0編集部が注目した重点ポイント
①過去最高の営業利益と経常利益を更新し着地
2026年3月期通期は、社会インフラ向けの特別高圧受変電設備プラント物件の増加や値上げの効果が大きく寄与し、営業利益および経常利益が過去最高を更新しました。
②賃貸不動産の売却による資本効率の改善を決定
事業シナジーの低い賃貸不動産の売却を決定しました。売却に伴う約107億円の特別利益(2027年3月期・2028年3月期)は、工場DX化や次世代製品の研究開発など、中核事業と成長領域への投資に充当されます。
③生産能力増強へ向けた小山事業所の再構築を策定
データセンター新設などによる旺盛な電力需要に応えるため、特別高圧受変電機器の生産能力を約1.5倍に高める小山事業所の再構築構想を策定しました。2030年代初頭の稼働を見据え、工場DX化を推進しています。
1連結業績ハイライト
2026年3月期通期決算は、電力インフラ需要を的確に捉え、計画を上回る大幅な増収増益を達成しました。
出典:東光高岳 決算説明会資料 2026年3月期 P.5
売上高
112,093百万円
前年同期比: +5.1%
営業利益
9,763百万円
前年同期比: +60.2%
経常利益
10,084百万円
前年同期比: +60.0%
純利益
6,602百万円
前年同期比: +72.7%
2026年3月期通期は、売上高が112,093百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益が9,763百万円(同60.2%増)となり、営業利益と経常利益で統合以降の過去最高の業績を達成しました。特に電力機器事業における特別高圧受変電設備プラント物件の売上増加や値増しが、全社の業績を大きく牽引しています。
通期予想に対する進捗評価としては、期末時点の売上高・各段階利益ともに前回公表予想を上回って着地しており、計画を上回る「順調」な推移となりました。さらに、業績の好調を背景に、将来のキャッシュ創出力を見据え、配当性向を40%へ引き上げるなど株主還元も積極的に強化しています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
全ての事業セグメントにおいて、次世代エネルギー社会に向けた投資と体制強化が進んでいます。
出典:東光高岳 決算説明会資料 2026年3月期 P.6
電力機器事業
事業内容:電力インフラを支える特別高圧受変電設備プラント、配電機器等の製造・販売および据付工事を提供しています。
業績推移:売上高63,864百万円(前年比6.7%増)、セグメント利益9,595百万円(同54.5%増)と大幅な増収増益を達成しました。
注目ポイント:データセンターの新設や老朽化した電力設備の更新により、特別高圧受変電機器の需要が高水準で継続しています。これに対応するため、生産能力を約1.5倍に高める小山事業所の新工場建設など、積極的な設備投資と工場DX化を推進しており、エンジニアの活躍の場が大きく広がっています。
計量事業
事業内容:スマートメーター、取引用変成器の製造や、計量工事などの関連サービスを展開しています。
業績推移:売上高は33,212百万円(前年比0.1%減)と横ばいながら、研究開発費の減少等によりセグメント利益4,591百万円(同4.9%増)と安定した増益を確保しました。
注目ポイント:第2世代スマートメーターの導入に伴い、東光東芝メーターシステムズで自動化率100%の製造ラインを構築しました。さらに最終組立を担う「SMAC」が国内最大規模で稼働を開始し、サプライチェーンの全体最適化や物流・在庫管理の高度化に関わる専門人材の重要性が高まっています。
GXソリューション事業
事業内容:電気自動車用急速充電器(SERAブランド)、エネルギーマネジメントシステム(EMS)、PPP/PFI事業等を行っています。
業績推移:PPP/PFI事業の増収により売上高12,370百万円(前年比17.2%増)を記録し、セグメント利益493百万円と黒字転換を達成しました。
注目ポイント:次世代超急速充電器「SERA-400」の開発や、再エネの地産地消に貢献するエネルギーマネジメントサービス(EMS)の標準化を推進しています。カーボンニュートラル実現という社会課題の解決に直結する領域であり、新規事業開発やソリューション提案に強い人材が求められています。
光応用検査機器事業
