0 編集部が注目した重点ポイント
①鳥居薬品を子会社化し国内売上が405億円増
2025年9月に鳥居薬品株式会社を完全子会社化し、新規連結を開始しました。これにより国内事業の販売網が強化され、売上収益が大きく拡大しています。営業活動の相互補完により、QOL疾患領域などでのキャリア機会の広がりが期待されます。(当期からの連結のため前年同期との単純比較不可)
②米国でエダラボン事業を承継し新会社を設立
2026年4月より、希少疾患である筋萎縮性側索硬化症(ALS)等治療薬のエダラボン事業を承継しました。新たに米国事業会社を設立し、患者の治療アクセス向上に向けた販売体制の強化が進んでおり、海外展開を担う人材の重要性が一段と高まっています。
③JT医薬事業を獲得し新たな創薬基盤を統合
2025年12月に日本たばこ産業株式会社の医薬事業をM&Aにより承継しました。経験豊富な研究人材と、AIや量子コンピューター等の先端技術プラットフォームを獲得したことで、低分子創薬を中心とした自社創薬力が強化されており、研究開発部門での新たな挑戦環境が整っています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 決算説明資料 P.5
売上収益
4,997億円 (前期比 +14.0%)
営業利益
1,667億円 (前期比 +6.5%)
当期利益(親会社帰属)
2,052億円 (前期比 +20.4%)
EBITDA
1,877億円 (前期比 +4.7%)
※EBITDA = 営業利益から非経常的な項目(減損損失等)を調整し、減価償却費を加えた利益
当期の売上収益は4,997億円となり、通期予想に対して99.9%と堅調に推移し、4期連続で過去最高を更新しました。海外事業の成長やロイヤリティー収入の堅調な増加に加え、鳥居薬品の連結子会社化などM&Aの効果が大きく寄与しています。
一方で、営業利益は1,667億円となり、通期予想に対して90.1%と進捗が遅れている(目標未達)結果となりました。これは、米国事業における新製品の上市に向けた積極的な販売費用の投下や、開発品の臨床試験結果等に伴う減損損失などの一過性費用が発生したことが主な要因です。戦略的な事業投資を継続しつつも、ViiV社からの配当金増加などにより税引前利益は予想を超過達成しており、強靭な経営基盤が確認できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 決算説明資料 P.7
(注:当期より鳥居薬品が新規連結されたため前年同期と単純比較不可)
国内医療用医薬品
事業内容:感染症薬やQOL疾患領域の新薬、および鳥居薬品関連製品の販売を担います。
業績推移:鳥居薬品の売上が加わり、売上収益は1,235億円(前期比+25.0%)と大幅増を記録しました。
注目ポイント:抗新型コロナウイルス薬の需要減を、不眠症治療薬「クービビック」などの新製品群と鳥居薬品の皮膚・アレルゲン領域製品が補い、安定的な成長フェーズへ移行しています。両社で連携したコ・プロモーションを推進できる営業・マーケティング人材の活躍が見込まれます。
海外子会社/輸出
事業内容:米国および欧州を中心とした海外市場での医薬品の販売活動を行います。
業績推移:欧米事業が堅調に推移し、売上収益は650億円(前期比+9.9%)となりました。
注目ポイント:欧米における「セフィデロコル」の販売が好調に推移しています。また、米国では新たに希少疾患事業がスタートし、患者サポートや専門医への情報提供を強化するためのグローバル展開を担う高度な専門人材ニーズが高まっています。
ロイヤリティー収入
事業内容:他社への技術導出や提携先からのロイヤリティー収入、配当金の受領等を含みます。
業績推移:HIVフランチャイズの成長等により、売上収益は2,786億円(前期比+13.9%)となりました。
注目ポイント:ViiV社からのHIVフランチャイズに関するロイヤリティー収入が力強い成長を見せています。また、旧JT医薬事業からのロイヤリティーも新たに加わっており、同分野のライセンス管理やアライアンスマネジメントに関わる専門知識を持つ人材が求められます。
製造受託・一般用医薬品
事業内容:外部からの医薬品製造受託事業およびOTC医薬品等の販売を行います。
業績推移:外部受託の見直し等により、売上収益は合わせて301億円と前年より減少しました。
注目ポイント:製造拠点の統合・見直しにより一時的に減収となっていますが、製品増産などフレキシブルな生産体制を自社内で確立するための重要な基盤です。サプライチェーンの効率化や品質保証体制の強化を推進する人材が継続して重要とされています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 決算説明資料 P.11
次期(2026年度)の業績予想では、売上収益7,000億円(前期比+40.1%)、営業利益2,200億円と、5期連続での過去最高更新を見込んでいます。鳥居薬品や米国でのエダラボン事業の売上が年間を通じてフルに寄与することで、飛躍的なトップラインの成長が期待されます。
一方で、M&Aで獲得した事業基盤の整備や無形資産の償却、さらなる研究開発費の増加が計画されており、コストマネジメントも重要な課題となります。現在実施中の臨床試験を継続しつつ、優先順位付けに基づくパイプラインの選択と集中が進められており、各プロジェクトを効率的に推進・管理できる高度なプロジェクトマネジメント人材の需要が高まると予想されます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
面接では、単なる医薬品営業・研究ではなく、「新たなプラットフォームの構築」や「QOL向上への貢献」への共感を伝えると効果的です。特に、JT医薬事業や鳥居薬品との統合によって生まれた新しいシナジーを活かし、どのような価値提供ができるかを具体的に語ることで、組織の大きな変化を前向きに捉える姿勢をアピールできます。
面接での逆質問例
・「新たにスタートした米国での希少疾患事業において、日本側からどのようなサポート体制を構築していく計画でしょうか?」
・「パイプラインの選択と集中が進む中で、現在最も注力している疾患領域と、そこに向けた人材育成の方針を教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
何もできない新人はそのまま放置されているような印象
石橋をたたいて渡らない、と評する先輩がいましたが最近その通りと感じています。以前はチーム単位での交流が盛んで、その中でOJTが自然に行われていましたが、最近はそのような雰囲気はなく、何もできない新人はそのまま放置されているような印象があります。
(40代後半男性・MR・正社員) [キャリコネの口コミを読む]男性でも育児休暇が取得可能
男性でも育児休暇が取得可能であり、実際に本制度を使用している人もいる。フレックス制や裁量労働制を採用しており勤務時間にも融通がきくため、ある程度は通常の勤務の中で介護なども可能。
(30代前半男性・研究開発・正社員) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
- 2025年度 決算説明資料



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