カカクコムの転職研究 2026年3月期通期決算に見るキャリア機会

カカクコムの転職研究 2026年3月期通期決算に見るキャリア機会

カカクコムの2026年3月期通期決算は、売上高941億円で過去最高を更新。食べログの飲食予約や急成長する求人ボックスが牽引し、2026年4月にはエンゲージ子会社化でHR事業を本格始動。「なぜ今カカクコムなのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

①売上収益は過去最高の941億円を達成し20%の増収を記録する

食べログ事業の飲食予約拡大や求人ボックス事業の急成長が全体を牽引し、通期売上収益は前年同期比20.0%増の94,127百万円となり過去最高の更新を達成しました。主力のプラットフォーム群が強固な顧客基盤を背景に高い拡張性を発揮しています。

②HR事業へ改称しエンゲージ買収で成長基盤を強化する

2026年4月より求人ボックス事業を「HR事業」へ名称変更し、同日付で株式会社エンゲージを子会社化しました。2ブランド体制の確立に伴い、求人領域におけるプロダクト開発や事業開発の専門人材にとってキャリア機会が大きく拡大する可能性が高まっています。

③食べログはネット予約が牽引しセグメント利益22%増を果たす

食べログ事業は契約店舗数とオンライン予約人数の持続的な拡大により、セグメント利益が前年同期比22.8%増の22,196百万円へ伸長しました。インバウンド需要の取り込みも進み、収益の柱として高収益体質の更なる向上を牽引しています。

1 連結業績ハイライト

積極的な事業投資を継続しながら2桁増収を達成し、強固な収益基盤と将来への先行投資を両立しています。
FY26/3 Q4及び通期の連結実績

出典:FY26/3 決算説明資料 P.3

売上収益 94,127百万円 +20.0%
営業利益 27,243百万円 -7.0%
税引前利益 27,347百万円 -4.8%
当期利益(親会社帰属) 18,803百万円 -6.1%

当連結会計年度における売上収益は、食べログ事業や求人ボックス事業の伸長により94,127百万円と大幅な増収を達成しました。一方、営業利益は27,243百万円と減益になりましたが、これは求人ボックス事業における認知度向上を目的とした広告宣伝費や営業代理店連携に伴う手数料など、将来成長を見据えた計画的な成長投資の実行によるものです。

通期業績予想に対する達成状況については、売上収益が達成率102.3%と期初計画を上回って着地した一方、営業利益はM&A関連費用や先端技術投資が重なり進捗率97.3%と若干未達となりましたが、コアビジネスの拡大スピードは堅調な進捗を示しています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

中核事業の安定的な収益力と新規・成長領域への積極投資が明確に分かれており、事業ステージに応じた多様な活躍環境が存在します。
FY26/3 Q4及び通期のセグメント別売上収益と利益

出典:FY26/3 決算説明資料 P.4

価格.com事業

【事業内容】購買支援サイト『価格.com』の運営や、株式会社カカクコム・インシュアランスによる保険代理店業務を展開しています。

【業績推移】売上収益は23,611百万円(前年同期比0.1%減)、セグメント利益は12,548百万円(前年同期比6.9%増)となりました。

【注目ポイント】金利上昇に伴う金融領域の落ち込みがあったものの、パソコン買替需要によるショッピング領域の好調と運営効率化により増益を確保しました。安定した高収益基盤を維持しながら、新たなユーザー接点や付加価値を生み出すためのサービス機能強化を担うエンジニアや企画人材が引き続き求められています。

注目職種: Webエンジニア、プロダクトマネージャー、広告運用担当

食べログ事業

【事業内容】レストラン検索・予約サイト『食べログ』を展開し、飲食店向け集客支援および予約システムを提供しています。

【業績推移】売上収益は40,239百万円(前年同期比20.2%増)、セグメント利益は22,196百万円(前年同期比22.8%増)となりました。

【注目ポイント】有料サービスの総契約店舗数が10万店を超え、オンライン予約人数も大幅に伸長しました。飲食店向け業務DXサービスの推進やインバウンド予約対応など、外食産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する法人営業やアライアンス担当の積極採用が事業成長を支える鍵となります。

