0 編集部が注目した重点ポイント
① カンパニー制導入で経営体制を刷新
医療用医薬品、中国事業、ヘルスケアの3カンパニー制を導入しました。権限委譲による意思決定の迅速化と独立採算性(ROIC)による責任明確化を図り、収益事業の多柱化と経営者人財の早期育成を推進中です。各領域での新たな採用やキャリア機会の拡大が見込まれます。
② 上海虹橋中薬飲片のM&Aを完了
2025年8月に中国の上海虹橋中薬飲片の持分51%を取得し、当3Qより損益計算書の連結を開始しました。中国事業における生薬プラットフォームの拡大が大きく進展しており、前年同期は未連結のため単純比較はできませんが、中国事業の黒字化に大きく貢献しています。
③ ハイブリッド型情報提供で需要を喚起
国内の医療用漢方製剤において限定出荷の影響が解消に向かう中、e-プロモーションとMR活動を融合した活動を強化しています。結果として、実売数量は前年比+2.0%と確かな回復の成果が出ている状況であり、デジタルを活用した営業・マーケティング体制が定着しつつあります。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 決算説明会 P.13
売上高
1,926億円 (前年比 +6.4%)
営業利益
352億円 (前年比 -12.2%)
経常利益
400億円 (前年比 -5.7%)
当期純利益
281億円 (前年比 -13.3%)
2026年3月期通期の業績は、売上高が1,926億円(前年比+6.4%)と増収を達成した一方で、営業利益は352億円(同-12.2%)の減益となりました。減益の主な要因は、国内での情報提供活動強化やDX関連費用の増加といった成長に向けた投資に加え、戦略的な原料生薬在庫の積み増しに伴う一時的な原価の悪化によるものです。
次期(2027年3月期)の通期予想に対しては、売上高2,136億円、営業利益375億円を計画しています。一時的なコスト増や限定出荷の影響を一巡させ、上海虹橋中薬飲片の通期での連結寄与も見込めることから、概ね順調に増収増益の成長軌道へ復帰する見通しです。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 決算説明会 P.26
国内事業
事業内容:医療用漢方製剤、および一般用漢方製剤・薬食同源製品などヘルスケア製品の製造販売。
業績推移:売上高は1,611億円(前年比+0.4%)。感染症関連の出荷減はあったものの、実売数量ベースでは増加を確保しました。
注目ポイント:高齢者のフレイルや女性関連領域(PMS等)、がん支持療法などへの処方拡大を推進しています。また、漢方オンラインMRなどデジタルを活用した双方向コミュニケーションを強化しており、新たなプロモーションモデルを構築できるDX・マーケティング人材の採用可能性が高まっています。
注目職種:MR(オンライン対応含む)、デジタルマーケティング、事業企画
中国事業
(注:上海虹橋中薬飲片は前年同期は未連結のため単純比較不可)
事業内容:原料生薬の調達・販売、中薬飲片(刻み生薬)、および大健康製品の展開。
業績推移:売上高は314億円(前年比+52.4%)。新規M&A先の連結により大幅な増収となり、営業黒字化を達成しました。
注目ポイント:患者ごとに調合する「一人一方」サービスの完全自動化設備を2026年度中に稼働させる予定です。生薬の種苗から最終製品までの品質標準の策定や中成薬企業との協業など、中国市場でのスケールアップと技術連携を牽引できる事業開発(BD)やサプライチェーン管理の専門人材が必要とされています。
注目職種:海外事業開発、サプライチェーンマネジメント、生産技術
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 決算説明会 P.11
ツムラは「TSUMURA VISION "Cho-WA" 2031」の実現に向け、従来の医療用漢方製剤中心のビジネスモデルから、未病や養生(予防)を含むトータルヘルスケア企業への進化を目指しています。新たに発足した「ヘルスケアカンパニー」では、薬食同源製品の本格展開に加え、養命酒製造の関連事業を承継(子会社化予定)することで第3の収益の柱への成長を推進中です。
また、第2期中期経営計画においては設備投資額を一部見直し、生み出された資金を資本業務提携などの外部リソースの獲得へ優先的に配分する方針を示しています。これにより、既存事業の生産性向上を担う人材だけでなく、M&Aやアライアンスを通じて新たなヘルスケア・エコシステムを構築できるイノベーション人材の活躍の場が大きく広がっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
カンパニー制への移行により事業の多柱化が進んでいるため、自身が応募する領域(医療用、中国、ヘルスケア)において、独立採算やスピード感のある事業運営にどう貢献できるかを語ることが重要です。また、「未病の科学化」に向けたデータプラットフォーム構築やオンラインMRなど、伝統的な漢方と最新DXの融合に対する関心をアピールすると高い評価に繋がります。
面接での逆質問例
- 「新たに設立されたヘルスケアカンパニーにおいて、薬食同源製品や養命酒関連事業の統合を進める上で、現場ではどのようなスキルや経験を持った人材が最も求められているのでしょうか?」
- 「中国事業での「一人一方」サービスの完全自動化など、最新のサプライチェーン構築が進んでいますが、日本国内の部門とはどのように連携して品質標準を確立していくのでしょうか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
一般的な製薬会社とは働き方は違う
取り扱っている製品が漢方薬と特殊である。その点に面白みを感じられるかどうかにかかっていると思う。新しい薬を開発しない会社であるため、一般的な製薬会社とは働き方は違う。
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(30代前半男性・研究開発・正社員) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年度 決算説明会資料



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