事業内容:半導体業界などに向けた三次元検査装置等の最先端検査機器の開発・製造・販売を展開しています。
業績推移:半導体業界の投資抑制の影響で売上高1,666百万円(前年比15.8%減)、セグメント利益97百万円(同59.0%減)と減収減益となりました。
注目ポイント:足元は苦戦したものの、生成AIの普及に伴い、今後は最先端半導体のバンプ検査やインターポーザ向け検査装置の需要拡大が見込まれています。V字成長を見据え、既存顧客への密着営業と次世代検査装置の研究開発を推進できる技術者の確保が急務です。
その他の事業
事業内容:東光高岳グループが保有する不動産の賃貸管理などを行っています。
業績推移:売上高979百万円(前年比0.1%増)、セグメント利益622百万円(同1.7%減)と安定的な業績を維持しました。
注目ポイント:全社的な資本効率の改善を図るため、事業シナジーが限定的な賃貸不動産の売却を決定しました。これにより創出される約107億円の資金は成長領域へ投資される予定であり、同社のダイナミックな事業構造改革を象徴する動きとなっています。
3今後の見通しと採用の注目点
「SERAカンパニー」への進化を掲げ、ソリューション型の事業展開と積極的な成長投資を加速させています。
出典:東光高岳 決算説明会資料 2026年3月期 P.35
東光高岳は、新経営理念のビジョンとして「SERAカンパニー」を掲げ、単なるモノ売りから、システム一式を提供するエンジニアリングや運用・保守を含めたワンストップソリューションへの転換を推進しています。特にデータセンター市場などの成長領域において、同社の受変電設備とデジタル技術(IoT・AI)を組み合わせた高度なエネルギー管理が求められており、ハードウェアとソフトウェアの両面でイノベーションを創出できる人材の価値が高まっています。
また、資本効率の改善に向けて保有する賃貸不動産の売却を決定しており、これにより得た約107億円の特別利益を、工場DXや生産能力の増強、次世代製品のR&Dといった成長投資へ積極的に充当する方針です。さらに、従業員に向けた新制度の導入や人的資本投資の拡充にも注力しており、「共創と挑戦」を後押しする組織文化の醸成が進んでいます。安定した事業基盤の上で、エネルギーネットワークの未来を形作る大規模な変革に挑戦したい求職者にとって、現在の同社は非常に魅力的なフィールドと言えます。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
東光高岳が掲げる「SQCファースト(安全・品質・コンプライアンス最優先)」の組織文化への共感や、「SERAカンパニー」としての未来のエネルギーネットワーク構築に対する熱意を伝えることが重要です。前職での生産性向上(DX化)や新規事業立ち上げの経験があれば、同社が進める事業構造改革と強くリンクするため、大きなアピール材料となります。
面接での逆質問例
- 「現在推進されている小山事業所の再構築や工場DX化において、私の○○の経験はどのフェーズで最も貢献できるとお考えでしょうか?」
- 「GXソリューション事業におけるエネルギーマネジメントサービス(EMS)の標準化に向けて、現場では現在どのような技術的課題に直面されていますか?」
5転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
業務に負荷がかかることがないようだった
育休後に時短勤務される方については、しっかり配慮がなされていて、業務に負荷がかかることがないようだった。
(50代前半女性・通訳・翻訳・派遣社員) [キャリコネの口コミを読む]非常にやりがいのある仕事だと感じております
私は変電所の設計等の業務を行っています。個人で任される仕事の範囲が非常に広いため、自分が設計した実感が湧きやすく非常にやりがいのある仕事だと感じております。ただ逆に個人の任せられる範囲が広いために非常に忙しくなってしまう時期もあるので、そこ一長一短だと思います。
(20代前半男性・建築設計・契約社員) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 東光高岳 決算説明会資料(2026年3月期)
- 東光高岳 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年3月期)



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