※本記事は、塩野義製薬株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
塩野義製薬は、医療用医薬品の研究開発、仕入、製造、販売およびこれらに付随する業務を事業内容としています。同社グループは、医薬品事業の単一セグメントで事業を展開しています。
単体従業員数は2,808名、連結従業員数は6,223名です。セグメントは医薬品事業の1つです。
主な国内グループ会社は、シオノギファーマ(医薬品事業)、シオノギヘルスケア(同)、シオノギテクノアドバンスリサーチ(同)、鳥居薬品(同)などです。
直近では、2025年9月に鳥居薬品を連結子会社化し、2025年12月にはJT医薬事業を吸収分割により承継しました。また、2026年4月にはShionogi-Apnimed Sleep Science, LLCを持分追加取得により連結子会社としています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
塩野義製薬は、医薬品事業を主軸とする企業グループとして、安定した事業基盤を持つ環境で働くことができます。人材育成と多様な働き方を重視し、従業員一人ひとりの成長とエンゲージメント向上に力を入れていることが特徴です。グローバルな事業展開を支える人材の確保と育成に注力しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高い傾向にあります。これは、長期的なキャリア形成を支援し、従業員が定着しやすい環境が整っていることを示しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 10,300,842円 |
| 平均勤続年数 | 15.6年 |
| 平均年齢 | 42.4歳 |
| 単体従業員数 | 2,808人 |
| 連結従業員数 | 6,223人 |
| 単体のグループ内比率 | 45.1% |
同社グループの退職給付制度は、確定給付型と確定拠出型の両方が導入されています。適用範囲は国内および海外のグループ会社に及びます。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
塩野義製薬は、イノベーション創出とグローバルな事業展開を支える人材の確保・育成を重要な経営課題と位置付けています。経営戦略の実現には、優秀で多様な人材の確保と、その能力の最大限の発揮が不可欠であると考えています。
従業員給与等は、「チャレンジ」と「やりがい」を中核コンセプトとした人事制度に基づき設計されています。職務等級制度を基軸とし、年齢や性別等の属性にかかわらず職務内容と成果に基づいて処遇を決定する仕組みです。各職務等級で求められる職責と期待される行動が明確に定義されており、単年度での昇降格も可能な柔軟な制度となっています。
給与水準は、事業展開する地域における外部労働市場調査を基準とし、競争力のある水準を設定しています。社内における公平性を重視し、職務内容が同等であれば性別・年齢・国籍等の属性にかかわらず賃金に不当な差異が生じない設計です。賞与については、会社および各事業部門の業績成果を反映させる業績連動型の仕組みを採用しています。
同社は「人が競争力の源泉」という人材育成理念のもと、自律的な学びによる成長を後押しし、グローバルな競争に勝ち抜ける強い個人の育成と多様な人材を活かす組織の構築に取り組んでいます。従業員エンゲージメントの向上を重要な経営指標の一つとし、働きやすい環境の整備、やりがいの向上、健康増進に向けた取り組みを推進しています。具体的には、所定労働時間の短縮、スーパーフレックスタイム制、在宅勤務、選択週休制度(週休3日)、兼業・副業の許可、自己啓発支援制度など、多様な人材が活躍できる環境整備を進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。従業員数は2026年4月1日時点により算出しており、部下を持つ職務の者を管理職としています。男性の育児休業取得率は、当該年度に誕生した子どもを有する従業員のうち、育児休業を取得した従業員の割合を記載しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 17.1% |
| 男性の育児休業取得率 | 74.0% |
| 労働者の男女の賃金の格差(全労働者) | 80.6% |
| 労働者の男女の賃金の格差(正規雇用労働者) | 79.6% |
| 労働者の男女の賃金の格差(パート・有期労働者) | 90.8% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ シオノギファーマ株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 13.7% |
| 男性の育児休業取得率 | 87.5% |
| 労働者の男女の賃金の格差(全労働者) | 73.7% |
| 労働者の男女の賃金の格差(正規雇用労働者) | 74.2% |
| 労働者の男女の賃金の格差(パート・有期労働者) | 80.1% |
▼ シオノギヘルスケア株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 8.7% |
| 男性の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の格差(全労働者) | 77.9% |
| 労働者の男女の賃金の格差(正規雇用労働者) | 74.6% |
| 労働者の男女の賃金の格差(パート・有期労働者) | 106.8% |
▼ シオノギテクノアドバンスリサーチ株式会社
シオノギテクノアドバンスリサーチ株式会社のパート・有期労働者における男女間の賃金差異は、主に雇用区分の構成差によるものです。再雇用者において、相対的に賃金水準の高いフルタイム勤務者が男性に偏在していることが、差異の主な要因となっています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 30.0% |
| 男性の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の格差(全労働者) | 82.7% |
