0 編集部が注目した重点ポイント
①過去最高の売上収益と大幅な増益を達成
2026年3月期通期の売上収益は、海外主力製品の伸長等により5,158億円(前期比5.9%増)となり、過去最高を更新しました。経費効率化を背景にコア営業利益も1,371億円(前期比21.7%増)を記録し、コア指標導入後で最高益を達成するなど力強い業績推移を示しています。
②デサイフェラ社の連結化でグローバル事業を拡大
当期はデサイフェラ社の損益を12か月分取り込んだことにより、同社が販売する消化管間質腫瘍治療剤「キンロック」の売上が前期比50.6%増の384億円と大きく伸長しました。海外での販売体制強化に向けた構造的変化が着実な成果を生み出し、グローバル事業の拡大を牽引しています。
③次期も売上収益比約30%の研究開発投資を継続
2027年3月期は契約終了等の影響で減収減益を見込むものの、将来の成長を見据えて1,430億円水準の積極的な研究開発投資を継続します。がん、免疫・炎症、神経の重点領域において新たなグローバル第3相試験が開始されるなど、パイプラインの着実な進捗が確認されています。
1 連結業績ハイライト
出典:決算説明会資料_20260508.pdf P.6
売上収益
5,158億円 +5.9%
コア営業利益
1,371億円 +21.7%
親会社の所有者に帰属する当期利益
697億円 +39.4%
営業利益(IFRSベース)
922億円 +54.4%
※コア営業利益 = IFRS(国際財務報告基準)の営業利益から、無形資産に係る償却費や減損損失などの非経常的な要因を除外して算出した、経常的な収益力を示す指標。
2026年3月期通期の連結業績は、売上収益が5,158億円となり過去最高を更新しました。主力の抗悪性腫瘍剤「オプジーボ点滴静注」などが競争激化の影響を受けたものの、デサイフェラ社をはじめとする海外製品売上や「オプジーボ」等に係るロイヤルティ収入の増加が全体を牽引しています。
利益面でも、コア営業利益が前期比21.7%増の1,371億円と大幅な増益を達成しました。デサイフェラ社の費用を12か月分計上したことで研究開発費等が増加した一方で、売上増と経費効率化が大きく寄与しています。コア当期利益は事前の通期予想を上回って着地しており、通期業績は目標に対して順調な推移を示しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:決算説明会資料_20260508.pdf P.24
日本
事業内容:抗悪性腫瘍剤「オプジーボ点滴静注」や「フォシーガ錠」など、医療用医薬品の国内における研究開発から製造・販売までを展開しています。
業績推移:競争環境の激化や後発品の参入影響などにより、売上収益は2,870億円(-2.7%)となりました。
注目ポイント:国内売上は減少傾向にあるものの、「オプジーボ」の新規処方シェア維持や、変形性関節症治療剤「Gel-One」の開発などが進捗しています。国内市場における収益基盤の維持と新薬の確実な上市を担う専門人材が求められています。
注目職種:国内営業(MR)、臨床開発マネージャー、メディカルアフェアーズ
米国
事業内容:主にデサイフェラ社を通じた「キンロック」などの製品販売や、自社パイプラインのグローバルな研究開発・承認取得に向けた活動を牽引しています。
業績推移:デサイフェラ社の業績取り込み期間が12か月に拡大したこと等により、売上収益は1,970億円(+17.9%)と大きく伸長しました。
注目ポイント:希少疾患向け治療薬「ロンビムザ」が米国FDAで承認を取得し、市場浸透が進捗しています。今後も海外売上比率の拡大を目指す中で、北米市場での事業推進や臨床開発プロジェクトをマネジメントできる人材の重要性が高まっています。
注目職種:グローバル事業開発、海外マーケティング、研究開発(R&D)部門
欧州
事業内容:新たに欧州で承認を取得した腱滑膜巨細胞腫治療薬「ロンビムザ」の販売準備や、現地市場への浸透に向けた提携活動などを進めています。
業績推移:製品販売の本格化に伴い、売上収益は123億円(+64.2%)となり、地域別で最も高い成長率を記録しました。
注目ポイント:「ロンビムザ」の展開が本格化し、グローバル製品の市場参入に向けた体制構築が進められています。現地の医療制度や規制当局の要件に精通し、薬事・販売戦略をリードするスペシャリストが活躍できるフェーズです。
注目職種:海外薬事(レギュラトリーアフェアーズ)、マーケティング戦略企画
アジア
