0編集部が注目した重点ポイント
① 構造改革によりコア営業利益2,084億円へ回復する
当期は各事業の不採算改善やコスト合理化が寄与し、コア営業利益は前期比48.3%増の2,084億円へ大幅回復を果たしました。徹底した構造改革の成果が現れ始めており、V字回復を加速させる変革牽引型人材のキャリア機会が広がっています。
② エッセンシャル等の事業再編で収益構造を刷新する
当期より大型液晶用偏光フィルム事業の構造改革やペトロ・ラービグ社の一部株式売却、アルミニウム事業の終売を実施しました。従来の汎用化学品依存から脱却し、高付加価値分野へシフトする事業再編が進む中で、戦略推進を担うプロフェッショナルの需要が高まっています。
③ 住友ファーマの公募増資で研究開発投資を強化する
連結子会社の住友ファーマが2026年4月に約1,100億円規模の新株式発行・公募増資を公表しました。有利子負債の削減と併せ、がんや神経変性疾患、再生・細胞医薬分野等への集中投資が実行されることとなり、医薬・バイオ関連の高度専門人材の活躍フィールドが拡大しています。
1連結業績ハイライト
出典:2025年度決算概況 P.4
売上収益
2兆3,285億円
前期比 △10.7%
コア営業利益
2,084億円
前期比 +48.3%
営業利益
1,517億円
前期比 △21.4%
親会社所有者帰属当期利益
609億円
前期比 +57.9%
※コア営業利益=持分法による投資損益を含む営業損益から非経常的な要因により発生した損益を控除した経常的な収益力を表す損益概念
当連結会計年度の業績は、アルミニウム事業の終売やペトロ・ラービグ社の一部株式売却に伴う出荷減少等により、売上収益が前期比10.7%減の2兆3,285億円となりました。一方で、事業構造改善効果の発現や子会社・住友ファーマにおける北米主要製品の売上拡大、交易条件の改善が大きく寄与し、本業の収益力を示すコア営業利益は前期比48.3%増の2,084億円と大幅なV字回復を達成しました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益も前期比57.9%増の609億円へ伸長しています。
当期は通期決算のため通期予想に対する評価は100%(着地)となります。不採算事業の抜本的改革を経たことで、グループ全体の収益性・財務体質の改善が着実に前進していると言えます。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度決算概況 P.6
アグロ&ライフソリューション
事業内容:国内外での農薬、肥料、飼料添加物(メチオニン)、家庭用・防疫用殺虫剤などの製造・販売を展開しています。
業績推移:売上収益は5,193億円(前期比3.9%減)となったものの、コア営業利益は563億円(同2.5%増)と増益を維持しました。
注目ポイント:南米での天候不順やメチオニンの出荷減少はあったものの、国内農薬の出荷が堅調に推移し、海外農薬の交易条件改善が寄与しました。世界的な食料問題解決へ向けた新規農薬の開発やグローバル販売網のさらなる強化が進められており、製品開発や海外アグリビジネスの経験者が活躍できる環境です。
注目職種:農薬研究開発、グローバル事業開発、海外営業開発担当
ICT&モビリティソリューション
事業内容:半導体プロセス材料、ディスプレイ関連材料、エンジニアリングプラスチックス等の先端材料を供給しています。
業績推移:売上収益は5,742億円(前期比5.4%減)、コア営業利益は530億円(同24.8%減)の減収減益となりました。
注目ポイント:ディスプレイ関連材料の価格下落や大型液晶(LCD)用偏光フィルム事業の構造改革が影響した一方、半導体プロセス材料は需要のゆるやかな回復により出荷が増加しています。次世代半導体材料や高付加価値分野の拡大に向け、高度な技術力を誇る材料開発研究員やプロセスエンジニアの採用が強化されています。
注目職種:半導体材料開発研究員、プロセス開発エンジニア、電子材料技術営業
アドバンストメディカルソリューション
事業内容:高度化低分子医薬や医療用オリゴ核酸分野、再生・細胞医薬分野でのCDMO(製法開発・製造受託)事業等を展開しています。
業績推移:売上収益は586億円(前期比5.7%減)、コア営業利益は28億円(同27.5%減)となりました。
注目ポイント:医薬化学品の出荷サイクルの偏りがあったものの、オリゴ核酸の生産本格化に伴い受託案件が増加基調にあります。高品質な医薬品受託製造の拡大に向けて体制強化が進められており、製法開発や品質保証(QA/QC)、バイオ医薬製造技術を持つ専門人材への需要が高まっています。
