小野薬品工業の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

小野薬品工業の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

小野薬品工業の2026年3月期2Q決算は、デサイフェラ社買収による海外製品の急成長で売上高7.0%増と好調。てんかん領域への国内参入や米欧自社販売網の確立など、グローバル製薬企業への転換が進む同社で転職希望者が担える役割を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

海外事業を加速しデサイフェラ社との統合を推進する

米国のデサイフェラ社の買収完了により、当第2四半期より6か月間の業績取り込みが開始されました。主力製品「キンロック」の売上は前年同期比100億円増加の181億円と急成長しており、欧州での新薬承認も相次いでいます。グローバルな開発・販売拠点の拡大に伴い、海外事業企画やPMI(買収後統合)を担う人材にとって絶好のキャリア機会が到来しています。

スペシャリティ領域の新薬パイプラインを強化する

てんかん治療薬「セノバメート」の国内承認申請を完了したほか、多系統萎縮症やIgA腎症など、未充足の医療ニーズが高い領域での開発が順調に進展しています。自社創薬とライセンス導入の両輪で臨床開発段階の24品目を擁しており、特定の疾患領域で深い専門性を発揮したいメディカル・開発職種の採用ニーズが非常に高まっています。

収益構造を多角化しフォシーガの成長でカバーする

国内「オプジーボ」が競争激化で微減となる中、糖尿病・慢性腎臓病治療薬「フォシーガ」が前年同期比11.6%増の488億円と大きく伸長し、全体の収益を支えています。癌以外の重点領域でも存在感を高めており、特定のプロダクトに依存しない強固な営業体制の構築や、デジタルを活用したマーケティング戦略を推進できる多才な人材が求められています。

1 連結業績ハイライト

M&A効果と海外製品の伸長により、コアベースで増収増益を達成。通期目標に対しても非常に高い進捗率を維持しています。
売上収益の内訳推移

出典:2026年3月期 第2四半期決算説明会資料 P.8

売上収益

2,571億円

+7.0%

コア営業利益

701億円

+7.2%

コア中間利益

538億円

+5.5%

2026年3月期第2四半期累計の売上収益は2,571億円(前年同期比7.0%増)となりました。デサイフェラ社の連結貢献に加え、海外ロイヤルティ収入が堅調に推移したことが増収の主要因です。営業利益(コアベース)は701億円(同7.2%増)と、研究開発費やデサイフェラ社買収に伴う販管費の増加を上回る売上成長によって増益を確保しました。

通期業績予想に対する進捗率は、売上収益で52.5%、コア営業利益にいたっては61.5%と極めて順調な推移を見せています。下期に「フォシーガ」の後発品参入による影響を見込んでいるものの、それを補うだけの稼ぐ力が海外事業を中心に備わってきており、業績の確度は高いと言えます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

医薬品事業の単一セグメントながら、製品ラインナップと地域別の成長戦略により、活躍できるフィールドは多角化しています。
コア営業利益の増減分析

出典:2026年3月期 第2四半期決算説明会資料 P.12

国内製品売上:癌から慢性疾患まで

事業内容:「オプジーボ」等の癌領域、および「フォシーガ」等の循環器・代謝領域の国内販売。

業績推移:オプジーボは競合激化で585億円(-6.5%)となるも、フォシーガが488億円(+11.6%)と躍進。

注目ポイント:癌領域のシェア堅持に加え、フォシーガの慢性腎臓病・慢性心不全での使用拡大など、専門性の高い情報提供が成果を上げています。プライマリーからスペシャリティまで幅広いMR経験や、エビデンスに基づいたマーケティングスキルが活かせる環境です。

注目職種:スペシャリティMR、循環器・腎領域メディカルサイエンスリエゾン(MSL)、プロダクトマネジャー

海外製品売上:デサイフェラ社とのシナジー

事業内容:Deciphera社買収による米国・欧州での自社販売、および主力薬「キンロック」の展開。

業績推移:キンロック売上が181億円(前年同期比+123.3%)と爆発的な成長を記録。

注目ポイント:買収により米欧での自社販売体制を手に入れたことで、グローバル製薬企業への転換を急いでいます。海外子会社のガバナンスや、グローバルなサプライチェーン管理の専門人材にとって、活躍の舞台は一気に世界へ広がっています。

