0 編集部が注目した重点ポイント
①ウレタン事業取得で高機能ウレタンが大幅増収を果たす
2025年4月1日付でドイツLANXESS社からウレタンシステムズ事業を取得し、新規連結したことで高機能ウレタンセグメントの売上高が前年比198.1%増の465億円へ急拡大しました。米国市場を中心に半導体製造装置向け等のハイエンド用途を獲得しており、グローバルなスペシャリティ事業の基盤が大きく強化されています。
②構造改革の進展により親会社純利益が黒字へ浮上する
樹脂・化成品セグメントにおいてアンモニアやカプロラクタム等の事業構造改革を断行し、タイにおけるカプロラクタム生産停止とナイロンポリマー生産縮小を2026年3月に完了しました。前期に計上した減損損失に伴う減価償却費の減少や構造改革効果により、親会社株主に帰属する当期純利益は239億円と黒字浮上を果たしました。
③スペシャリティ転換で2027年3月期も増益を見込む
当期より報告セグメントを6区分(機能品、高機能ウレタン、医薬、樹脂・化成品、機械、その他)に刷新し、スペシャリティ化学企業への構造転換を加速させています。2027年3月期はポリイミドや分離膜の需要増加、ウレタン事業の通年寄与により、営業利益235億円(前年比24.1%増)への連続増益を計画しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期連結決算概要 2027年3月期連結業績予想 説明資料 P.5
売上高
4,623億円 -5.0%
営業利益
189億円 +5.0%
経常利益
375億円 +67.7%
当期純利益
239億円 黒字浮上
当通期の業績は、樹脂・化成品セグメントにおけるナイロンポリマー等の販売低迷や機械セグメントでの前期製鋼事業譲渡に伴う連結除外の影響で売上高は減収となりましたが、利益面では各利益指標において着実な改善を示しました。
特に前期にアンモニア・カプロラクタム等の構造改革損失を計上したことによる減価償却費の減少や、持分法投資損益の改善、為替差益の発生が寄与し、経常利益は前期比67.7%増の375億円を達成しました。親会社株主に帰属する当期純利益は前期の赤字(△48億円)から239億円へと転じ、通期実績として順調な業績回復を印象付けています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期連結決算概要 2027年3月期連結業績予想 説明資料 P.6
機能品
事業内容:ポリイミド(フィルム・ワニス)、分離膜(窒素膜・脱炭酸膜)、セラミックス、セパレータ等の製造・販売。
業績推移:スマートフォン向けワニスやバイオメタン脱炭酸膜の需要低迷により、売上高619億円(前期比6.4%減)、営業利益98億円(同16.4%減)となりました。
注目ポイント:ハイブリッド自動車向けセパレータの需要拡大に加え、2027年3月期にはポリイミドフィルム製造設備(20%増能力)や分離膜製造設備(80%増能力)が営業運転を開始します。成長市場に対応する製品開発とグローバル販売力を備えたエンジニアや営業人材の活躍領域が広がっています。
💡 注目職種:ポリイミド・分離膜の製品開発技術者、環境・エネルギー分野のアプリケーションエンジニア
高機能ウレタン
(注:当期より新規セグメントとして設置)
事業内容:ウレタン樹脂中間体(熱硬化性ウレタンエラストマー用プレポリマー)、高機能コーティング製品等の製造・販売。
業績推移:ウレタンシステムズの事業取得効果により売上高465億円(前期比198.1%増)と急拡大。買収に伴う統合費用計上で営業利益は△5億円となりました。
注目ポイント:2025年4月1日付でLANXESS社から取得したグローバル事業が核となり、米国を中心に半導体製造装置向け等のハイエンド市場へ参入しています。海外拠点との連携やポスト・マージン・インテグレーション(PMI)を推進する経験が強く求められています。
💡 注目職種:ウレタン樹脂の処方開発研究員、海外事業管理・グローバルサプライチェーン担当
医薬
(注:当期より旧機能品から独立セグメント化)
事業内容:創薬、医薬品原体・中間体の受託製造(CDMO)・販売。
業績推移:受託品の販売数量減少に伴い、売上高210億円(前期比33.3%減)、営業利益△13億円(前期は12億円)となりました。
注目ポイント:受託品市場の変動影響を受けたものの、2027年3月期には受託医薬品の販売構成改善により営業利益5億円への黒字化を見込んでいます。自社創薬と高品質な受託製造を融合させた独自モデルの強化に向けた専門人材が鍵となります。
💡 注目職種:医薬品原体・中間体のプロセス合成研究員、GMP品質保証スペシャリスト
