0編集部が注目した重点ポイント
①LiDAR事業の開発を凍結しインフラ分野へ集中する
乗用車向け先進ADAS市場の立ち上がり遅れを受け、乗用車用車載向け開発を凍結しました。過去の投資について143億円の減損損失を計上し、開発体制を大幅縮小したうえで、堅調な需要が見込める国内インフラ・産業向け事業へ経営資源を集約します。
②営業利益514億円を達成し計画値を大幅に上回る
2026年3月期通期決算では、新規受注やハイブリッド車向け販売の増加、合理化の推進により営業利益514億円(前期比14.6%増)を達成しました。公表計画値の450億円を64億円上回って着地しており、北米やアジアでの需要増加が収益を力強く牽引しています。
③欧州・中国の拠点再編と固定費削減を断行する
2025年11月に英国子会社の全株式譲渡を完了したほか、中国においても福州工場の清算や湖北拠点の縮小など生産体制の見直しを実施しました。不採算拠点の整理と固定費削減により、地域ごとの収益体質改善とグローバル最適配置を進めています。
1連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明会 P.5
売上高
9,476億円 +3.4%
営業利益
514億円 +14.6%
経常利益
587億円 +19.6%
親会社株主に帰属する当期純利益
165億円 △64.2%
2026年3月期の通期連結業績は、世界各地域での新規受注や米州でのハイブリッド車向け需要増が寄与し、売上高9,476億円(前期比3.4%増)、営業利益514億円(同14.6%増)、経常利益587億円(同19.6%増)と本業の収益性が大幅に向上しました。一方で、LiDAR事業および中国事業に係る減損損失(計200億円)を特別損失に計上した影響により、当期純利益は165億円(同64.2%減)となりました。
通期業績の達成状況として、売上高は公表計画の9,130億円に対し104%、営業利益は計画450億円に対し114%に達しており、通期予想を上回り順調に着地しました。構造改革による減損処理を完了したことで、今後の収益改善に向けた財務面のクリーン化が完了しています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明会 P.14
日本
事業内容:国内市場における自動車照明機器および鉄道車両機器、照明機器等の開発・製造・販売を展開しています。
業績推移:売上高3,678億円(前期比4.6%増)、営業利益248億円(同9.6%増)。
注目ポイント:国内自動車生産台数が微減となる中、新規受注や受注車種の販売好調により確実な増収増益を維持しました。部品工程の自動化や開発効率化による合理化効果(21億円)が進んでおり、国内工場での高度自動化や生産技術革新を支えるエンジニアの役割が高まっています。
注目の職種:生産技術・工程自動化エンジニア、照明機器光学設計担当者
米州
事業内容:米国(NAL)、メキシコ、ブラジルの拠点において自動車照明器の生産・販売を行っています。
業績推移:売上高3,286億円(前期比4.3%増)、営業利益35億円(同33.1%減)。(※スライド会社別数値では売上3,215億円・営業利益140億円)
注目ポイント:ハイブリッド車の需要増や得意先キャンペーン効果が追い風となり売上高を伸ばしました。米国関税影響があったものの、物流や検査工程の自動化、人員最適化による合理化効果35億円の創出を進めており、現地拠点の収益改善を主導するグローバル人材が必要とされています。
注目の職種:北米拠点生産管理マネージャー、中南米プロジェクトリーダー
中国
事業内容:広州、湖北、福州等の拠点から現地系メーカーおよび日系メーカー向けへ製品を供給しています。
業績推移:売上高533億円(前期比8.5%減)、営業利益5億円(前期11億円赤字から黒字化)。
注目ポイント:日系自動車メーカーの販売不振を受け減収となりましたが、福州工場の清算や湖北工場の縮小など生産体制見直しによる固定費削効果(28億円)が功を奏し営業黒字へ転換しました。最適規模への再編と開発の現地化を完遂できる組織管理能力が評価されます。
注目の職種:中国事業現地化推進担当、工場再編プロジェクト管理者
アジア
事業内容:タイ、インドネシア、台湾、インド、マレーシア等の成長市場において自動車用照明器具を展開しています。
業績推移:売上高1,626億円(前期比4.6%増)、営業利益189億円(同12.1%増)。
注目ポイント:インドの経済成長に伴う需要増や新規受注獲得が全体の成長を強力に後押しし、11.5%の高い営業利益率を維持して過去最高レベルの利益を創出しました。インドでの増産対応が加速しており、新興国市場での需要捕捉や現地調達化を推し進める人材への期待が高まっています。
注目の職種:インド・ASEAN域内営業マーケター、海外調達スペシャリスト
欧州
事業内容:英国およびチェコ(KCZ)の拠点を通じ、欧州市場向けへ照明機器を供給しています。
業績推移:売上高351億円(前期比2.9%減)、営業利益8億円(前期7億円赤字から黒字化)。(※注:2025年11月の英国子会社譲渡に伴い前年同期比較に留意が必要)
注目ポイント:域内景気低迷や2025年11月の英国子会社(KEL)株式譲渡の影響で減収となりましたが、固定費の削減とライン統廃合により営業黒字へ挽回しました。適正規模へのダウンサイジングを通じて収益基盤を再構築する企画管理力が重視されています。
注目の職種:欧州子会社事業管理担当、生産ライン再編コンサルタント
3今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明会 P.22
2027年3月期(2026年度)の通期計画は、売上高9,330億円(前期比1.5%減)、営業利益600億円(同16.6%増・営業利益率6.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益395億円(同138.8%増)を予想しています。この数値は第1次中期経営計画の最終年度目標(売上高9,300億円・営業利益560億円)を上回る計画です。
ADB(配光可変ヘッドランプ)等の高付加価値製品の普及や、LiDAR事業の乗用車向け撤退に伴う赤字大幅縮小(前期比+54億円の改善)、全社で96億円規模の合理化推進が利益増に寄与します。次世代モビリティ用ライティングや、国内インフラ向けLiDAR分野、グローバル生産ラインの自動化に関わる専門人材の獲得が大きな焦点となります。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
世界トップレベルの自動車照明技術を盤石の基盤としつつ、収益性を重視した果断な構造改革を進める経営スタンスへの共感を伝えることが有効です。ADBなどの高付加価値製品のグローバル展開や、乗用車向けからシフトした国内インフラ用LiDAR分野において、自身の専門スキルがどのように強固な収益基盤づくりに寄与できるかを論理的にアピールしましょう。
面接での逆質問例
- LiDAR事業の乗用車向け凍結と国内インフラ・産業向け集中に伴い、エンジニアチームにはどのような役割変化や挑戦の機会がありますか?
- 米州やアジアなどの海外拠点において、工場自動化や生産性改善を主導するプロジェクトでの中途入社者の活躍事例を教えていただけますか?
- 第1次中期経営計画の目標値を前倒しでクリアする見通しですが、次期中期計画に向けた成長投資ではどの分野が注力領域となりますか?
5転職者が知っておきたい現場のリアル
全体的に見直しが進んでいる
以前は家賃補助がわずか5000円でしたが、最近になって改善され、多少増額されたようです。
年功序列が根強く残る職場
年功序列が根強く残る職場で、特に年配の社員の意見が重視される傾向があります。
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算説明会資料(2026年5月13日発表)
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日発表)



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