| 労働者の男女の賃金の格差(正規雇用労働者) | 80.8% |
| 労働者の男女の賃金の格差(パート・有期労働者) | 50.8% |
▼ 鳥居薬品株式会社
鳥居薬品株式会社のパート・有期労働者における男女間の賃金差異は、主に雇用区分および職位構成の差によるものです。契約社員において管理職の割合が高く、特に男性に偏在していることに加え、賞与支給対象者の比率が高いことから、平均賃金が相対的に高い水準となっています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 14.4% |
| 男性の育児休業取得率 | 75.0% |
| 労働者の男女の賃金の格差(全労働者) | 80.9% |
| 労働者の男女の賃金の格差(正規雇用労働者) | 83.3% |
| 労働者の男女の賃金の格差(パート・有期労働者) | 53.6% |
多様な人材の確保
国内グループ連結(同社および国内連結子会社)における実績および目標を記載しています。2025年度より、JT医薬事業の承継に伴う従業員が提出会社の従業員に含まれることとなりました。また、同年度より鳥居薬品が国内グループ連結の対象となったことから、これらを2025年度の実績および目標に反映しています。
| 指標 | 2025年度実績 | 目標 |
|---|---|---|
| 管理職に占める女性従業員の比率 | 16.4% | 18%以上 (2027年度) |
誰もが働きやすい環境・風土の醸成
国内グループ連結における実績および目標を記載しています。男性育児休業の取得率は、当該年度に誕生した子どもを有する従業員のうち、育児休業を取得した従業員の割合を記載しています。
| 指標 | 2025年度実績 | 目標 |
|---|---|---|
| 男性育児休業の取得率 | 75.8% | 80%以上 (2027年度) |
| 男性育児休業の14日以上取得率 | 73.4% | 65%以上 (2027年度) |
他者を惹きつける強みを持つ人材の育成
国内グループ連結における実績および目標を記載しています。自己投資支援制度は、組合員を対象とした自発的な学びを支援する制度で、年間30万円を上限としています。2025年度から対象を管理職に広げています。
| 指標 | 2025年度実績 | 目標 |
|---|---|---|
| 自己投資支援制度の利用率 | 59.6% | 60%以上 |
健康経営の推進
国内グループ連結における実績および目標を記載しています。従業員・管理職の教育受講率は、メンタルヘルス研修(セルフケア、ラインケア)および毎年テーマを設定して実施する健康関連研修の受講率のうち最小値を記載しています。健康診断受診率、ストレス反応偏差値および喫煙率に関わる2025年度実績には、鳥居薬品ならびにJT医薬事業の承継に伴う従業員を含めていません。
| 指標 | 2025年度実績 | 目標 |
|---|---|---|
| 従業員・管理職の教育受講率 | 90% | 95%以上 |
| 健康診断受診率 | 100% | 100% |
| ストレス反応偏差値 | 50 | 55以上 |
| 喫煙率 | 2.8% | - |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
塩野義製薬グループは、医療用医薬品の研究開発から製造、販売までを一貫して手掛ける事業を展開しています。人々の健康に貢献する医薬品を提供することで収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、医療用医薬品の研究開発、仕入、製造、販売およびこれらに付随する業務を事業内容とする単一セグメントで事業を展開しています。主に医療機関向けの医薬品提供を通じて収益を得ており、新薬の創出とグローバル展開に注力しています。
収益の柱は、国内医療用医薬品の販売、輸出および海外子会社での販売、そしてロイヤリティー収入です。特にロイヤリティー収入は、ViiV Healthcare Ltd.からのものが同社グループ全体の売上収益の過半を占める主要な収益源となっています。
国内医療用医薬品の売上収益は、鳥居薬品の連結子会社化やコ・プロモーション活動により増加しています。急性呼吸器感染症薬では、抗新型コロナウイルス薬の売上が減少した一方で、抗インフルエンザウイルス薬の売上が増加する傾向が見られます。不眠症治療薬や新規うつ病治療薬といったQOL疾患領域の製品も売上を伸ばしています。
海外事業では、欧米を中心にセフィデロコルなどの販売が好調に推移し、売上収益が増加しています。中国事業では医療費抑制政策の影響で売上が減少する傾向にありますが、新薬承認申請を進めるなど、新薬事業への転換を図っています。
ロイヤリティー収入は、ViiV Healthcareからの収入が安定的に成長しており、その他のロイヤリティー収入もJT医薬事業の承継により大きく増加しました。このように、同社グループは多様な医薬品の販売とライセンス収入を組み合わせた収益モデルを構築しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期間にわたり売上収益と親会社の所有者に帰属する当期利益ともに増加傾向にあります。特に直近の連結会計年度では、売上収益、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益のいずれも前期を上回り、過去最高を更新しました。これは、事業の拡大とグローバル化に向けた大規模な投資を行いながらも、着実に収益を伸ばしていることを示しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 3,351億円 | 4,267億円 | 4,101億円 | 4,383億円 | 4,997億円 |
| 税引前利益 | 1,263億円 | 2,203億円 | 1,983億円 | 2,008億円 | 2,389億円 |
