0編集部が注目した重点ポイント
① エリア別から業態別へ、販売体制の再編を実行する
当期より、従来のエリア別販売体制から「リテール本部」と「ホールセール本部」の業態別販売体制へ再編しました。直営店(D2C)で培ったブランド世界観やOMOの知見をホールセール(卸売り)にも波及させる狙いがあり、チャネル別の専門性を活かせる営業・企画人材の需要が高まっています。
② ザ・ノース・フェイス60周年、フットウエア領域を強化する
基幹ブランドである「ザ・ノース・フェイス」は生誕60周年を迎え、アパレル偏重から抜け出すべくフットウエア・アスレチック領域への投資を強化しています。世界初となるフットウエア特化のコンセプトショップも心斎橋にオープンし、新規顧客層の開拓を担うMD(マーチャンダイザー)やマーケターの活躍機会が広がっています。
③ 「Goldwin500」達成に向け、グローバル出店を加速させる
長期ビジョン「Goldwin500」の実現に向け、ロンドン、ソウル、ニューヨークへの直営店出店など海外事業の展開を加速しています。中国子会社はすでに黒字転換を果たしており、グローバルな事業管理や海外マーケティングを推進できるビジネスリーダー層の参画が強く求められています。
1連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明会 P.2
売上高
1,375億円
前期比 +3.9%
営業利益
258億円
前期比 +18.0%
暖冬による一部冬物アイテムの販売苦戦や、中国大陸からのインバウンド需要の減速といった逆風があったものの、過度なセールを抑制し粗利を重視する販売戦略が奏功し、売上高は前期比3.9%増と5期連続で過去最高を更新しました。また、前期に計上された一過性費用の剥落や販管費の効率的な運用により、営業利益も同18.0%増と大きく伸長し、営業利益率は18.8%へ回復しました。
通期計画に対する進捗率は、売上高が97.9%(約30億円の未達)となったものの、営業利益は99.8%で着地しており、利益面において概ね順調な結果を残しています。中東情勢による調達原価への影響など先行き不透明な外部環境下においても、確固たる収益基盤とブランド価値の維持を両立する経営基盤の強さが示されています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明会 P.8
パフォーマンス
事業内容:アウトドアやスポーツシーンにおける高い機能性を追求した本格的なアパレルおよびギア(用品)を展開しています。
業績推移:春物立ち上げの前倒し納品などが寄与し、売上高は406億円(前期比101.5%)と堅調な増収を果たしました。
注目ポイント:気候変動に対応する機能性素材の開発や、アウトドアの機能とアスレチックを融合させた新たなレクリエーションウェアの提案に注力しています。秋冬依存からの脱却を目指すオールシーズン型のプロダクトマネジメントや、革新的なR&Dを推進できる技術・企画人材への期待が高まっています。
注目職種:プロダクト企画、R&Dエンジニア、スポーツ領域のマーケター
ライフスタイル
事業内容:「ザ・ノース・フェイス」の日常着や「Goldwin」ブランドなど、日常の快適性を高めるアパレルを中心に展開しています。
業績推移:主力事業として全体売上の約6割を構成し、売上高は822億円(前期比102.1%)と安定した成長を記録しました。
注目ポイント:「Goldwin」ブランドの海外直営店(ニューヨーク等)の新規出店など、グローバルでのブランド認知向上施策が大きく進展しています。国内での高い利益率を武器に海外展開をさらに推進していくため、リテール戦略の立案や海外市場でのブランド価値構築を担うグローバル人材が求められます。
注目職種:海外事業戦略担当、リテールマネージャー、VMDプランナー
ファッション
事業内容:洗練されたデザイン性とスポーツの機能性を融合させ、高感度な顧客層へ向けたブランド展開を行っています。
業績推移:インバウンド需要減の影響を受けたものの、売上高130億円(前期比113.4%)と各事業区分の中で最も高い伸び率を示しました。
注目ポイント:一部ブランド(ウールリッチ等)の撤退に向けた最終段階にあるなど、ポートフォリオの最適化を進めています。選択と集中が進む中、収益性の高い独自のコレクションを立案し、新たなブランド価値を創造できるデザイナーやディレクターにとって挑戦しがいのある環境です。
注目職種:ブランドディレクター、アパレルデザイナー、PR担当
その他
事業内容:アパレル領域以外の新規事業や、関連会社の旅行代理店業、カフェ運営などを内包しています。
業績推移:売上高15億円(前期比812.2%)と、事業規模はまだ小さいものの急速な拡大を遂げています。
注目ポイント:体験型施設「PLAY EARTH PARK」の開業準備など、モノづくりから「コト消費」へとビジネスモデルの裾野を広げる先行投資が進められています。ブランド体験を具現化する新規事業企画や、顧客とのタッチポイントを設計するサービス開発人材に大きな期待が寄せられています。
注目職種:新規事業企画、施設・サービス開発、カスタマーエクスペリエンス設計
3今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明会 P.26
次期(2027年3月期)の連結業績は、売上高1,454億円、営業利益261億円の増収増益を見込んでいます。次期は「Goldwin500」の実現に向けた海外出店や、人的資本の強化、CX/DX推進などへの先行投資を活発化させるフェーズに位置づけられています。また、製品の競争力を高めるため、研究開発に関連する労務費(約11億円)を原価から販管費へと移管し、粗利の改善を図る方針です。
質疑応答では、中東情勢の影響による調達原価の上昇リスクについて言及されましたが、対象品番の慎重な見極めや一部アイテムの価格改定、そして直営店での接客力向上によってプロパー販売(定価販売)比率を高め、収益性をカバーしていくと説明されています。これらの施策を実行するためには、商品価値を顧客へ的確に伝えられるリテール人材や、組織横断でブランド価値をコントロールできるプロフェッショナルの採用が不可欠となっています。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「ザ・ノース・フェイス」のフットウエア特化店展開や、アパレルのオールシーズン化など、ブランドは新たな変革期を迎えています。新規市場の開拓や気候変動に対応する製品企画など、既存の枠にとらわれないイノベーションに自身の専門性をどう活かせるかを語ることが、非常に有効なアピールとなります。
面接での逆質問例
- エリア別から業態別(リテール本部・ホールセール本部)へ販売体制が再編されましたが、それによって現場の営業・企画担当に求められるミッションはどのように変化しましたか。
- 中国大陸でのインバウンド需要の変化が見られる中、直営店におけるプロパー販売比率の向上に向けて、接客面で特に強化しているポイントは何でしょうか。
- 「Goldwin500」の実現に向けて海外出店が加速していますが、グローバルでブランド価値を統一するために、本社機能として最も注力している課題は何ですか。
5転職者が知っておきたい現場のリアル
社内の雰囲気は和気あいあいとしている
店舗スタッフ同士で登山に行くこともある。テニスなどで社員同士交流を深めている人も多いようで、社内の雰囲気は和気あいあいとしている。
(20代後半・ショップスタッフ・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第4四半期決算説明会 質疑応答要旨
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 決算説明会資料



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