0 編集部が注目した重点ポイント
①半導体関連へ注力し、不採算4製品群から撤退し収益改善
ニッタは、半導体関連市場を成長ドライバーと位置づけ、全社を挙げて高付加価値製品の展開を強化しています。同時に、化工品事業においては14製品群中4製品群からの撤退を決断し、鉄道車両部品などの安定領域へ経営資源を集中させる「選択と集中」を実施しました。これにより、グループ全体の持続的な収益力改善を推進しています。
②Namd技術を応用し、次世代航空エンジン材料へ新規参入
スポーツ用品事業で実績を築いたナノ分散カーボンナノチューブを均一複合化する技術「Namd™」を、新たに航空・宇宙ビジネスへと展開しています。次世代航空エンジン用材料であるCMC(セラミックス基複合材料)への適用を進めることで、既存の枠を超えたイノベーションの創出と中長期的な成長機会の獲得に挑んでいます。
1 連結業績ハイライト
出典:決算説明資料 P.3
売上高
918億3400万円
前期比 +1.7%
営業利益
58億6200万円
前期比 +13.7%
経常利益
148億1000万円
前期比 +1.4%
当期純利益
135億2900万円
前期比 +11.5%
2026年3月期通期の連結業績は、売上高が918億3400万円(前期比+1.7%)、営業利益が58億6200万円(前期比+13.7%)となり、売上・利益ともに過去最高を達成しました。国内および北米における物流業界向けのベルト製品や、自動車業界向け製品が業績を牽引しています。
期末にかけては半導体製造装置向けの需要が回復傾向を示し、高付加価値製品の販売が拡大しました。また、人件費や運賃の上昇といったコスト増加要因に対して、販売価格への転嫁が順調に進捗したことも大幅な増益に寄与しており、通期予想に対しても非常に堅調な着地となりました。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:決算説明資料 P.7
ベルト・ゴム製品事業
事業内容:物流業界向けのベルト製品や、電子部品向けの感温性粘着テープ等の製造・販売を行っています。
業績推移:売上高は305億9700万円(前期比+3.1%)、セグメント利益は34億6700万円(前期比-0.2%)と堅調に推移しました。
注目ポイント:国内および北米における物流業界向けのベルト製品需要が安定して成長しています。さらに、電子部品製造工程の消耗品であるインテリマーテープ(感温性粘着テープ)の販売促進を図っており、高付加価値な半導体関連領域での専門的な営業や技術開発人材の活躍が期待されます。
ホース・チューブ製品事業
事業内容:自動車業界向けの樹脂ホース・チューブ製品やメカトロ製品、半導体製造装置向けのクリーンチューブ等の製造・販売を行っています。
業績推移:売上高は329億8300万円(前期比+4.7%)、セグメント利益は10億7300万円(前期比+627.6%)と大幅な増益を記録しました。
注目ポイント:原材料価格上昇の価格転嫁が進捗し、利益率が劇的に改善しました。また、中国の製造拠点再編(常州工場への集約)により低コスト化と収益性改善を実現しています。中国ローカル企業への販路拡大や、データセンター向け冷却製品の展開など、グローバルな事業戦略を推進できる人材が求められます。
化工品事業
事業内容:鉄道向けゴム製品や、産業資材、建設資材、防水資材製品等の製造・販売を担っています。
業績推移:売上高は116億8100万円(前期比-10.3%)、セグメント利益は9億2900万円(前期比-8.5%)となりました。
注目ポイント:遮水製品等の低調により減収となりましたが、現在は不採算事業からの撤退と鉄道車両部品への資源集中という構造改革の真っ只中にあります。事業を2つのグループに再編し、M&Aも意識した強固な基盤構築を目指しており、事業再生や戦略立案に強みを持つ人材にとって非常に挑戦しがいのあるフェーズです。
その他産業用製品事業
事業内容:半導体や製薬業界等のクリーンルーム向けの空調製品(フィルター)や、医療向け製品を展開しています。
業績推移:売上高は117億3900万円(前期比+1.8%)、セグメント利益は2億3400万円(前期比-10.5%)となりました。
注目ポイント:半導体関連工場の増加を背景に、クリーンルーム向けフィルターや半導体製造装置向けケミカルフィルターの需要が中長期的に堅調な成長を見せています。先端産業のインフラを支える高度な品質管理や製品開発の知見が活かせる領域です。
不動産事業
事業内容:自社保有の土地および建物の賃貸や管理を行っています。