樹脂・化成品
事業内容:コンポジット、ナイロンポリマー、カプロラクタム、工業薬品、エラストマー等の製造・販売。
業績推移:需要低迷で売上高は2,512億円(前期比8.2%減)も、減価償却費減少や定修なし等により営業利益82億円(前期△7億円から黒字浮上)となりました。
注目ポイント:アンモニア・カプロラクタム・ナイロンポリマーの不採算領域において、タイ工場の生産停止・縮小(2026年3月)や日本国内工場の停止(2027年〜2028年)を進行させています。構造改革による高収益体質への転換とエラストマー・コンポジット分野への集中が進んでいます。
💡 注目職種:合成ゴム・コンポジットの製品開発エンジニア、化学プラント生産技術者
機械
事業内容:成形機(ダイカストマシン等)、産業機械、橋梁・鉄構等の製造・販売・サービス。
業績推移:製鋼事業譲渡の影響や自動車向け製品販売の低調により、売上高684億円(前期比21.3%減)、営業利益62億円(同20.8%減)となりました。
注目ポイント:アフターサービス事業は堅調に推移しており、2027年3月期は成形機や産業機械の販売回復により売上高700億円への向上を目指しています。大型機械の制御・機械設計からグローバルな保守サービスまで幅広い技術が求められます。
💡 注目職種:ダイカストマシン・産業機械の機械/電気制御設計、カスタマーサービスエンジニア
その他
事業内容:電力供給(自家発電所売電)、不動産等の事業。
業績推移:石炭価格下落による売電価格低下で売上高345億円(前期比12.0%減)、営業利益19億円(同6.9%減)となりました。
注目ポイント:定休日修理のない年であり高効率操業を維持しています。自社グループのエネルギー基盤を確保しつつ、インフラ提供を通じて経営基盤を支えています。
💡 注目職種:自家発電設備・エネルギーインフラの運用管理エンジニア
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期連結決算概要 2027年3月期連結業績予想 説明資料 P.21
2027年3月期の連結業績予想として、売上高4,850億円(前年比4.9%増)、営業利益235億円(同24.1%増)を計画しています。ポリイミドや分離膜、セパレータの新設備稼働に加え、ウレタンシステムズ事業が通年寄与することで、スペシャリティ領域を中心とした大幅な営業増益が見込まれます。
中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation -2nd Stage-」のもと、2030年の営業利益600億円達成を目指しています。中東情勢や原燃料価格の変動リスクは存在するものの、専門性の高いキャリア採用の拡大や多様性の確保を通じた「イノベーティブな風土」の醸成に力を注いでおり、変革期をリードする多様な化学・機械人材の募集が活発化しています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社はアンモニア・カプロラクタム等の伝統的化学事業から、ポリイミド・分離膜・高機能ウレタンなどの高付加価値領域(スペシャリティ事業)へ劇的な構造転換を図っています。「環境・次世代産業を支える先端材料の開発やグローバルPMIに自身の専門性を活かしたい」という軸で志望動機を構築することが強力なアピールになります。
面接での逆質問例
「タイにおけるカプロラクタム設備停止に続き、国内のアンモニア等の段階的停止も決定されていますが、既存設備から再配置される経営資源や技術人材を、機能品・高機能ウレタンなどの成長ドメインへどのように融合・育成されているか教えていただけますでしょうか?」など、変革戦略への深い理解を示す質問が効果的です。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
生活面でのサポートが充実しています
新卒社員には、セキュリティがしっかりしたアパートに月々わずかの負担で住むことができ、電気代以外の水道代は会社が負担してくれるため、生活面でのサポートが充実しています。
(40代前半・コンサルティング営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期連結決算概要 2027年3月期連結業績予想 説明資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)



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