| 税引前利益率 | 37.7% | 51.6% | 48.4% | 45.8% | 47.8% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,142億円 | 1,850億円 | 1,620億円 | 1,704億円 | 2,052億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 126.25 | 207.10 | 186.17 | 200.36 | 241.11 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上収益および従業員1人あたり営業利益は、前期と比較して減少しています。これは、鳥居薬品の連結子会社化やJT医薬事業の吸収分割に伴う従業員数の大幅な増加が主な要因として考えられます。事業規模の拡大に伴い、一時的に1人あたりの数値が変動する傾向が見られます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上収益(連結) | 88.4百万円 | 80.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 31.6百万円 | 26.8百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
塩野義製薬グループは、本業で安定した資金を生み出しながら、将来の成長に向けた積極的な投資を行っている状況です。これにより、事業拡大と財務基盤の強化を両立させています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
塩野義製薬グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって強固な状態を示しています。当期の自己資本比率はプライム市場の製造業平均を上回る水準であり、財務の健全性がうかがえます。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回っており、効率的な資本活用ができている状況です。手元資金である現金及び現金同等物も前期から大きく増加しており、事業運営における安定性や将来の投資余力につながります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 1兆3,619億円 | 1兆6,852億円 |
| 自己資本比率 | 88.7% | 65.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 13.1% | 13.5% |
| 現金及び現金同等物 | 3,748億円 | 7,114億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
塩野義製薬グループのキャッシュフローは、本業で安定した資金を創出しつつ、将来の成長に向けた大規模な投資を行っている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは前期から増加しており、本業で着実に資金を稼ぎ出していることがうかがえます。一方で、投資活動によるキャッシュフローは大幅な支出超過となっており、ViiV Healthcareへの追加出資やM&Aに伴う資産取得など、積極的な成長投資が活発に行われています。これにより、フリーキャッシュフローはマイナスとなっていますが、これは事業拡大のための戦略的な投資フェーズにあることを示しています。財務活動によるキャッシュフローは、大型投資に伴う借入れにより大幅な収入超過となっており、成長戦略を資金面から支える体制が整っています。このような資金の流れは、同社グループが将来の事業拡大と収益性向上を目指していることを示しており、長期的な視点での雇用安定性や成長機会につながると考えられます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1,955億円 | 2,136億円 |
| 投資CF | △1,161億円 | △5,061億円 |
| 財務CF | △649億円 | 5,993億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 794億円 | △2,926億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、感染症領域におけるHIV領域やAMR領域等で、競争環境や市場構造の変化により売上が低下し、成長力が低下するリスクを認識しています。また、世界的な政治・社会情勢の変化を背景とした地政学・地経学的な不確実性の高まりも重要なリスク要因です。これにより、投資や輸出入に関する規制、関税や通商政策の変更、各種取引に関する規制強化などが事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、M&A等による組織拡大に伴い、従業員エンゲージメントの低下や組織の一体感が損なわれるリスクを認識しています。多様な価値観を持つ人材の融合や新たな文化・風土の形成が重要な経営課題となっています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
塩野義製薬は、人々の健康を守ることを基本方針とし、ヘルスケアの未来を創り出すことを目指す企業です。従来の製薬企業の枠を超え、幅広いヘルスケアサービスを提供するHaaS企業への変革を進めています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
塩野義製薬グループは、「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬(ヘルスケアソリューション)を提供する」ことを経営の基本方針(SHIONOGI Group Heritage)として掲げています。2030年に向けたビジョン(SHIONOGI Group Vision)では、「新たなプラットフォームでヘルスケアの未来を創り出す」ことを目指しています。