事業内容:韓国や台湾などの東アジア地域において、「オプジーボ」をはじめとした製品の適応拡大に向けた承認取得活動および販売を行っています。
業績推移:継続的な製品普及活動などにより、売上収益は177億円(+8.4%)と順調な推移を示しています。
注目ポイント:「オプジーボ」と「ヤーボイ」の併用療法に関する効能追加など、各地域での適応拡大が順調に進捗しています。アジア圏における持続的な収益基盤の強化に貢献できる、リージョナルな知見を持った人材が求められます。
注目職種:海外営業企画、リージョナルメディカルディレクター
その他地域
事業内容:上記以外の地域での事業展開や、海外バイオベンチャー企業等との提携によるアライアンス活動などが含まれます。
業績推移:売上収益は15億円(+118.7%)と小規模ながら高い伸びを示しました。
注目ポイント:カナダ企業との新たな創薬提携を開始するなど、グローバルなオープンイノベーションに向けた戦略投資が進行中です。最新のサイエンスを評価し、事業提携を推進できる高度な専門性が活きるフィールドです。
注目職種:ライセンス・アライアンス担当、オープンイノベーション推進担当
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:決算説明会資料_20260508.pdf P.27
2027年3月期の通期予想については、「フォシーガ錠」の共同販売契約終了による影響を主因として、売上収益は4,550億円(前期比11.8%減)、コア営業利益は1,240億円(前期比9.6%減)と、一時的な減収減益を見込んでいます。一方で、海外主力製品である「キンロック」や「ロンビムザ」の順調な処方拡大により、引き続き海外売上比率の拡大を目指す方針が示されています。
利益水準は低下する予想ですが、将来の成長を見据えて売上収益比で30%を超える約1,430億円の積極的な研究開発投資を継続します。がん、免疫・炎症、神経という重点領域において新たなグローバル第3相試験の開始などパイプラインの進捗が見込まれており、革新的な新薬創出に向けた研究職・臨床開発職や、グローバル展開を推進する事業開発人材の採用ニーズは、トランジショナルな期間であっても高い水準で維持されると考えられます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
小野薬品工業は「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、独創的かつ画期的な新薬創製を目指しています。面接では、オープンイノベーションを活用した最先端の新薬開発への共感や、グローバル事業の拡大に自らのスキルでいかに貢献できるかをアピールすることが重要です。特に、重点領域である「がん」「免疫・炎症」「神経」に関連するサイエンスの知見や、グローバルな開発・マーケティングの経験は高く評価されます。
面接での逆質問例
- デサイフェラ社の連結化により海外売上比率が拡大していますが、今後米国・欧州市場でのビジネス展開を牽引していくにあたり、私の〇〇という経験はどのように活かせるとお考えでしょうか?
- 将来の成長に向けた積極的な研究開発投資が継続されていますが、現在の契約終了等に伴うトランジショナルな期間において、中途採用者に最も期待される役割やミッションは何でしょうか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
マネージャーポジションに就くためにはある程度の評価を連続で取る必要がある
査定制度は設定されてはいるが、マネージャーポジションに就くためにはある程度の評価を連続で取る必要がある。そのため、若手社員が良い成績を残したとしても、マネージャーポジションに推薦するために中間層の評価を良くつけてあげたいという図らいがあり、若手のうちは正当な評価を受けることができないこともある。
(30代前半女性・MR・正社員) [キャリコネの口コミを読む]MRとして経歴がない中途社員についても、前職の年収が保証されている
もともと新卒のみ採用であったが、中途採用も行うようになった。MRとして経歴がない中途社員についても、前職の年収が保証されているため、長年働いてきた新卒社員よりもポジション名、年収が上にいくこともザラ。
(30代前半女性・MR・正社員) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信
- 2026年3月期 決算説明会資料



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