0編集部が注目した重点ポイント
① 車載向け堅調で売上高1,000億円超を達成する
主力の車載向けプリント配線板事業において、日系主要顧客向けの販売が順調に推移しました。欧州でのEV需要停滞といった外部要因はあったものの、全社売上高は前年同期比4.9%増の1,002億2百万円に到達し、1,000億円の大台を突破する好調な着地となりました。
② タイ新工場の稼働準備で生産能力を強化する
グローバルでの生産体制再構築に向け、タイ新工場の本格立ち上げ準備と生産最適化を推進しています。新工場の準備費用や生産システムの初期課題等の影響で東南アジアは一時的に営業赤字となったものの、将来の車載基板需要拡大を支える成長投資を着実に進行させています。
③ 有価証券売却益で当期純利益6.2%増を確保する
新工場の先行投資に伴い営業利益は前年同期比26.8%減益の27億88百万円に留まりましたが、資産効率化を狙い投資有価証券売却益18億91百万円を特別利益に計上しました。これにより親会社株主に帰属する当期純利益は40億26百万円(前年同期比6.2%増)と増益を確保しました。
1連結業績ハイライト
出典:日本シイエムケイ 2026年3月期 決算説明会資料 P.2
売上高
100,202百万円
前年同期比 +4.9%
営業利益
2,788百万円
前年同期比 -26.8%
経常利益
4,136百万円
前年同期比 -25.2%
当期純利益
4,026百万円
前年同期比 +6.2%
2026年3月期の通期連結売上高は、日系主要顧客向けの車載基板販売が順調に伸びたことで1,002億2百万円(前期比4.9%増)と1,000億円の大台を突破しました。一方、営業利益はタイ新工場の本格立ち上げ準備費用や生産システムの調整、品質管理体制強化等により27億88百万円(26.8%減)に留まりました。ただし、下期にかけて高付加価値製品の構成比向上や諸改善施策が寄与し、第4四半期単体では採算性が大きく回復する兆しを見せています。
当期の通期業績は、タイ新拠点への投資といった成長に向けた過渡期における費用増を含みつつも、特別利益としての投資有価証券売却益も寄与して最終純利益では増益を確保しており、中長期的な競争力強化へ向けた基盤づくりが順調に進行しています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:日本シイエムケイ 2026年3月期 決算説明会資料 P.3
日本
【事業内容】
日本国内において、自動車メーカーや車載部品メーカー向けのプリント配線板の製造・販売を一体となって手掛けています。
【業績推移】
売上高は616億70百万円(前年同期比8.5%増)、セグメント利益は25億91百万円(前年同期比17.1%増)となりました。
【注目ポイント】
国内自動車販売の回復を受け車載向け販売が好調に拡大しました。上期は為替やプロダクトミックスで苦戦したものの、下期には高付加価値製品の比率拡大と為替の円安推移が寄与し大幅な増益を達成。複雑化する電子制御系基板の製造・品質保証を担う技術人材が強く必要とされています。
中国
【事業内容】
現地生産拠点を軸に、中国国内およびグローバル自動車関連企業向けのプリント配線板を製造・供給しています。
【業績推移】
売上高は172億17百万円(前年同期比8.4%減)、セグメント利益は27億92百万円(前年同期比77.3%増)となりました。
【注目ポイント】
EV需要減少に伴う欧州向け出荷減で減収となったものの、前年に実施した生産設備の大判化や現地2工場の経営一体化に伴う生産性向上効果が結実しました。効率化によりセグメント利益が77.3%増と劇的な収益性改善を示しており、オペレーション改革を推進できる管理職人材にチャンスがあります。
東南アジア
【事業内容】
タイの主力拠点等を中心に、日系自動車顧客や家電メーカー向けにプリント配線板の製造・販売を展開しています。
【業績推移】
売上高は173億96百万円(前年同期比11.6%増)、セグメント損益は14億76百万円の損失(前年同期は8億67百万円の利益)となりました。
【注目ポイント】
日系顧客向け車載基板が絶好調で2桁増収となったものの、タイ新工場の本格立ち上げ準備費用や品質管理体制強化に伴う費用増加により赤字に転落しました。新工場の早期立ち上げと最適生産プロセスの確立をリードするグローバル製造人材の需要が急増しています。
