0 編集部が注目した重点ポイント
① 子会社持分法適用による体制を変更
2025年8月に連結子会社であった北陸電気工事が持分法適用会社へ移行しました。これにより、その他事業セグメントにおいて売上高が減少し、前年同期と単純比較できない状態となっています。グループ再編による事業管理体制の見直しとして注目されます。
② 4年ぶりの減収減益を記録
2021年度以来となる4年ぶりの減収減益となりました。総販売電力量は増加したものの、燃調収入の減少や容量確保契約金額の減少が売上を押し下げ、設備関連費などの費用増が利益を圧迫する結果となっています。
③ 自然災害へのインフラ復旧対応を推進
令和6年能登半島地震および奥能登豪雨に伴う仮復旧費用に対する災害等扶助交付金を特別利益として計上しています。自然災害の脅威が増す中、電力インフラの強靱化と安定供給に向けた取り組みがより一層重要視されています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 決算概要 P.4
売上高(営業収益)
7,865億円
前年同期比 91.6%
経常利益
850億円
前年同期比 93.1%
親会社株主に帰属する当期純利益
544億円
前年同期比 83.6%
通期実績は売上高7,865億円、経常利益850億円となり、2021年度以来4年ぶりの減収減益という結果になりました。電力需要においては、契約電力の増加や卸電力取引所への販売増を背景に、総販売電力量が331億57百万キロワット時へと増加しました。しかしながら、燃調収入や容量確保契約金額の減少が売上高を大きく押し下げています。
経常利益については、水力発受電量の増加によるプラス要因はあったものの、設備関連費の増加や七尾大田火力発電所2号機の停止影響が響き、減益着地となりました。通期決算であるため進捗率は100%となりますが、事業環境の変化に対応するための徹底したコスト管理や安定稼働に向けた保守体制の整備が引き続き重要な課題として認識されています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 決算概要 P.10
発電・販売事業
事業内容:国内における発電および小売電気事業、卸販売などを展開しています。
業績推移:売上高は7,219億円(前年比94.2%)と減収、セグメント利益は663億円(同108.0%)と増益になりました。
注目ポイント:総販売電力量は増加しましたが、燃調収入の減少などにより減収となりました。一方で水力発受電量の増加などが寄与し、利益水準の改善を達成しています。電力の安定供給を維持しつつコスト最適化を図るため、電源調達や需給調整を担う人材の重要性が高まっています。
送配電事業
事業内容:北陸域内を中心とした一般送配電事業を展開しています。
業績推移:売上高は2,217億円(前年比100.2%)と微増収、セグメント利益は196億円(同89.5%)と減益になりました。
注目ポイント:再生可能エネルギー電源の買取に伴う卸電力取引所での販売増加などが売上に寄与したものの、修繕費の増加により利益が圧迫されました。老朽化対策や自然災害に対するレジリエンス強化など、堅牢な電力網を支える技術系・設備系人材の需要が底堅い領域です。
その他
事業内容:設備保守、建設工事の受託、情報通信、事業投資、不動産管理などを展開しています。
業績推移:売上高は1,272億円(前年比82.6%)、セグメント利益は39億円(同30.3%)と大幅な減収減益になりました。
注目ポイント:(注:当期より北陸電気工事が持分法適用会社に移行したため、前年同期と単純比較不可)。請負工事の受注減少とグループ体制の再編が大幅な業績変動の要因となっています。今後はグループ内外での新規事業開発やDXによる付加価値向上が求められており、企画推進人材の活躍が期待されます。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 決算概要 P.7
2026年度(2027年3月期)の通期予想について、総販売電力量は小売および卸販売の減少を織り込み、310億キロワット時程度と見込まれています。これに伴い売上高は7,600億円程度へと減収を予想し、利益面でも七尾大田火力発電所2号機の停止影響などが大きく響き、経常利益は350億円程度(前期比500億円減)という厳しい見通しが立てられています。
このような経営環境においては、徹底したコスト削減と設備運用の効率化が急務となります。また、福井火力発電所三国1号機の廃止決定に見られるような設備ポートフォリオの抜本的な見直しや、相次ぐ自然災害への対応力強化に向けたインフラ投資など、持続可能な電力インフラ構築に向けたプロジェクトを力強く牽引できる中核人材の採用がますます重要になっていくと考えられます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
北陸電力の志望動機では、公共インフラを支える使命感に加え、事業環境の変化への対応力をアピールすることが重要です。「火力発電所の廃止決定など電源構成の転換期において自身の〇〇の専門性を発揮したい」や、「激甚化する自然災害の脅威に対し、強靱な電力網の維持・構築に貢献したい」といった、現状の課題解決に直結する視点を含めると説得力が増すでしょう。
面接での逆質問例
「北陸電気工事の持分法適用会社化など、グループ体制の再編が進む中で、今後その他事業部門において特に強化していくソリューション領域はありますか?」
「七尾大田火力発電所2号機の停止影響による課題が挙げられていますが、現場における保守プロセスの効率化やデジタル技術(DX)の活用について、どのような取り組みを進めていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年度 決算概要



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