同社グループは、従来の「創薬型製薬企業」から、幅広いヘルスケアサービスを提供する「HaaS(Healthcare as a Service)企業」へと変革を進めています。異なる強みを持つ他社・他産業から選ばれる「協創の核」として、ヘルスケア領域の新たなプラットフォームを構築していくことを目標としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、SHIONOGI Group Visionの実現に向け、変化を恐れず多様性を受容し、既成概念を超えて自らを「Transform」することに取り組んでいます。人材育成理念は「人が競争力の源泉」であり、目指すべき人材像(SHIONOGI Way)は「他者を惹きつける強みを持ち、貪欲に知識とスキルを高めつつ、積極的に挑戦しやり遂げる人」と定めています。
事業の成長と社会の持続可能性の両立を目指し、SHIONOGI Group Visionの中でSDGs達成への貢献を謳い、多様なステークホルダーとの連携強化に注力しています。従業員エンゲージメントの向上を重視し、スーパーフレックスタイム制や在宅勤務、選択週休制度(週休3日)、兼業・副業の許可、自己啓発支援制度など、多様な働き方を支援する環境整備を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、重要課題(マテリアリティ)として「感染症の脅威からの解放」と「健やかで豊かな人生への貢献」を掲げています。感染症領域では、トータルケアの実現と薬剤耐性(AMR)への対応を重点テーマとしています。
また、QOL(Quality of Life)疾患にフォーカスし、精神・神経疾患や睡眠障害、認知症など、社会的影響度の高い領域での貢献を目指しています。HaaS(Healthcare as a Service)企業への変革を推進し、デジタル治療用アプリやAIプログラム医療機器の開発などを通じて、患者さまのニーズに応えるソリューションプラットフォームの提供を進めています。
さらに、「環境への配慮」と「成長を支える人材の確保」も重要な取り組みとしています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
塩野義製薬は、事業のグローバル化と規模拡大を見据え、統治体制を進化させています。取締役会における代表取締役への監督機能を強化し、意思決定の迅速化を図る体制を整えています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、信託銀行が上位を占めており、機関投資家による安定的な保有がうかがえます。また、生命保険会社も上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 18.31% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 7.81% |
| 住友生命保険相互会社 | 6.48% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性8名・女性3名)で構成され、女性役員比率は27.3%です。代表取締役会長兼社長 CEOは手代木功氏が務めています。社外取締役比率は63.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 手代木 功 | 代表取締役会長兼社長 CEO | 1982年4月 同社入社、2008年4月 同社代表取締役社長、2022年7月 同社代表取締役会長兼社長 CEOより現職。 |
| ジョン ケラー | 取締役 | 2010年7月 Shionogi Inc.入社 Executive Vice President, Corporate Development and Strategy、2013年4月 同社執行役員 兼 SI President and CEO、2025年6月 同社取締役 兼 上席執行役員 兼 R&D管掌より現職。 |
社外取締役は、安藤圭一氏(株式会社三井住友銀行代表取締役 兼 副頭取執行役員)、尾崎裕氏(大阪瓦斯代表取締役社長 兼 社長執行役員)、藤原崇起氏(阪神電気鉄道代表取締役社長)、廣瀬恭子氏(株式会社広瀬製作所代表取締役社長)、奥原主一氏(日本ベンチャーキャピタル代表取締役会長・監査等委員)、髙槻史氏(弁護士法人大江橋法律事務所パートナー・監査等委員)、後藤順子氏(有限責任監査法人トーマツ執行役 兼 Deloitte Touche Tohmatsu Limitedボードメンバー・監査等委員)です。
同社は2025年6月18日の定時株主総会において、監査等委員会設置会社へ移行しています。取締役11名のうち過半数である7名の社外取締役が選任されており、独立役員として透明性の高い経営に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役報酬は、基本報酬、業績連動報酬としての賞与、および譲渡制限付株式報酬で構成されています。監査等委員である取締役および社外取締役は基本報酬のみが支給されています。報酬制度は、業績を重視し、基本報酬、業績連動報酬等、非金銭報酬等がほぼ1対1対1となるよう設計されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 8.9億円 | 2.98億円 |
| 監査等委員(社外除く) | 2名 | 63百万円 | 31.5百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 18百万円 | 9.0百万円 |
| 社外役員 | 11名 | 1.6億円 | 14.1百万円 |
なお、同社は2025年6月18日開催の第160回定時株主総会終結の時をもって監査等委員会設置会社に移行しており、「監査役」の報酬等は当該移行前の期間に係るものであり、「取締役(監査等委員)」の報酬等は当該移行後の期間に係るものです。
個人別報酬が開示されている役員は、手代木功氏(3.02億円)、ジョン ケラー氏(5.77億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
💬キャリコネで会社の実態を確認する
決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。
ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。
企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。