注目職種: 法人営業、カスタマーサクセス、DXソリューション企画

求人ボックス事業

【事業内容】求人情報の一括検索サイト『求人ボックス』および海外向け『Jobcube』の運営を行っています。

【業績推移】売上収益は20,205百万円(前年同期比51.2%増)、セグメント損失は1,486百万円(前年は4,263百万円の利益)となりました。

【注目ポイント】積極的なブランド投資により認知度が急上昇し、稼働アカウント数とARPU(稼働アカウント当たり売上)が過去最高を更新しました。2026年4月からはエンゲージ社の連結化に伴い「HR事業」へ刷新されるため、大規模なプロダクト統合や事業シナジー創出を牽引するリーダー層にとって絶好の挑戦環境です。

注目職種: プロダクトマネージャー、マーケティング戦略担当、データアナリスト

インキュベーション事業

【事業内容】『スマイティ』や『フォートラベル』、旅行予約の株式会社タイムデザイン、マッチング事業の株式会社LiPLUSホールディングス等を展開しています。(注:LiPLUS社は2025年4月より新規連結)

【業績推移】売上収益は10,071百万円(前年同期比26.6%増)、セグメント利益は2,740百万円(前年同期比42.3%増)となりました。

【注目ポイント】新規連結したLiPLUS社と旅行動向の回復を受けたタイムデザイン社が業績を牽引しました。生活関連領域における多様な事業ポートフォリオを抱えており、新規事業立ち上げやM&A後のPMI(事業統合プロセス)を主導できる事業開発人材の活躍余地が非常に大きいセグメントです。

注目職種: 新規事業開発、PMI担当、アライアンスマネージャー

3 今後の見通しと採用の注目点

2027年3月期は2桁増収増益を見込み、新設されるHR事業と生成AI活用をテコに新たな成長局面へと進みます。
FY27/3の業績と配当の予想

出典:FY26/3 決算説明資料 P.15

2027年3月期の通期連結業績は、売上収益114,500百万円(前期比21.6%増)、営業利益30,800百万円(前期比13.1%増)を見込んでいます。2026年4月より求人ボックスとエンゲージの2ブランド体制となる「HR事業」では、初期投資を投じつつ中長期のシナジーを追求する方針です。また、経営管理指標として「調整後EBITDA(営業利益+減価償却費等+株式報酬費用±一過性損益)」を導入し、通期で36,000百万円を見込んでいます。生成AIなどの先端技術投資や営業人員の拡充に伴うオフィス拡張を予定しており、AI技術者や組織拡大を担うスペシャリストの採用が一段と加速する見通しです。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

カカクコムは従来の「価格.com」依存から脱却し、「食べログ」の圧倒的な収益力と「求人ボックス(新HR事業)」の急成長という複眼的なポートフォリオを確立しています。面接では、2026年4月に実行されたエンゲージの連結化によるHR事業拡大や、食べログにおける飲食店DX・インバウンド戦略など、同社が注力する具体的成長テーマに対して自身のスキルがどう即戦力として機能するかを明確に提示することが有効です。

Q&A

面接での逆質問例

質問例1: 「HR事業において求人ボックスとエンゲージの2ブランド体制が始動しましたが、プロダクト開発やデータ連携の面でどのようなシナジー創出を最優先で進めていらっしゃいますか?」

質問例2: 「成長投資として生成AIなどの先端技術や営業人員拡充への投資を掲げられていますが、配属予定部署ではAIの業務実装やプロダクト適用について具体的にどのような検証が進んでいますでしょうか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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安心して働ける環境が整っている

体調に不安があるときでも安心して働ける環境が整っているのはありがたいです。全体的に、性別に関係なく働きやすい職場だと思います。

(コンサルティング営業・20代前半・女性) [キャリコネの口コミを読む]
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リモートワークが主流

リモートワークが主流であるものの、契約上は出社が前提となっているため、地方での勤務は難しい状況です。夏休みは好きな時期に5日間取得できましたが、今後この制度がどうなるかは不透明です。

(システムエンジニア・40代後半・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
  • FY26/3 決算説明資料(2026年5月8日発表)

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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