関西ペイントの転職研究 2026年3月期通期決算に見るキャリア機会

関西ペイントの転職研究 2026年3月期通期決算に見るキャリア機会

関西ペイントの2026年3月期通期決算は、売上高が5期連続で過去最高を更新。「なぜ今関西ペイントなのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0編集部が注目した重点ポイント

欧州での構造改革プロジェクト「True Color」を始動

中長期的な競争力及び収益力の向上を目的として、欧州事業の構造改革を実施します。2027年3月期には低収益・非中核事業からの撤退及び縮小などにより約70億円の特別損失を計上予定です。事業最適化や製造拠点集約など抜本的な改革を推進しており、変革をリードできる専門人材のニーズが高まっています。

売上高は5期連続、EBITDAも過去最高を更新

当期の売上高は5,897億95百万円となり、5期連続で過去最高を更新しました。また、EBITDA(営業利益+持分法利益+減価償却費+のれん償却費)も825億円と過去最高を記録。アフリカ市場の躍進や自動車・工業分野の堅調な推移が全社業績を力強く牽引しています。

次期通期計画は質・量ともに過去最高を計画

2027年3月期は、売上高6,100億円、営業利益530億円とすべての地域で増収増益を見込んでいます。特にEBITDAマージンは15.1%への改善を計画しており、収益性と効率性を伴う質の高い成長フェーズへ移行しつつあります。

1連結業績ハイライト

関西ペイントの2026年3月期通期決算は、売上高・EBITDAで過去最高を更新。グローバル展開と価格転嫁が奏功し、底堅い業績を示しました。
2025年度通期決算のポイント

出典:決算説明資料 P.3

売上高

589,795百万円

前期比 +0.2%

営業利益

49,726百万円

前期比 △4.5%

経常利益

54,713百万円

前期比 +11.4%

親会社株主に帰属する当期純利益

31,641百万円

前期比 △17.4%

当期の連結業績は、地政学的リスクや中東情勢の緊迫化など不確実な環境下において、売上高589,795百万円、営業利益49,726百万円となりました。固定費増や一過性費用の影響で営業減益、純利益も前期の一過性利益剥落や事業撤退損等により減益となりましたが、売上高は5期連続で過去最高を更新しています。また、EBITDA(営業利益+持分法利益+減価償却費+のれん償却費)も825億円と過去最高を記録しており、本業のキャッシュ創出力は着実に向上しています。



通期予想に対する進捗評価については、売上高が堅調に推移したものの、営業利益はシステム刷新に伴う一過性費用(追加人件費、特別物流対応等)や構造改革関連費用の計上により、想定を下回る着地となりました。次期に向けてこれらの課題解決と収益性改善に取り組む方針です。

2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

世界各地域の特性に合わせた戦略を展開する関西ペイント。各セグメントの事業状況と採用ニーズを解説します。
地域別売上高(対前年比較)

出典:決算説明資料 P.8

日本

事業内容: 自動車、工業、建築、船舶向けなど国内市場全般を担うマザーセグメント。

業績推移: 売上高1,598億88百万円(前期比△2.4%)、セグメント利益219億68百万円(前期比△8.2%)。

注目ポイント: 自動車・工業用での販売価格改善の取り組みが奏功したものの、建築・防食・船舶分野の足元の需要減や、基幹システム刷新に伴う一過性の供給混乱対応(特別物流費等)が影響し減収減益となりました。次期に向けシステム課題は解消見込みであり、サプライチェーン横断での収益改善を推進するSCM・IT人材のニーズが高まっています。

注目職種:IT企画、SCMスペシャリスト、技術営業など

インド

事業内容: 急成長市場インドにおける自動車・工業・建築用塗料の製造・販売。

業績推移: 売上高1,383億58百万円(前期比△2.8%)、セグメント利益135億66百万円(前期比△4.4%)。

注目ポイント: 為替影響で円換算では減収となったものの、自動車用は高シェアを維持、工業用は政府のインフラ投資を背景に成長し、現地通貨ベースではプラス成長を実現しています。次期は建築用の高価格品や建設化学品等の新規領域拡販を推進しており、成長市場を牽引できる事業企画・マーケティング人材が求められます。

注目職種:海外事業企画、海外営業、マーケティングなど

欧州

事業内容: トルコおよび中東欧を中心とした自動車・工業用塗料の展開。

業績推移: 売上高1,627億38百万円(前期比+4.0%)、セグメント利益9億45百万円。

注目ポイント: トルコの自動車好調や前期M&Aの寄与により増収を確保しましたが、収益性の低下を受け、構造改革プロジェクト「True Color」を始動しました。事業分野の最適化や製造拠点集約など痛みを伴う変革を進めており、グローバルな組織再編やPMI(M&A後の統合)経験を持つタフな変革人材が活躍できるフェーズです。

