0 編集部が注目した重点ポイント
①売上高は2兆6,626億円へ拡大する
当連結会計年度の売上高は、プライマリーメタル事業や海外販売子会社での取引拡大が牽引し、前年比4.2%増の2兆6,626億円を達成しました。国内外の需要を捉えた商社機能の発揮により、厳しい市況環境下でも力強いトップラインの伸長を実現しています。
②積極的M&Aでグループ基盤を強化する
当期は2026年2月に水産加工の丸イホールディングスを完全子会社化し、建設資材大手の富士昭サンマテックを持分法適用会社化するなど、「そこか(即納・小口・加工)」戦略に基づく投資を加速させました。グループの事業領域拡大に伴い、多角的なキャリア機会が創出されています。
③リサイクル悪化で営業利益は減益となる
利益面では、リサイクルメタル事業における採算悪化や人件費などの販管費増加が響き、営業利益は前年比5.0%減の584億円となりました。しかし、実力ベースの経常利益では計画を達成しており、構造改革とコスト管理を通じた収益性の再構築が進められています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度(2026年3月期) 決算説明資料 P.3
当期の阪和興業の業績は、世界的な金利動向や地政学リスク、各種資材価格の下落といった逆風を受けつつも、グローバルな営業網の展開と国内ビジネスの深耕により売上高2兆6,626億円の増収を達成しました。一方で、リサイクルメタル事業での採算悪化や、グループ拡大に伴う人件費増(前年比13億円増)などが響き、各利益項目は前年同期を下回る結果となりました。
通期予想に対する進捗評価としては、期初公表の経常利益見通し550億円に対して実績は522億円となり、達成率は95%(概ね計画通りの水準)に達しています。デリバティブ評価損などの一過性要因を除いた実力ベースの経常利益は556億円(達成率101%)となっており、本業の稼ぐ力は極めて堅固に維持されていると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度(2026年3月期) 決算説明資料 P.4
鉄鋼事業
【事業内容】 条鋼、建設工事、鋼板、特殊鋼、線材、鋼管の加工・販売および保管事業を展開。
【業績推移】 売上高1兆719億円(前年比7.2%減)、セグメント利益387億円(前年比16.7%増)。
【注目ポイント】 国内建設分野の需要を捉えたことに加え、持分法投資利益の拡大や海外子会社の採算改善が寄与し大幅増益を達成しました。さらに富士昭サンマテックの出資など環境配慮型建材の加工・施工機能を強化しており、エンジニアリングや加工管理の高度人材が強く求められています。
プライマリーメタル事業
【事業内容】 ニッケル、クロム、シリコン、マンガン、ステンレス母材、高機能材の販売。
【業績推移】 売上高2,441億円(前年比32.5%増)、セグメント損益1億円の損失(前年同期は60億円の利益)。
【注目ポイント】 副資材等の販売拡大で大幅増収となったものの、持分法適用会社であるサマンコール社からの投資損益低下が響き赤字転落となりました。脱炭素や二次電池(RRP・EV向け)分野への原料供給体制の再構築が進められており、新エネルギー素材の国際トレーダー需要が高まっています。
リサイクルメタル事業
【事業内容】 アルミ、銅、亜鉛、ニッケル等のリサイクル原料および貴金属の取扱。
【業績推移】 売上高2,842億円(前年比25.3%増)、セグメント利益13億円(前年比58.0%減)。
【注目ポイント】 鉛鉱石などの取扱量増加で増収を達成したものの、アルミ採算の悪化や金属価格高騰に伴う一時的なデリバティブ評価損の影響を受け減益となりました。サーキュラーエコノミー推進に向け、国内ヤードの能力増強や回収ネットワークの構築を担う現場・営業人材が必要とされています。
食品事業
【事業内容】 水産物(ホタテ、サケ等)および畜産物の調達・加工・販売。
【業績推移】 売上高1,505億円(前年比7.2%増)、セグメント利益30億円(前年比31.9%増)。
【注目ポイント】 米国子会社における外食産業向け販売の好調や、新規連結子会社の貢献が業績を大きく押し上げました。丸イホールディングスの買収により加工機能を強化しており、水産原料の調達からグローバル販売までを一貫して手掛ける食品専門人材の採用意欲が高まっています。
エネルギー・生活資材事業
【事業内容】 石油製品、工業薬品、化学品、バイオマス燃料の供給。
【業績推移】 売上高3,837億円(前年比2.0%減)、セグメント利益85億円(前年比18.1%減)。
【注目ポイント】 原油価格の低下や化学品の採算悪化で減益となりましたが、下半期にかけて石油関連製品の需要を捉え巻き返しました。バイオマス・リサイクル燃料(PKS等)などの環境配慮型エネルギービジネスへのシフトが進んでおり、新規環境商材の営業開拓者が注目されています。
