0編集部が注目した重点ポイント
① 営業利益初の400億円超えで過去最高益を更新する
2026年3月期の連結業績は、売上高9,312億65百万円(前期比+5.1%)、営業利益404億30百万円(前期比+27.2%)となり、売上高および各段階利益で過去最高益を更新しました。営業利益は悲願であった初の400億円台に到達しています。水産事業における漁撈・養殖や北米加工の改善、食品事業でのチルド領域の好調が力強い成長を支えています。
② チリの養殖会社PY社を買収しサーモン事業基盤を強化する
2026年1月に子会社を通じてチリのPESQUERA YADRAN S.A.(PY社)およびその子会社6社の株式を100%取得し、完全子会社化(新規連結)を完了しました。アトランティックサーモンを手掛けるPY社が加わることで、既存のトラウト・ギンザケと合わせて3魚種を網羅する体制が確立され、南米養殖サーモンの水揚げ規模を将来的に8万トン強へ拡大する基盤が整いました。
③ 北九州新工場など総額数百億円規模の成長投資を推進する
中長期の成長に向け、国内食品事業では総額約350億円を投入する北九州新工場の建設を開始し、生産集約やAI・自動化による効率化を進めています。さらに欧米での食品工場増設や物流センターの建て替えなど大規模な成長投資を実行しており、次世代のサプライチェーン構築を主導する専門人材の採用ニーズが高まっています。
1連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.4
売上高
9,312億円
前期比:+5.1%
営業利益
404億円
前期比:+27.2%
経常利益
431億円
前期比:+22.3%
親会社株主帰属当期純利益
275億円
前期比:+8.4%
2026年3月期の連結業績は、売上高が9,312億65百万円(前期比+5.1%)、営業利益が404億30百万円(前期比+27.2%)を記録し、すべての損益項目で過去最高益を達成しました。水産事業での国内漁獲好調や南米養殖のコスト低減、北米加工でのフィレ生産比率向上による赤字削減に加え、食品事業でのコンビニエンスストア向けチルド惣菜の好調が収益を大きく押し上げました。
期期中に開示した公表計画(売上高9,280億円、営業利益380億円)に対してもそれぞれ100.4%、106.4%と計画を上回る着地となっており、通期業績の進捗状況としては非常に順調な業績推移を示しています。年間配当金も1株あたり32円に増配し、安定した財務基盤のもとで持続的な成長に向けた設備投資を加速させています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.7
水産事業
事業内容:漁撈(漁業)、養殖(国内・南米)、加工・商事事業を展開し、グローバルに水産資源の調達と供給を担います。
業績推移:売上高は3,801億51百万円(前期比+4.4%)、営業利益は177億70百万円(前期比+111.1%)と大幅な増益を達成しました。
注目ポイント:国内でのブリ・アジ等の漁獲好調に加え、南米養殖でのコスト低減、チリのPY社買収による生産規模拡大など大規模な構造改革が進んでいます。国内養殖では「ニッスイサーモン」ブランドの統一や大型生簀の導入を進めており、海外事業管理や水産物トレーディング、養殖技術開発の専門スキルを持つ人材が期待されています。
食品事業
事業内容:家庭用・業務用冷凍食品、練り製品等の加工事業、およびコンビニ向け惣菜などのチルド事業を営みます。
業績推移:売上高は5,009億85百万円(前期比+6.4%)、営業利益は296億32百万円(前期比+3.2%)と売上5,000億円の大台を突破しました。
注目ポイント:チルド事業の好調や家庭用練り製品の順調な販売が原料高の影響を吸収しました。国内では約350億円を投じる北九州新工場の建設を推進しAI活用による生産最適化を図るほか、欧米での工場増設も進行中です。生産技術や商品企画、海外マーケティング分野でのキャリア機会が広がっています。(実務統括:九州ニッスイ等)
ファイン事業
事業内容:医薬品原料(EPA・DHA等)、機能性原料、健康食品(機能性表示食品等)の生産・販売を行います。
業績推移:売上高は169億82百万円(前期比+7.2%)、営業利益は8億39百万円(前期比▲5.9%)の増収微減益となりました。
注目ポイント:国内での医薬品原料販売やサプリメント向け原料販売が堅調に推移しました。持田製薬とのエパデールAG発売や欧米・アジア市場への医薬品原料供給拡大を見込んでおり、工場稼働率向上と高付加価値化に向け、品質保証やグローバルな薬事・営業体制を強化する人材が必要とされています。
物流事業
事業内容:冷食・水産物の流通を支える冷蔵倉庫事業、配送事業、通関事業を一角として手掛けます。
業績推移:売上高は166億15百万円(前期比+0.5%)、営業利益は24億10百万円(前期比▲15.1%)と人件費高騰等で減益となりました。
注目ポイント:「物流の2024年問題」に対応したドライバー採用増や人件費・燃料費の上昇が利益を圧迫したものの、新物流センターの建て替え投資を進めています。庫腹の増強と同時に物流効率化や自動化、サービス高度化を進めるデジタル物流・拠管理のプロフェッショナルが求められています。
3今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.20
2027年3月期の通期連結業績予想として、ニッスイは売上高9,800億円(前期比+5.2%)、営業利益425億円(前期比+5.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益290億円(前期比+5.4%)を掲げ、増収増益の計画を公表しています。新規連結したチリのPY社による南米養殖事業の収益改善や、北米加工での赤字削減、ファイン事業での医薬品原料販売拡大により、国内新工場の初期費用負担をカバーする構造を描いています。
成長投資の優先に伴い有利子負債が増加傾向にあるものの、中期経営計画「GOOD FOODS Recipe 2」に掲げる海外所在地売上高比率43.0%以上の達成に向け、グローバル展開を加速させています。海外事業のPMI(買収後の統合プロセス)や新工場のテクノロジー導入など、変革期を迎える老舗食品・水産メーカーにおいて、即戦力となる中途採用人材の果たす役割はより一層大きくなっています。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント:
ニッスイは長期ビジョン「GOOD FOODS 2030」のもと、単なる水産加工会社から「水産・食品・ファイン・物流」が融合した総合食品リーディングカンパニーへの進化を図っています。特に「PESQUERA YADRAN S.A.買収によるサーモン事業の拡大」や「北九州新工場など約350億円規模の生産基盤投資」といった攻めの戦略が加速しています。志望動機では「グローバルバリューチェーンの構築」や「生産自動化・DX推進」といった事業課題に対して、自身の専門スキルをどう活かして貢献できるかを具現化して伝えることが重要です。
面接での逆質問例:
「チリのPESQUERA YADRAN S.A.完全子会社化により南米養殖体制が大幅に拡張されますが、既存のSALMONES ANTARTICA S.A.とのPMIやシナジー創出において中途採用人材にどのような役割が期待されているでしょうか?」
「北九州新工場の建設を筆頭に国内食品拠点の集約やAI・自動化が進められていますが、次世代型工場の立ち上げや生産DXをリードする職種において重視される適性について教えてください。」
5転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 決算説明会資料



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