0 編集部が注目した重点ポイント
①全セグメントで増益し過去最高を更新
半導体用途等の旺盛な需要に牽引され、売上・利益ともに過去最高を更新しました。特に中国の半導体需要継続やAIサーバー向けの需要拡大が業績に大きく貢献しており、全セグメントにおいて販売価格の適正化など収益構造の改善効果が表れています。
②北米拠点等での不採算製品から撤退
当期は高機能プラスチック事業における北米フェノール関連事業の採算性改善や、クオリティオブライフ関連製品における北米・タイでの工場閉鎖・統合など、不採算製品の撤退を含む構造改革を進展させました。これにより事業ポートフォリオの変革が加速し、成長領域への経営資源集中が進んでいます。
③高付加価値な新製品の販売を拡大
AI半導体向け液状封止材やモビリティ向け放熱絶縁シートなど、強化領域における高付加価値新製品の採用と販売を拡大させています。京セラやAGCから譲受した事業とのシナジー創出も進んでおり、先端パッケージや車載HUD用光学シート領域での競争力が向上しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期(2025年度) 決算説明会資料 P.4
売上収益
3,198億円 +5.0%
事業利益
344億円 +11.8%
営業利益
354億円 +43.1%
当期利益
280億円 +45.3%
※事業利益 = 売上収益 - 売上原価 - 販売費及び一般管理費
当通期の業績は、半導体用途などの旺盛な需要に支えられ、通期実績として順調に推移し、売上・利益ともに過去最高を更新しました。
人件費が海外拠点を中心に上昇しているものの、各セグメントで実施した高付加価値品の販売への注力や販売価格の適正化が奏功しています。特に営業利益については、前期に高機能プラスチック事業の北米拠点での減損損失や国内生産拠点集約費用等を計上した反動もあり、前期比43.1%増の大幅な増益を達成しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期(2025年度) 決算説明会資料 P.17
半導体関連材料
事業内容:半導体封止用エポキシ樹脂成形材料、半導体用感光性材料、半導体用ボンディングペースト、半導体基板材料等を提供しています。
業績推移:中国の半導体国産化推進による旺盛な需要継続や、AIサーバー向け材料の拡大により、売上収益・事業利益ともに大幅な増収増益を達成しています。
注目ポイント:AI半導体向けの液状封止材の顧客評価が開始されたほか、京セラから譲受した事業とのシナジーによる高熱伝導材の拡販が加速しています。拡大が続く中国で新工場の認定が完了するなど盤石な体制が構築されており、先端パッケージ材料の開発を牽引できる専門人材の重要性が高まっています。
💡 注目職種:半導体材料の研究開発・プロセスエンジニア、海外向けテクニカルセールス
高機能プラスチック
事業内容:工業用樹脂、成形材料、成形品、積層板、航空機部品等を展開しています。
業績推移:売上収益は前年比横ばいでしたが、北米での不採算製品撤退などの構造改革効果や高付加価値品への注力により増益を実現しています。
注目ポイント:AI半導体や次世代ディスプレイ向けの「COPLUS®」や環境対応型の「AQNOA®」、モビリティ向けの放熱絶縁シートなど、強化領域での高付加価値製品の量産化・拡販が進行中です。既存の枠組みを打ち破る革新的なポリマー材料の用途開拓を推進できる人材が求められています。
💡 注目職種:高機能樹脂の材料開発エンジニア、新用途開拓のソリューション営業
クオリティ オブ ライフ関連製品
事業内容:医療機器・医薬品、バイオ関連製品、フィルム・シート、産業機能性材料、防水シート等を多角的に展開しています。
業績推移:医薬品包装用途でのジェネリック増産による需要増や、販売価格の適正化、生産拠点の再編などにより安定した増益を確保しました。
注目ポイント:医療機器領域でのステアリングマイクロカテーテルなど低侵襲治療ラインナップの拡充や、AGCから譲受した光学技術とのシナジーによる車載HUD用光学シートの拡販が進んでいます。環境配慮型の防水シートや水素製造機能膜の開発など、社会課題解決に直結する分野でのキャリア形成が可能です。
💡 注目職種:医療機器開発エンジニア、光学フィルム設計技術者
その他
事業内容:試験研究の受託や土地の賃貸等を行っています。
業績推移:売上収益7億円、事業利益0.7億円を計上し、小規模ながら安定的に推移しています。
注目ポイント:各報告セグメントに属さない基礎研究などを通じて、グループ全体のイノベーション創出の土台を支える役割を担っています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期(2025年度) 決算説明会資料 P.13
2027年3月期の通期見通しとして、売上収益3,370億円、事業利益380億円とさらなる成長を見込んでいます。中期経営計画の最終年度として、M&Aなど戦略的投資を通じた事業ポートフォリオ変革の成果創出に注力する構えです。
一方で、中東情勢が及ぼすエネルギー価格の上昇やサプライチェーンの混乱による世界経済の不透明感がリスクとして挙げられており、変化に対応できる柔軟な事業基盤の強化が課題となっています。今後は、成長投資と株主還元(配当性向40%程度)のバランスを取りながら、ニッチトップ領域でのシェア拡大を推進できる人材の採用がますます重要視されるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社はAI半導体材料やモビリティ向け製品など、高付加価値領域への事業シフトを鮮明にしています。そのため、特定技術分野における専門性や、新規事業立ち上げ・用途開拓に貢献できるスキルをアピールすることが、採用担当者の高い関心を引く鍵となります。
面接での逆質問例
「全社的に不採算事業の整理と高付加価値製品へのポートフォリオ変革が進んでいますが、配属予定の部署では今後どのような新規領域への展開を計画視していますか?」など、同社の戦略的変化に対する理解と意欲を示す質問が効果的です。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期(2025年度) 決算説明会資料
- 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)



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