0 編集部が注目した重点ポイント
① 営業収益の区分を6つに細分化
当第1四半期より、データ・システム領域の重要性を踏まえ、営業収益の内訳に「システム関連収益」を追加し、6区分へと管理体制を変更しました。次世代の市場インフラを支えるIT人材のキャリア機会が拡大する可能性があります。
② すべての収益項目で前年を上回る
日本株市場の活況を背景に現物売買代金が大きく伸び、すべての収益項目が増加しました。ROE(自己資本利益率)も23.1%を記録し、高い資本収益性を実現しながら強固な財務基盤を維持しています。
1 連結業績ハイライト
出典:中期経営計画2027アップデート・通期決算説明会 P.18
営業収益
1,987億円 +22.5%
営業利益
1,162億円 +29.0%
税引前利益
1,169億円 +29.5%
親会社の所有者に帰属する当期利益
791億円 +29.5%
2026年3月期の通期決算は、株券等の売買代金の増加による増収に加え、金利スワップ取引の担保管理収益等が清算関連収益の増加に大きく寄与し、営業収益・利益ともに大幅な成長を遂げました。
通期決算としての進捗は100%に達しており、極めて順調な着地となりました。「資本コストや株価を意識した経営」の浸透により、グロース市場を含む各市場区分での売買代金が軒並み上昇し、日本株市場の活性化が業績を底上げしています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:中期経営計画2027アップデート・通期決算説明会 P.19
取引関連収益
事業内容: 東京証券取引所や大阪取引所が担う、現物や金融デリバティブ等の取引に係る収益です。
業績推移: 株券等の一日平均売買代金の増加により、前年比+20.0%の増収となりました。
注目ポイント: 「資本コストや株価を意識した経営」の推進が市場全体に浸透し、日本株市場の新時代を切り拓く動きが加速しています。国内外の投資家の裾野を広げ、市場の持続的な成長を牽引するフロント人材の活躍が期待されます。
清算関連収益
事業内容: 株式会社日本証券クリアリング機構が提供する、金融商品債務引受業に関する清算手数料等です。
業績推移: 金利スワップ取引の担保管理収益等が牽引し、前年比+57.5%の大幅な増収となりました。
注目ポイント: 米国CFTCから米国人顧客の金利スワップ清算サービスの利用認可を取得するなど、OTC清算サービスのグローバルな利用拡大が進んでいます。国際的なリスク管理ニーズに応える高度な金融専門職の重要性が増しています。
上場関連収益
事業内容: 東京証券取引所における新規・追加上場料や、時価総額に応じた年間上場料から構成されます。
業績推移: 内国ETFの純資産残高増加や株価上昇を背景に、前年比+7.9%の増収となりました。
注目ポイント: 上場会社の企業価値向上を促進し、スタートアップ企業のIPO後成長を支援する環境整備が求められています。投資しやすい環境の醸成に向けたルールメイキングや企業との対話支援を担う人材が不可欠です。
情報関連収益
事業内容: JPX総研等が関わる情報ベンダーへの相場情報提供や、指数ライセンスビジネスです。
業績推移: 相場情報の利用拡大や指数ライセンス収入の増加により、前年比+5.5%の増収となりました。
注目ポイント: Snowflake等の外部プラットフォームを通じた配信や、AIを活用した「J-LENS」のリリースなど、データサービスの次世代化が急ピッチで進展しています。新たな付加価値を創出するデータサイエンティスト等の活躍機会が豊富です。
システム関連収益
事業内容: ネットワーク網「arrownet」やコロケーションサービス(※システムセンター内への機器設置)の利用料です。
業績推移: コロケーションサービスの利用増加が牽引し、前年比+4.3%の増収となりました。
注目ポイント: (注:当第1四半期より独立した収益区分として新設されました)デジタルイノベーション共創の基盤として、システムの安定稼働やサイバーセキュリティ対策の強化が最重要課題となっており、高度なITアーキテクトが求められています。
その他の営業収益
事業内容: 取引所業務に付随する各種システムの開発・運用に係る収入等が含まれます。
業績推移: 前年比+14.1%の増収となりました。
注目ポイント: 既存の枠組みにとらわれない柔軟なサービス展開を通じて、グループ全体の総合プラットフォーム化へ邁進するための重要なインフラ支援を担う領域です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:中期経営計画2027アップデート・通期決算説明会 P.10
来期(2026年度)の業績見通しについては、金利スワップ取引の担保管理に伴う収益増や各種ビジネスの拡大により営業収益は微増(+3.2%)を見込む一方で、次世代の市場インフラを切り拓く研究開発やシステム関連費用などの増加により、営業利益および当期利益は減少する見込みとしています。これは一過性のコスト増ではなく、AIを活用した次世代TDnetの開発や、業界横断的な共通データ基盤の構築など、未来を見据えた戦略的投資を推進する結果です。
採用市場においては、事業ポートフォリオの多様化と収益基盤の安定化に向け、データサービス等の次世代化を牽引するデジタル専門人材や、外部パートナーとの協業を推進する事業開発職の需要が継続して高い状態にあると言えます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機の作成ヒント
単なる取引所の枠を超え、「資産運用立国」の実現を強力にサポートする総合金融・情報プラットフォームへの進化を目指している点を盛り込むと説得力が増します。特に、「資本コストや株価を意識した経営」を推進し、日本株市場の新たな魅力を引き出す社会的な意義に共感していることは、強い志望動機となります。
面接での逆質問例
- AIを活用した開示情報検索サービス「J-LENS」などデジタルイノベーションを共創する動きが加速していますが、現場で外部パートナーと協業する際、中途採用者にはどのような牽引力が期待されていますか?
- データサービスの次世代化に向けてデータの付加価値向上が掲げられていますが、新たなアセットクラスや情報配信基盤の拡充において、入社後すぐに貢献できる領域はどこになりますか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
日本では唯一といえるポジションにある企業
日本では唯一といえるポジションにある企業であるため、この会社にいないとできない仕事が多いことはやりがいにつながると思います。
(30代後半男性・その他・正社員) [キャリコネの口コミを読む]基本的に休日出勤はありません
基本的に休日出勤はありませんが、システム部門では休日にテストを行う関係で定期的に出勤があります。ただし、振休はしっかりと取ることができます。
(30代後半男性・その他・正社員) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
- 中期経営計画2027アップデート・通期決算説明会 (2026年度アップデート)



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