0編集部が注目した重点ポイント
① モビリティ事業への改称とともに営業利益が大幅に回復する
当期より旧モジュール・システム事業を「モビリティ事業」へ刷新しました。不採算製品の縮小や売価改善、完成車メーカーの需要持ち直しにより、同事業の営業利益は前年同期比152.6%増の141億円へ急回復しました。デジタルキャビンや高付加価値製品への移行が進み、車載領域でのキャリア機会が再拡大しています。
② 本業の稼ぐ力を示す営業利益が前年比23.3%増の420億円にのぼる
モビリティ事業の劇的なV字回復に加え、コンポーネント事業における車載・民生・モバイル市場向け出荷が揃って増加したことで、連結営業利益は前年同期比23.3%増の420億円を達成しました。前期の資産売却益反動で純利益は減益となりましたが、本業の収益基盤は大幅に強化されています。
③ 配当方針をDOE3%基準へ変更し年間配当62円へ増配を実行する
資本政策の一環として株主還元方針を改定し、自己資本配当率(DOE)3%を目安とする安定配当方針を導入しました。当期の年間配当金を前期比2円増の1株当たり62円とし、次期(2027年3月期)も64円への連続増配を予定するなど、経営の健全性と積極的な株主還元姿勢を姿勢として示しています。
1連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 通期 決算説明会 P.4
売上高
1兆194億円 (前年同期比 +2.9%)
営業利益
420億円 (前年同期比 +23.3%)
経常利益
491億円 (前年同期比 +61.0%)
当期純利益
268億円 (前年同期比 -29.0%)
2026年3月期の通期連結業績は、売上高が前年同期比2.9%増の1兆194億円、営業利益が同23.3%増の420億円と、増収および営業大幅増益を記録しました。モビリティ事業での収益性改善や不採算製品の圧縮、車載・民生・モバイル全市場での出荷伸長が利益を強力に下支えしています。当期純利益については、前年に発生したアルプス物流株式の売却益など一性特別利益の反動により同29.0%減となりました。
通期計画に対する進捗状況の評価として、期首の売上・利益目標を見事にクリアした着実で順調な成果と判断できます。構造改革(不採算解消や売価適正化)の成果が数値となって表れており、安定した成長軌道への回帰を示しています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 通期 決算説明会 P.6
コンポーネント事業
事業内容:スイッチ、アクチュエーター、haptic reactor等の各種電子部品を開発・製造・販売しています。
業績推移:売上高は3,583億円(前年比3.0%増)、営業利益は301億円(前年比0.8%減)でした。
注目ポイント:車載、民生、モバイルの全市場向け製品が伸長したものの、製品構成変化や地金・原材料価格の高騰が利益を圧迫しました。今後は車載向け48V対応スイッチやロボット向けポジションセンサーなどの新機能パッシブデバイスの開発を進めており、材料・機構設計の技術者が強く求められています。
注目職種:電子部品設計エンジニア、構造・材料開発スペシャリスト、車載機器向け技術営業
センサー・コミュニケーション事業
事業内容:各種センサーやミリ波デバイス、デジタルキーなどの通信機器を手掛けています。
業績推移:売上高は852億円(前年比1.3%増)、営業損失は35億円(前年は33億円の赤字)となりました。
注目ポイント:従来型キーレスからのデジタルキー転換期に伴う端境期や事業譲渡の影響を受けたものの、ポータブルフォトプリンターの拡大が売上を補補しました。次世代車載デジタルキーやミリ波センサーの量産化に向け、通信・センサー分野の先端開発エンジニアが必要とされています。
注目職種:通信デバイス開発エンジニア、組込みソフトウェア開発者、次世代車載キーシステム設計者
モビリティ事業(旧モジュール・システム事業)
事業内容:車載モジュール、インフォテインメント、ディスプレイ、サウンド等の製造・販売を行っています。
業績推移:売上高は5,550億円(前年比3.3%増)、営業利益は141億円(前年比152.6%増)とV字回復を遂げました。
注目ポイント:完成車メーカーの需要回復に加え、不採算製品の縮小や売価適正化が実を結び利益が急伸しました。キャビンドメインコントローラーなど統合デジタルキャビン製品の導入を推進しており、ソフトウェアアーキテクトやハード・ソフト統合技術者の採用意欲が極めて高い領域です。
注目職種:車載ソフトウェアアーキテクト、キャビン統合制御エンジニア、車載システムプロジェクトマネージャー
その他事業
事業内容:システム開発、オフィスサービス、金融・リース事業などを展開しています。
業績推移:売上高は207億円(前年比1.0%減)、営業利益は12億円(前年比14.3%減)となりました。
注目ポイント:グループ全体の業務基盤やソリューションを支える安定的な事業基盤として機能しています。
注目職種:社内システムエンジニア、ITインフラ構築担当
地域別実績(中国・アメリカ・韓国・日本・その他)
事業内容:世界23の国と地域、183拠点でグローバルに展開しています。
業績推移:中国2,062億円、アメリカ1,854億円、韓国1,522億円、日本1,189億円、その他3,566億円となりました。
注目ポイント:韓国でのスマートフォン向け大幅伸長(前年比24.4%増)や、北米・日本での車載需要持ち直しが全体を牽引しています。海外売上高比率が88%を超えるグローバル環境で、国際的なサプライチェーン管理や現地営業の需要が高まっています。
注目職種:グローバルサプライチェーンマネージャー、海外技術営業、国際品質保証スペシャリスト
3今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 通期 決算説明会 P.19
2027年3月期の連結業績予想は、売上高1兆450億円(前年比2.5%増)、営業利益485億円(同15.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益300億円(同11.6%増)を見込んでいます。自動車OEMの開発計画変更やメモリー・地金等の部材価格上昇リスクに対処するため、調達確保の徹底と顧客との補償・価格適正化交渉を精力的に推進しています。
中期経営計画2027のKGIとして「PBR 1倍以上」「ROE 10%」の早期達成を掲げており、国内生産拠点の再編(自動化・省人化投資400億円効果)やソフトウェア・IP事業への注力を加速させています。変革を進める車載および電子部品領域の高度人材にとって、大規模なプロジェクトで自身のスキルを試す好機となっています。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
アルプスアルパインは「モビリティ事業」への刷新に伴い、不採算構造からの脱却とデジタルキャビン分野へのシフトを明確に打ち出しています。志望動機では、同社が目指す「人の感性に寄り添うテクノロジーで未来をつくる(ビジョン2035)」や「高付加価値製品へのシフト」に対し、自身の持つ技術力や業務経験をどのように融合させ、収益改善や新規価値の創出に貢献できるかを具体的にアピールすることが重要です。
面接での逆質問例
- モビリティ事業においてキャビンドメインコントローラーなどの統合製品の開発が進んでいますが、ハードウェアとソフトウェアの融合開発における組織体制の強みを教えてください。
- 地金やメモリーの価格高騰に対する顧客補償や価格適正化の交渉を強化されていますが、設計・開発現場でコスト低減を図る工夫にはどのような取り組みがありますか。
- 中期経営計画2027の中で国内生産性の競争力強化(自動化・拠点再編)が挙げられていますが、技術者や現場スタッフに求められる役割の変化についてどのように捉えていらっしゃいますか。
5転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
若手から中堅まで幅広い年齢層が活躍
営業や総務部門は穏やかな雰囲気で、若手から中堅まで幅広い年齢層が活躍しており、離職率も低いように感じます。
(40代前半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- アルプスアルパイン 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- アルプスアルパイン 2026年3月期 通期 決算説明会



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