海外販売子会社事業
【事業内容】 東南アジア、米州、東アジア等での各種商品の売買および現地物流事業。
【業績推移】 売上高5,177億円(前年比17.3%増)、セグメント利益55億円(前年比33.0%減)。
(注:当3QよりCOSMO STEEL HOLDINGS LTD.を本セグメントへ移動)
【注目ポイント】 東南アジアでのスクラップ取引拡大や組織再編に伴う子会社追加で二桁増収となりました。鉄鋼採算悪化により利益は抑制されたものの、インドネシアのコイルセンター新設や現地加工体制の強化を推進中であり、海外駐在を見据えたグローバル人材の重要性が増しています。
その他事業(住宅資材・機械事業等)
【事業内容】 戸建住宅向け住宅資材の販売、産業機械の提案および機器販売。
【業績推移】 売上高1,339億円(前年比0.1%増)、セグメント利益21億円(前年比11.2%減)。
【注目ポイント】 住宅メーカー向け取引の拡大や産業機械の完成物件増加が見られた一方、輸入木材の採算悪化や国内子会社のコスト増で減益となりました。大手住宅メーカーとの直取引や省人化ソリューション提案を深耕するための提案型営業が求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度(2026年3月期) 決算説明資料 P.7
阪和興業は2027年3月期(2026年度)の連結業績見通しとして、売上高3兆円(前年比12.7%増)、経常利益570億円(前年比9.1%増)を見込んでいます。2026年5月に始動した新「中期経営計画2028」では、3年累計1,600億円の投融資枠を掲げ、環境配慮型リサイクル、高付加価値加工品、地産地消(海外展開)への戦略投資を加速させる計画です。
特にサマンコール社などの持分法投資損益の改善や、新設・買収子会社とのシナジー発現を織り込んでおり、事業拡大に伴う即戦力人材の需要は全社的に拡大しています。国内外での新規取引先開拓とグループ経営の強化が同時に進められており、変革を主導できる中途採用人材にとって絶好の挑戦機会と言えます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
阪和興業は「ユーザー系独立系商社」として、単なるトレーディングにとどまらない加工・物流・リサイクル機能の内製化を強みとしています。志望動機を作成する際は、同社が推進する「そこか(即納・小口・加工)」戦略や積極的なM&A推進に触れ、「自身の経験(営業開拓力、施工管理、M&A・PMI経験、水産・エネルギー等の専門知識)を活かし、買収子会社とのシナジー創出や顧客への高付加価値提案にいかに貢献できるか」を具体的にアピールすることが効果的です。
面接での逆質問例
質問例1: 丸イホールディングスや富士昭サンマテックなど、近年拡大するグループ会社とのシナジー発現に向けた具体的な営業連携体制や、中途入社者が主導できる役割について教えていただけますでしょうか。
質問例2: 新中期経営計画2028で掲げられている「環境配慮型資源ビジネス」や「地産地消ビジネス(海外)」において、入社後に期待される新規開拓やミッションの具体例をお伺いできますか。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
職場全体での意識改革が求められる
女性のキャリア形成において、最近は積極的に女性総合職を採用し、管理職への登用も進んでいる印象です。実際、男女問わず能力を発揮できる環境が整いつつあり、女性社員がリーダーシップを発揮する場面も増えてきました。しかし、部署によっては依然として女性の意見が軽視されることがあり、上司の考え方に左右される部分も少なくありません。職場全体での意識改革が求められると感じます。
(人事・20代後半・女性) [キャリコネの口コミを読む]育児中の社員も多く、休暇の取得がしやすい
管理職に就いている女性は少ないものの、育児中の社員も多く、休暇の取得がしやすいです。事務職は特に業務量や待遇面での働きやすさが際立っており、営業職でも性別による特別な配慮はありませんが、産休や育休の取得は一般的で、復職後もスムーズに職場に戻れる体制が整っています。
(人事・40代後半・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 阪和興業 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 阪和興業 2025年度(2026年3月期) 決算説明資料
- 阪和興業 2026年3月期 連結決算ハイライト



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