欧米
【事業内容】
欧州・米国の自動車市場を中心とする現地顧客に対するプリント配線板の営業・製品サポート業務を指揮しています。
【業績推移】
売上高は39億18百万円(前年同期比8.7%減)、セグメント利益は2億98百万円(前年同期比25.5%増)となりました。
【注目ポイント】
欧州における自動車販売台数の縮小を受けて減収となったものの、物流費の抑制をはじめとするコスト構造の見直しが寄与し25.5%の利益成長を確保しました。厳しい環境下でも着実に利益を生み出すグローバル営業やSCM管理能力が重視されています。
3今後の見通しと採用の注目点
出典:日本シイエムケイ 2026年3月期 決算説明会資料 P.4
2027年3月期の連結業績予想において、日本シイエムケイは売上高1,040億円(前期比3.8%増)、営業利益32億円(前期比14.8%増)を見込んでいます。稼働を開始したタイ新工場の減価償却負担が一時的な利益圧迫要因となるものの、順調な車載需要を確実に取り込みつつ、高付加価値基板や新事業領域への拡販を強力に推し進めることで営業利益の2桁増益を見込んでいます。
地政学リスクや為替変動、EVからPHVへの需要変化といった不透明な事業環境の中で、グローバルでの生産最適化と品質保証体制の高度化が最重要課題となっています。海外拠点の立ち上げ実務や高度な電子基板開発を主轄できるエンジニア・管理職層にとって、自身の経験を発揮できる好機が広がっています。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
日本シイエムケイは車載用プリント配線板で高い世界シェアを保持しており、主要顧客であるデンソー向けに年間351億円の売上高を記録するなど強固な取引基盤を擁しています。現在同社はタイ新工場の本格稼働をはじめとするグローバル生産体制の最適化や製造プロセスの高付加価値化を進めています。「これまでに培った技術開発力や海外拠点での生産改善ノウハウを投入し、次世代車載制御基板のグローバル供給と品質向上に貢献したい」というアプローチは非常に強力なアピールとなります。
面接での逆質問例
・「タイ新工場の本格稼働に伴いグローバルでの生産最適化が加速していますが、立ち上げ期の品質安定化や生産効率化に向けて、中途採用者に求められる具体的なミッションや役割についてお教えいただけますでしょうか?」
・「車載市場でのEVからPHV等への構造変化に対応する中で、貴社が注力している高付加価値なプリント配線板技術の開発や新事業領域への拡販に向けた推進体制について伺えますか?」
5転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
自分のたずさわった電子基板が身近な商品に使われているところもよい
新規事業の立ち上げ、工場量産の最適化などを行った際にはやりがいを感じる。海外との取引も多いようで、人によっては海外への出張の機会もえられて良いと思う。自分のたずさわった電子基板が身近な商品に使われているところもよいところである。例えば自動車などなど。社員同士の中もよく仕事は楽しい。
(20代前半男性・研究開発・派遣社員) [キャリコネの口コミを読む]少しでも良い人材が育てば存続していくと思います
企業として存続してもらうためには、給与が高い人たちが身を引くことが、必要だと感じた。この業種に限らず、利益を上げられないことだけがクローズアップされているが、今無くなってしまっても良い業種というわけでもないので、どう寄与すれば存続できるかを考えた結果、退職を選択した。現在の状況だけを見れば、良い会社とは、言えないが可能性が無いとも思えない。少しでも良い人材が育てば存続していくと思います。
(50代後半男性・その他・正社員) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 日本シイエムケイ 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 日本シイエムケイ 2026年3月期 決算説明会資料



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