松井証券の転職研究 2026年3月期通期決算に見るキャリア機会

松井証券の転職研究 2026年3月期通期決算に見るキャリア機会

松井証券の2026年3月期通期決算は、営業収益34.3%増、経常利益55.7%増の大幅増収増益を記録。能動的投資家層に特化した独立系戦略とFX・提携銀行サービスの拡大が進展。「なぜ今松井証券なのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

①営業収益526億円で大幅増収増益を達成する

国内株式市場の活況を追い風に、株式等委託売買代金が前年比35%増と拡大しました。営業収益は前期比34.3%増の526億6,000万円、経常利益は同55.7%増の238億1,300万円と大幅な業績拡大を達成しており、強固な収益基盤を確立しています。

②エージェントIGHと資本提携し新領域を開拓する

当事業年度において、保険代理店事業を展開するエージェントIGホールディングスとの資本業務提携契約を締結しました。従来のオンライン証券の枠組みを超え、対面でのFP相談や保険商品提供など新規事業領域の開拓を推進しており、多角的なキャリア機会が創出されています。

③配当性向基準を70%へ引き上げ還元を強化する

次期(2027年3月期)より株主還元方針を変更し、従来の配当性向60%以上かつ純資産配当率(DOE)8%以上の基準から、配当性向70%以上への引き上げを決定しました。高い自己資本規制比率を背景に、成長投資と積極的な株主還元を高い次元で両立させています。

1 連結業績ハイライト

活況な株式市況と金利上昇局面を捉え、営業利益・経常利益ともに前期比50%を超える力強い増益を記録しました。
26年3月期の業績ハイライト

出典:2026年3月期 決算報告資料 P.5

営業収益

52,660百万円

+34.3%(前期比)

営業利益

23,462百万円

+50.1%(前期比)

経常利益

23,813百万円

+55.7%(前期比)

当期純利益

15,480百万円

+47.4%(前期比)

当事業年度は、日経平均株価の乱高下を伴う上昇相場の中で個人の売買代金が膨らみ、委託手数料が前期比31.3%増となったほか、金利上昇に伴い預託金の運用収益が拡大し、金融収支が同29.0%増の173億600万円へと伸長しました。自己資本当期純利益率(ROE)も19.6%に達し、経営目標である株主資本コスト(8%)を大幅に超過する極めて高い資本効率を実現しています。

なお、証券業の業績は相場環境に大きく左右される特性があるため、通期の業績予想は非開示とされていますが、委託売買代金や各種収益項目の月次開示を通じて高い透明性が維持されています。通期実績ベースで全ての利益項目が40%以上の増益となっており、業績の進捗および事業基盤の拡大は極めて堅調に推移したと評価できます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

単一セグメントながら、株式・信用取引を中核にFX、投資信託、提携銀行サービスへと収益源の多角化を着実に進めています。
収益内訳と主要数値の推移

出典:2026年3月期 決算報告資料 P.6

株式・信用取引サービス

【事業内容】

個人投資家を対象とした現物・信用株式のオンライン売買仲介、IPO(新規公開株)引受、米国株取引を提供。

【業績推移】

委託手数料は前期比31%増の248億500万円、信用取引期中平残は同1%増の3,669億円と高水準を維持。

【注目ポイント】

競合大手が手数料無料化へ舵を切る中、能動的に投資を行うアクティブ個人投資家をターゲットに据え、東証売買内訳データの分析機能実装や米国株の取扱銘柄拡充(約5,000銘柄)を推進しています。IPO引受参入率は68.5%と業界上位を確立しており、取引ツールのUI/UX改善や商品企画を担う人材の重要性が高まっています。

活躍が期待される職種:取引ツール開発エンジニア、プロダクトマネージャー、IPO引受審査担当

FX(外国為替証拠金取引)サービス

【事業内容】

初心者からアクティブトレーダーまでを対象とした「MATSUI FX」の提供および自動売買機能の展開。

【業績推移】

トレーディング損益は前期比55%増の58億1,900万円、FX口座数は26万口座を突破し大幅な収益成長を達成。

【注目ポイント】

業界最狭水準のスプレッドを実現するコアタイム制の導入や、自動売買に適した通貨ペアの拡充(全32通貨ペア)により、新規口座開設者の43%がFX口座を開設するほどの成長ドライバーとなっています。収益ボラティリティを抑えつつ継続的な取引を促すため、為替ディーリング機能の高度化やリスク管理の専門家が不可欠となっています。