注目職種:経営企画、PMIスペシャリスト、事業管理など

アジア

事業内容: 中国、タイ、インドネシア、マレーシア等における自動車・工業・汎用塗料の展開。

業績推移: 売上高680億64百万円(前期比△0.9%)、セグメント利益90億82百万円(前期比△1.2%)。

注目ポイント: ASEANでの自動車生産台数減少を受け微減収減益となりましたが、トータルコスト削減の自助努力により収益性の向上(高収益体質の定着)を図っています。次期はマレーシア拠点の統合等による増収増益を計画しており、生産効率化や地域統括を推進するマネジメント人材の活躍が見込まれます。

注目職種:生産技術、地域事業統括、海外営業など

アフリカ

事業内容: 南アフリカおよび東・南・西アフリカ諸国における建築・工業用塗料事業。

業績推移: 売上高517億48百万円(前期比+9.1%)、セグメント利益63億37百万円(前期比+45.7%)。

注目ポイント: 建築分野の新規顧客獲得やザンビア・東アフリカの高成長により、圧倒的No.1の地位を確立し大幅増益を達成しました。次期も南アフリカでのVersus Paint買収によるスーパープレミアム市場参入や、タンザニア新工場建設など成長投資を加速させており、新興国での事業立ち上げをリードできるアグレッシブな人材には魅力的な環境です。

注目職種:新興国事業開発、事業企画、マーケティングなど

その他(北米等)

事業内容: 北米を中心とした自動車および工業用(パワースポーツ向け等)塗料事業。

業績推移: 売上高89億96百万円(前期比△10.3%)、セグメント利益19億83百万円(前期比△38.1%)。

注目ポイント: 主力のパワースポーツ需要減により減収減益となりましたが、日本支援チームによる原料調達・修繕費のコストダウン活動が進展しています。次期は収益性を改善しV字回復を計画しており、原価管理や価格転嫁を緻密に実行できるプロフェッショナルが求められています。

注目職種:購買・調達、事業管理、営業管理など

3今後の見通しと採用の注目点

第18次中期経営計画に基づき、真のグローバル企業への進化と「圧倒的な企業価値の向上」を目指します。
連結業績(2026年度計画)

出典:決算説明資料 P.11

2027年3月期は、第18次中期経営計画の2年目として「事業・人材・エンゲージメントの強化」を深化させる重要なフェーズです。連結売上高6,100億円(前期比+3.4%)、営業利益530億円(前期比+6.6%)を計画し、全地域での増収増益というアグレッシブな目標を掲げています。特に欧州での「True Color」プロジェクトに伴う約70億円の特別損失計上など、成長に向けた痛みを伴う構造改革を断行する覚悟を示しています。

また、「DXの推進」や「人材育成と最適配置の両立」を重点方針としており、基幹システム刷新等の国内課題解決と並行して、グローバル展開を牽引できる高度な専門人材(IT、M&A、グローバル経営等)への投資が加速すると予想されます。成長と変革の双方が進行するエキサイティングな環境です。

4求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

関西ペイントは今、「Good から Greatへ」と掲げ、真のグローバル企業へと脱皮する変革の真っ只中にあります。面接では、単なる安定志向ではなく、欧州での構造改革やアフリカ等での事業拡大など、「変化を恐れず課題解決に挑む姿勢」をアピールすることが重要です。前職での業務プロセス改善や、異文化・多国籍チームでのプロジェクト遂行経験は強力な武器になります。

Q&A

面接での逆質問例

  • 「欧州での構造改革プロジェクト『True Color』をはじめ、グローバル規模での組織再編が進む中、中途採用者にはどのようなチェンジマネジメントの役割が期待されていますか?」
  • 「日本国内事業において、今期の基幹システム刷新等の課題を乗り越え、次期『攻勢に転じる』ために、現場レベルで特に注力されているDXやSCMの取り組みは何でしょうか?」

5転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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産休・育休がとりやすい

ただ、復帰後の業務に慣れるまでが大変そうだと感じる。

(20代後半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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業績・将来性に問題を感じる

主力の自動車用塗料が、環境へ負荷が高いことから、今後使用量が減少し売り上げも低下すると見込まれている。あらかな柱となる製品開発が必要と感じる。

(20代後半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 2025年度 通期 決算説明資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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