注目職種:海外事業開発(BD)、グローバルマーケティング、グローバルSCM企画

ロイヤルティ・その他:戦略的安定収益

事業内容:BMS社等からの「オプジーボ」および「キイトルーダ」等の知財・ライセンス収入。

業績推移:822億円(+6.7%)を計上。キイトルーダ関連も138億円(+7.5%)と堅調。

注目ポイント:莫大なロイヤルティ収入が、次世代の創薬に向けた積極的な研究開発投資を可能にしています。オープンイノベーションを通じた新規ライセンス導入を主導する、目利きの力を持ったプロフェッショナルが戦略の鍵を握っています。

注目職種:ライセンス・知的財産、アライアンスマネジャー、研究戦略企画

3 今後の見通しと採用の注目点

主力製品の特許切れや競争激化を乗り越え、海外成長とスペシャリティ領域の確立による「第二の成長期」を目指します。
開発パイプラインの進捗状況

出典:2026年3月期 決算補足資料 P.7

通期の業績予想は、売上収益4,900億円、コア営業利益1,140億円と、前回発表を据え置いています。今後のリスクとして、2025年12月以降に予定されている「フォシーガ」の後発品参入による売上減少が挙げられますが、キンロック等の海外製品の拡大がこれを吸収する見込みです。

特筆すべきは、研究開発投資の継続性です。デサイフェラ社買収により、従来より多い年間1,500億円規模の研究開発費を投入。特に「セノバメート」の国内上市や、膵がん・大腸がんを対象とした「ONO-7913」等の開発進展が、今後の企業価値向上の鍵となります。質疑応答でも言及された通り、グローバルでの臨床試験体制の最適化を急いでおり、国際共同治験をリードできる経験豊富な臨床開発職の重要性がこれまで以上に高まっています。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

「グローバル製薬企業への転換期」に立ち会えることが最大の魅力です。国内の安定収益を背景に、デサイフェラ社の統合や新規領域(てんかん・自己免疫疾患等)の開拓というチャレンジングな課題があります。特に「海外事業への貢献」や「スペシャリティ領域での専門性発揮」をキーワードに、自身のスキルが小野薬品のポートフォリオ変革にどう寄与できるかを明確に伝えることが評価に直結します。

Q&A

面接での逆質問例

「デサイフェラ社の米欧自社販売網を活用し、今後日本発の新薬をどのようにグローバル展開していく計画ですか?」
「フォシーガの後発品参入を見据えた国内営業体制の再構築において、中途採用者に最も期待される役割は何ですか?」
「てんかん領域などのスペシャリティ市場において、オプジーボで培った癌領域の知見をどのようにシナジーとして活かしていきますか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
"

新薬上市経験を多く積める

新薬が次々と出るメーカー。新薬上市経験を多く積めるのでMRとしてとても恵まれた環境だったと思う。幅広い領域の薬剤を有してる点でもやりがいを感じていた。ここまでなんでもやらせてもらえるメーカーはそう多く無いのでは?

(20代前半・MR・女性) [キャリコネの口コミを読む]
"

自宅に持ち帰ってサービス残業してしまう

ただし、最近はリモート業務も増えて、ONとOFFの切り替えがうまくいっていないことが自分も含めてあると感じています。新薬開発なので、できるだけ早く(スケジュール優先)の側面があるので、自宅に持ち帰って、サービス残業してしまう、ことも多々あり。

(30代後半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 小野薬品工業株式会社 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信
  • 小野薬品工業株式会社 2026年3月期 第2四半期決算説明会資料
  • 小野薬品工業株式会社 2026年3月期 決算補足資料

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。

wiget_w300
wiget_w300