めて堅調な足取りと言えます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 第2四半期決算について P.6
総合ICT事業
事業内容:モバイル通信、国内電気通信、およびスマートライフ事業(NTTドコモ等)を展開しています。
業績推移:営業収益は3兆327億円(前年比+389億円)と増収を確保しましたが、営業利益は4,747億円(前年比-786億円)の減益となりました。
注目ポイント:端末販売の減衰などが利益を押し下げましたが、一方で「NBA docomo」の提供開始や「d NEOBANK」の新ブランド立ち上げなど、スマートライフ領域の強化が顕著です。金融・エンタメ領域とのシナジーを生み出せる企画・マーケティング人材への期待が高まっています。
グローバル・ソリューション事業
事業内容:海外ITサービス、データセンター、システムインテグレーション(NTTデータグループ等)を担います。
業績推移:営業収益は2兆3,605億円(前年比+1,204億円)、営業利益は2,690億円(前年比+1,200億円)と大幅な増益を達成。
注目ポイント:海外事業の収益性改善とデータセンター需要の取り込みが奏功しています。香港でのIOWN APN(オールフォトニクス・ネットワーク)提供開始など、次世代インフラの商用化もリード。最先端技術をグローバルに展開するプロジェクトマネージャーの需要が急増しています。
地域通信事業
事業内容:東日本および西日本における固定通信サービス、および附帯事業を提供しています。
業績推移:営業収益は1兆5,354億円(前年比+346億円)と増収でしたが、営業利益は1,875億円(前年比-37億円)と微減となりました。
注目ポイント:メタル回線から光回線・モバイル回線への移行を積極的に推進しています。地域密着型のDX支援や、自律的に業務を実行するエージェント型AI基盤「LITRON CORE」の提供開始など、地域社会のDX基盤を支える技術者・営業職の活躍機会が増えています。
その他(不動産、エネルギー等)
事業内容:都市開発(原宿クエスト等)やエネルギー事業、AI技術開発など多角化を進めています。
業績推移:営業収益は8,123億円(前年比+215億円)、営業利益は349億円(前年比-26億円)となっています。
注目ポイント:純国産LLM「tsuzumi 2」の提供開始や、ペロブスカイト太陽電池の実証事業など、将来の柱となる技術投資が加速しています。既存の通信事業の枠を超えた、新規事業開発や環境共生型ビジネスへの挑戦が可能です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 第2四半期決算について P.10
今後の成長戦略の核となるのは、IOWN(アイオン)のビジネス展開です。2026年度には光電融合デバイスを用いた光スイッチの商用化を控え、2028年には光チップレットの商用化を目指すなど、技術ロードマップが明確です。また、エージェント型AI「tsuzumi 2」による業務変革は、自社内のみならず顧客企業のDXを強力に支援する武器となります。
注目すべきは、住信SBIネット銀行の連結子会社化に伴う「d NEOBANK」の本格始動です。通信と金融の融合により、顧客接点を劇的に強化する方針が示されています。また、12月設立のNTTモビリティを通じた自動運転事業への参入は、通信キャリアから「データ・ドリブンによる新たな価値創造企業」への脱皮を象徴しています。中長期的に新しいインフラを創るという意志が強く、変革をリードできる専門人材の採用が一段と活発化する見通しです。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
NTTが現在進めている「通信からデータ・ドリブン企業への転換」に共感を示すことが重要です。具体的には、純国産LLM「tsuzumi」を活用した業務変革や、新会社「NTTモビリティ」による自動運転社会の実現、あるいは住信SBIネット銀行との連携による「dポイント経済圏の深化」など、自身の専門性がどの成長エンジンに貢献できるかを具体的に語るのが効果的です。
面接での逆質問例
「住信SBIネット銀行の連結子会社化により、既存のスマートライフ事業におけるサービス開発のスピード感や組織体制はどのように変化しますか?」や、「NTTモビリティが2025年12月に設立されますが、立ち上げ期において外部採用人材に期待される最も重要なミッションは何でしょうか?」など、最新の構造的変化に踏み込んだ質問が意欲の高さをアピールします。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
制度を利用しやすい環境にある
産休、育休に加え、時短勤務や在宅勤務の制度も整っている。制度だけでなく、会社も在宅勤務等の取得を促進しており、周りの社員もプライベートの用事等で勤務時間の調整(フレックス勤務や裁量労働制のため調整可能)をする社員も多いため、こうした制度を利用しやすい環境にある。
(20代後半・研究開発・女性) [キャリコネの口コミを読む]モチベーションを維持するのが難しい
悪く言えば昔ながらの年功序列な体質がある印象がある。有能な社員がいても、モチベーションを維持するのが難しい職場です。
(30代前半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2025年度 第2四半期決算について(2025年11月4日発表)
- 2025年度 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。