0 編集部が注目した重点ポイント
①売上・営業利益が過去最高を更新する
2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比7.4%増の1,352億13百万円、営業利益が前期比13.4%増の164億34百万円となり、過去最高業績の更新を達成しました。採算性の高い案件の拡大と販管費抑制により、営業利益率は前期の11.5%から12.2%へと着実に向上しています。
②注力領域比率が目標を前倒し達成する
高付加価値領域と位置付けるフォーカスビジネスの売上高が850億90百万円(前期比31.0%増)へ急伸しました。売上高比率は62.9%に達し、中期経営計画(2025-2027)で掲げる2028年3月期目標の57.0%を目標の前倒し達成という形で大きく上回り、事業構造の転換が進んでいます。
③AIアカデミー新設で育成を加速する
2026年4月に「DTS GenAIアカデミー」を創設し、2027年3月期までに300名以上のAIネイティブ開発人材を育成する方針を公表しました。育成組織の新設に伴い、高度IT技術者のスキル転換と社内教育基盤の強化が進み、生成AIを活用した開発・提案領域でのキャリア機会が広がっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明会 P.14
売上高
1,352.13 億円
前年同期比 +7.4%
営業利益
164.34 億円
前年同期比 +13.4%
経常利益
169.40 億円
前年同期比 +9.6%
親会社株主に帰属する当期純利益
116.44 億円
前年同期比 +9.5%
※EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は177億90百万円(前期比13.9%増)となりました。
当期は、企業のデジタル投資が情報系や顧客接点系へシフトする流れを的確に捉え、クラウド基盤更改や生成AIインフラ構築などの高付加価値案件が業績を牽引しました。売上総利益は前期比4.6%増の296億76百万円に伸長し、販管費が4.6%減と効率的に推移した結果、営業利益率は前期の11.5%から12.2%へと0.7ポイント改善しています。
通期業績予想に対する進捗状況の評価としては、売上高が予想比100.2%、営業利益が予想比106.0%、当期純利益が予想比106.8%に達しており、全ての利益項目で計画を上回る計画達成の進捗となりました。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明会 P.8
業務&ソリューション
【事業内容】 顧客の業界知見にデジタル技術を付加し、金融・公共・通信分野などの基幹業務システム導入コンサルティングから設計・開発・保守までを一貫提供。
【業績推移】 売上高は前期比0.7%減の528億10百万円、セグメント利益は前期比10.4%増の75億7百万円となりました。
【注目ポイント】 前年のメガバンク大型特需の反動により売上は微減となったものの、利益率の高い自治体向け消防システム更改や通信向け基幹開発が牽引し増益の確保を実現しました。東北システムズ・サポートによるRFID(電波による非接触自動識別技術)新製品発売や、九州DTSにおける北九州開発センターの開所など、地域連携とニアショア体制の拡充を進めており、業務ノウハウを持つPM(プロジェクトマネージャー)人材への需要が高まっています。
テクノロジー&ソリューション
【事業内容】 クラウド、セキュリティ、ERP等の最新デジタル技術を業界横断で提供し、自社・他社ソリューションの導入支援や組込み開発を展開。
【業績推移】 売上高は前期比7.3%増の459億98百万円、セグメント利益は前期比19.5%増の54億78百万円となりました。
【注目ポイント】 証券会社向けクラウド基盤更改やサイバーセキュリティ対策、製造業向けmcframe(製造業向け生産・原価管理パッケージ)導入支援が伸長し、大幅増益の達成を記録しました。ServiceNowやintra-martの案件拡大に加え、3D住宅CAD「Walk in home」への生成AI画像生成機能搭載など自社プロダクトの強化も進んでおり、特定ソリューションに精通したITコンサルタントやアーキテクトが活躍しやすい環境です。
プラットフォーム&サービス
【事業内容】 先端IT機器導入、データセンターやクラウド環境の構築、常駐・遠隔監視運用、運用管理サービス「ReSM」等の提供。
【業績推移】 売上高は前期比22.1%増の364億5百万円、セグメント利益は前期比11.3%増の34億42百万円となりました。
【注目ポイント】 データセンター向けの生成AIインフラ構築や、理化学研究所主導の量子HPC(高性能計算)連携スーパーコンピュータシステム構築の完工が寄与し、売上20%超の急成長を遂げました。運用サービス「ReSM plus」に生成AIと有人対応を組み合わせた新機能を実装するなど、マネージドサービスの高度化を推進しており、最先端インフラやAI基盤に携わるインフラエンジニアの採用機会が拡大しています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明会 P.25
2027年3月期の通期連結業績は、売上高1,420億円(前期比5.0%増)、営業利益170億円(前期比3.4%増)と連続での増収増益を計画しています。中期経営計画(2025-2027)の初年度実績として成長投資は57億円を実行し、累計325億円の目標に向けてM&A投資枠100億円や人的資本投資110億円の執行を加速させていく方針です。高度プロフェッショナル人材は計画の350名を上回る351名へ増加しており、OpenAI Japanとの連携や慶應義塾大学との共同研究など、先進AI技術を取り入れたソリューション開発体制の強化が進んでいます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
DTSは独立系SIer(システムインテグレーター)として強固な顧客基盤を持ちながら、フォーカスビジネス比率が62.9%に達するなどビジネスモデルの高度化を急速に進めています。面接では、単なる開発経験にとどまらず、「クラウド基盤更改や生成AIインフラ構築などの注力領域において、自身の専門性をどのように発揮できるか」を語ることが有効です。また、2026年4月に設立された「DTS GenAIアカデミー」や社内公募制度など、人的資本への積極投資を活用して自らを成長させ、プライム案件の推進に貢献したいという意欲を示すと高い評価に繋がりやすいでしょう。
面接での逆質問例
質問例1: 「中期経営計画においてフォーカスビジネス売上高比率が62.9%と目標(57.0%)を前倒しで達成されていますが、現場の開発チームではどのような案件や技術領域へのシフトが最も顕著に現れていますか?」
(事業構造の変化が現場の配属や業務内容にどう反映されているかを確認できます。)
質問例2: 「2026年4月に新設された『DTS GenAIアカデミー』では、中途入社者に対してどのようなAIネイティブ開発のリスキリングやプロジェクトアサインの機会が用意されていますか?」
(入社後のキャリア形成支援やAI関連プロジェクトへの関わりやすさを探る質問です。)
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
どのキャリアを組むにしても形になる
客先常駐ではあったが、その業界の知見をつけられたことは良かった。業務の内容や業界の知見は、今後どのキャリアを組むにしても形になることは間違いない。
(20代後半女性・システムエンジニア・正社員) [キャリコネの口コミを読む]風通しがいいと思う
風通しがいいと思う。上司に気を遣って意見が言えないなどはなく、伝え方に気をつければ意思表示がちゃんとできる。それを汲み取ろうという上司の理解もある気がする。
(20代後半女性・システムエンジニア・正社員) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月1日公表)
- 2026年3月期 決算説明会資料(2026年5月1日公表)



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