活躍が期待される職種:為替クオンツ・ディーラー、リスク管理担当、FXマーケティング企画

投資信託・資産形成・銀行提携サービス

【事業内容】

投資信託の積立販売、クレジットカード積立サービス、住信SBIネット銀行を通じた「MATSUI Bank」の展開。

【業績推移】

投資信託の期末残高は5,626億円へと伸長し、MATSUI Bank残高は683億円・約19万口座に達して資金流入が加速。

【注目ポイント】

JCBとの協業によるクレカ積立や、証券残高連動型の好金利円普通預金プログラムの導入により、預かり資産基盤が急拡大しています。新NISAを契機に参入した若年・初心者の資産形成ニーズを定着させるため、提携アライアンスの推進やオウンドメディアを通じたコンテンツ企画人材の獲得に注力しています。

活躍が期待される職種:アライアンス事業開発、投資信託マーケティング、デジタルコンテンツディレクター

3 今後の見通しと採用の注目点

独自路線の「投資×エンタメ」ブランドを強化しつつ、CFD取引や米国株23時間化など先端サービスの導入を加速します。
2026年度の主な取組みと成長戦略

出典:2026年3月期 決算報告資料 P.41

今後の成長戦略として、大手オンライン証券5社の中で「唯一の独立系証券」という立ち位置を活かし、能動的な投資家層を惹きつける高付加価値サービスの開発を掲げています。具体的には、2026年度に向けてCFD(差金決済取引)サービスの展開や、米国株式市場の23時間取引対応など、取引機会を最大化するプロダクト開発を予定しています。

また、登録者数80万人を突破したYouTubeチャンネルや、eスポーツチーム「FENNEL」との提携など、若年層に向けた独自の認知度向上策が実を結んでいます。加えて、不正アクセス対策としてのパスキー導入や24時間対応AIエージェントの拡充など、強固なセキュリティと高水準の顧客サポート体制の両立を進めており、フィンテック領域のシステムエンジニアやサイバーセキュリティ専門家の採用ニーズが一段と高まっています。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

松井証券は、大手コングロマリット傘下の競合他社とは一線を画し、「独立系オンライン証券」として能動的な投資家層にフォーカスした独自のポジショニングを確立しています。「投資をまじめに、おもしろく。」というスローガンのもと、YouTubeや動画メディアを通じた投資アイデアの提供とエンタメ性の融合に強みを持っています。

志望動機を構築する際は、単なる金融プラットフォームの運営にとどまらず、エージェントIGHとの提携による保険・FP相談への拡張や、CFD・米国株23時間化といった新サービス展開に対して、自身の専門スキル(UI/UX設計、システム開発、データ分析、コンテンツマーケティングなど)をどのように結びつけ、顧客体験価値の向上に貢献できるかを具体的に語ることが有効です。

Q&A

面接での逆質問例

質問例1:「2026年度の重点施策としてCFDサービスの展開や米国株式市場の23時間化対応が掲げられていますが、これらの新機能導入において、システム基盤やUI/UXの観点で特に乗り越えるべき技術的・運用上の課題は何でしょうか?」

質問例2:「エージェントIGホールディングスとの資本業務提携により保険領域やFP相談サービスの提供が始まりますが、オンライン証券の利便性と対面相談の付加価値を融合させる上で、マーケティングや顧客連携においてどのような組織間シナジーを期待されていますでしょうか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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残業は一年を通してそこそこある

残業は一年を通してそこそこあるどちらかといえば女性は残業をしなくていい風潮はあるが男は月に50時間ぐらいはしなければいけないと覚悟しなければならない、しかしみな他人の残業にとやかく言う雰囲気ではないため仕事が早く終わった場合は周りが働いていたとしても帰っても大丈夫な社風ではある。

(代理店営業・30代後半・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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もう少しは報酬をもらいたい

私は仕事量に対してはもう少しは報酬をもらいたいと思っています。同期で差はつけられますが、1.5倍まではいきません。ですので報酬に不満をもって辞められる方も何人かいらっしゃいました。その方たちは、他社に移って報酬が増えたようです。

(財務・40代前半・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 松井証券株式会社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)
  • 松井証券株式会社 2026年3月期 決算報告資料(2026年4月27日)

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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松井証券は、個人投資家向けのオンライン証券取引サービスを提供する企業です。直近の業績は、国内株式市場の活況を背景に増収増益となりました。