注目職種:CDMO製法開発研究員、医薬品品質保証(QA/QC)、製造技術エンジニア
エッセンシャル&グリーンマテリアルズ
事業内容:合成樹脂、合成ゴム、各種工業薬品、メタアクリルなどの基礎化学品・高分子材料の製造・販売を担っています。
業績推移:売上収益は6,788億円(前期比24.5%減)となったものの、コア営業利益は144億円と前年の赤字(585億円)から劇的な黒字転換を果たしました。
注目ポイント:アルミニウム撤退やペトロ・ラービグ社の一部株式売却等により減収となったものの、製品の交易条件改善やペトロ・ラービグ社の持分法損益改善が黒字化を牽引しました。事業再編完了後の収益安定化と、グリーン材料への事業構造転換をリードできる事業企画人材が求められています。
注目職種:事業構造改革推進企画、サステナビリティ材料開発、プラント技術者
住友ファーマ
事業内容:医療用医薬品の製造・販売を担う上場子会社で、主に精神神経・がん領域等に強みを持っています。
業績推移:売上収益は4,519億円(前期比13.6%増)、コア営業利益は1,084億円(前期は353億円)と大幅な増益を達成しました。
注目ポイント:北米での「オルゴビクス」「ジェムテサ」の販売拡大や事業構造改善による固定費削減が功を奏しました。2026年4月には公募増資による資金調達を公表し、がん・神経領域のR&Dや再生・細胞医薬の成長投資を本格化させており、創薬・臨床開発プロフェッショナルの参画意欲が高まっています。
注目職種:創薬研究員、臨床開発スペシャリスト(CRA/医薬開発)、バイオ事業企画
その他
事業内容:電力・蒸気の供給、運送・倉庫業務などを担う事業群領域です。(放射性診断薬事業等は売却完了)
業績推移:前期の事業売却に伴い、売上収益は458億円(前期比54.2%減)、コア営業利益は44億円(同93.4%減)となりました。
注目ポイント:事業売却に伴う一過性利益がなくなったことで減益となりましたが、グループ全体の生産活動やインフラ・物流を支える基盤事業としての安定性は維持されています。生産エネルギーの効率化や物流オペレーションの最適化を担うインフラ技術者の役割が重要視されています。
注目職種:プラントエンジニア、物流オペレーション企画、環境・エネルギー管理
3今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度決算概況 P.16
次期(2027年3月期)の連結業績予想は、売上収益2兆3,600億円(前期比1.4%増)、コア営業利益2,150億円(同3.2%増)、親会社所有者帰属当期利益700億円(同14.9%増)と、さらなる収益改善と増益を見込んでいます。中東情勢を受けた原燃料価格の高騰リスクに対しては、コスト上昇分の適切な製品価格への反映や安定調達を徹底する計画です。また、連結子会社の住友ファーマによる約1,100億円規模の公募増資手取金は、有利子負債返済に加えてがん・神経変性疾患領域のR&Dや再生・細胞医薬の設備投資へ優先充当される予定となっています。構造改革を終えたグループ全体で成長分野への投資を本格化させており、事業再生・新規成長を牽引する中途採用人材にとって絶好のキャリア参画タイミングです。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
抜本的な事業構造改革を経てコア営業利益の劇的な回復を達成し、高付加価値領域(アグロ、半導体プロセス材料、CDMO、医薬品等)への投資集中を進めています。単なる総合化学メーカーという枠組みを超え、「新成長フェーズへの移行期において、自身の強みや専門スキルをどう還元して変革を加速させるか」を具体的に語ることが、面接での高い評価につながります。
面接での逆質問例
- エッセンシャル&グリーンマテリアルズ事業での再編が進んでいますが、今後のグリーン材料や環境対応製品への転換に向け、現場で最も注力している技術・事業開発テーマは何でしょうか。
- ICT&モビリティソリューションにおいて、半導体プロセス材料の出荷回復が見られますが、先端半導体分野での競争力を維持・強化するために中途採用者に求める役割は何ですか。
- 住友ファーマにおける公募増資によりがん領域や再生・細胞医薬への投資が強化されますが、親会社としてグループ内の技術シナジー創出に向けた具体的な連携の組み方はどのようなものがありますか。
5転職者が知っておきたい現場のリアル
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
- 2025年度決算概況(決算説明資料)



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