業績推移:売上高は10億2700万円(前期比+11.2%)、セグメント利益は3億5700万円(前期比+13.0%)と増収増益でした。
注目ポイント:安定したテナント収入により、グループ全体の強固な収益基盤の下支えとなっています。保有資産の有効活用やプロパティマネジメントの観点から、長期的な資産価値向上に寄与できる業務です。
経営指導事業
事業内容:ニッタ・デュポンをはじめとする関係会社に対する経営指導やサポートを行っています。
業績推移:売上高は24億5500万円(前期比+7.8%)、セグメント利益は18億9900万円(前期比+2.2%)と順調に拡大しました。
注目ポイント:持分法適用会社であるニッタ・デュポンにおいて、ウェハー研磨パッド等の半導体業界向け需要が非常に好調です。中国常州市に新たな研磨パッド加工拠点を設立するなど、グローバルなアライアンスと経営戦略の推進力が試されるダイナミックな環境があります。
その他
事業内容:自動車運転免許教習事業や、北海道における山林事業(森林経営、食品製造等)を展開しています。
業績推移:売上高は13億4700万円(前期比+2.5%)、セグメント利益は1400万円(前期比-66.3%)となりました。
注目ポイント:山林事業を通じたメープルシロップの製造・販売など、独自のESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを体現するユニークな事業を展開しており、サステナビリティに高い関心を持つ人材にとって興味深いフィールドです。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:決算説明資料 P.21
2027年3月期の通期業績予想は、売上高94,000百万円(前期比+2.4%)、営業利益6,200百万円(前期比+5.8%)と、さらなる増収増益を見込んでいます。中長期経営計画『SHIFT2030』のフェーズ2において、半導体関連市場を最大の成長ドライバーとして位置づけ、全セグメント横断で高付加価値製品の開発・販売を加速させます。
また、中国政府の半導体産業拡大政策を商機と捉え、クリーンチューブや継手製品の投入に注力するほか、次世代航空エンジン(CMC)向けといった新規市場の開拓も進行中です。一方で、地政学リスクや原材料費の上昇といった課題も認識されており、グローバルなサプライチェーンの最適化を担う人材の重要性が高まっています。
4 求職者へのアドバイス
HINT志望動機のヒント
単なる老舗部品メーカーではなく、「Namd™」をはじめとする独自の素材技術を武器に航空宇宙や先端半導体分野へ挑戦する姿勢に共感を示すとよいでしょう。ご自身の持つ専門知識やグローバルな業務経験が、同社の「探索型SHIFT(新規事業の模索)」においてどのように貢献できるかを具体的に語ることで、説得力のある志望動機となります。
Q&A面接での逆質問例
「化工品事業において不採算事業からの撤退と鉄道車両部品への選択と集中を進められていますが、この新しい組織体制(産業インフラ製品事業グループ等)において、中途採用者に最も期待されている役割やミッションは何でしょうか?」など、構造改革を踏まえた前向きな質問が効果的です。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
無駄な出張、会議、外回りが減らず、社員のモチベーションも低くなる一方
組織体系が非常に古く、新しい発想やアイデアを提案する制度はあるが、まず採用されず放置される。部署によっては残業が多いが、近年進んでいる働き方改革、仕事の効率化などへの関心が社員・役員とも皆無に等しい。無駄な出張、会議、外回りが減らず、社員のモチベーションも低くなる一方。
(20代前半男性・代理店営業・正社員) [キャリコネの口コミを読む]部署異動したときに転職並みの労力はいります
部署によって残業時間のバラツキが大きいので、給与面や仕事のきつさに差がでてしまう。全体的には優良企業です。幅広い製品を扱っているので、部署異動したときに転職並みの労力はいりますが、それをやりがいに感じられる人であれば良いと思います。業界も比較的安定しています。
(20代後半男性・研究開発・正社員) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 決算説明資料



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