0 編集部が注目した重点ポイント
①営業利益33.3%増で過去最高益を達成する
2026年3月期の完成工事高は前期比12.5%増の1,548億84百万円、営業利益は前期比33.3%増の151億28百万円に達し、過去最高益の更新を成し遂げました。大型案件の進捗に加え、受注段階での採算性改善やプロジェクト管理の高度化が大幅な増益に直結しています。
②中期計画PhaseⅡの目標を1年前倒しで達成する
中期経営計画PhaseⅡにおいて、当初2026年3月期に掲げていた営業利益90億円やROE10%以上などの主要経営数値目標を1年前倒しで達成しました。旺盛な建設需要を着実に取り込み、施工体制の効率化とストックビジネスの強化を進めたことが高い収益力をもたらしています。
③次期中計で300億円の成長投資枠を設定する
2026年度から始動する中期経営計画PhaseⅢでは、4年間で創出するフリーキャッシュ600億円のうち成長投資に300億円を配分する方針を明示しました。AI・デジタル領域や宇宙関連をはじめとする新領域、M&Aへの積極投資を進めるため、専門人材のキャリア機会が広がっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.1
完成工事高
1,548億84百万円
前期比 +12.5%
営業利益
151億28百万円
前期比 +33.3%
経常利益
158億81百万円
前期比 +32.6%
親会社株主に帰属する当期純利益
121億54百万円
前期比 +25.9%
当連結会計年度は、オフィスビル等の再開発案件や半導体・工場関連施設の施工が力強く進捗し、完成工事高は1,548億84百万円となりました。利益面では資材価格や人件費の高騰が見られたものの、価格転嫁や原価管理の徹底により完成工事総利益率が17.6%(前期比1.6pt向上)へと改善し、営業利益率は9.8%に達して利益率の大幅な向上を成し遂げています。
当通期決算の実績値は、期首および通期計画を大きく超過して着地しており、事業基盤の強化策が結実して極めて好調な業績進捗を示しました。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.8
個別国内:一般設備工事
事業内容:オフィスビル等の大規模開発、産業用工場、データセンター等の空調・給排水衛生設備の設計・施工管理を担当します。
業績推移:完成工事高は前期比15.8%増の1,204億87百万円、受注工事高は前期比23.5%増の1,429億60百万円となりました。
注目ポイント:都市部の大型再開発に加え、半導体やデータセンターといった高度なクリーン環境を求める産業施設需要が極めて旺盛です。独自の物流・加工ネットワーク「SNK-SOLNet」や資機材管理ツール「ConstraX」の展開により、現場工数を最大30%削減する生産性改革が進んでおり、施工管理の効率化と高度化を推進できる即戦力技術者が強く求められています。
個別国内:原子力施設設備工事
事業内容:原子力発電所や放射性物質取扱施設における特殊空調設備、換気浄化設備等の設計・施工および保守改修を担います。
業績推移:完成工事高は前期比12.8%増の79億17百万円、受注工事高は前期比80.0%増の118億51百万円と急拡大しました。
注目ポイント:国内の原子力発電所の再稼働に向けた安全対策工事や、稼働後の維持管理・保守改修需要が活発化しています。極限環境を制御する高度な放射線防護・特殊気流制御技術は当社の独創的な強みであり、特殊環境エンジニアリングの需要急増に応えるため、高い安全基準を理解する専門技術者の採用ニーズが一段と高まっています。
関係会社:国内
事業内容:連結子会社群を通じ、国内における保守・メンテナンス工事、電気設備工事、地域密着型空調工事を実施します。
業績推移:完成工事高は一部工場案件の進捗影響で前期比25.3%減の84億87百万円、受注工事高は前期比13.0%減の92億98百万円となりました。
注目ポイント:一時的な工場工事の反動減があったものの、ビルのライフサイクル全体を支えるストック型の保守・修繕需要は堅調です。脱炭素対応の省エネ改修や熱源最適化クラウドサービス「EnergyQuest」との連携が進んでおり、ストックビジネスの収益安定性を支えるメンテナンス技術者や電気施工管理者の役割が広がっています。
関係会社:海外
事業内容:東南アジア等の海外拠点において、現地の製造工場やデータセンター、商業施設などの空調設備工事を手掛けます。
業績推移:完成工事高はデータセンター案件の進捗で前期比17.9%増の179億91百万円、受注工事高は前期大型案件の反動で前期比34.6%減の136億51百万円でした。
注目ポイント:アジア地域におけるデジタルインフラへの旺盛な投資を捉え、データセンター関連工事の施工が拡大基調にあります。海外大型案件特有の工期管理やサプライチェーンの最適化を担うグローバル人材が不可欠となっており、海外プロジェクトマネジメントの体制強化に向けてグローバル志向の技術者が求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.26
2027年3月期の通期連結業績は、受注工事高1,800億円(前期比1.3%増)、完成工事高1,600億円(同3.3%増)、営業利益160億円(同5.8%増)を見込んでいます。前期末時点で1,487億47百万円に達した豊富な繰越工事高が着実に売上へ転換される計画です。また、2026~2029年度の中期経営計画PhaseⅢでは、2030年3月期に完成工事高2,000億円以上、営業利益率12%以上、ROE18%以上の達成を掲げ、4年間で300億円規模の成長投資の断行を打ち出しています。AI・デジタル化による生産性向上や脱炭素領域の拡大に加え、有人宇宙輸送システムの環境制御など新領域への展開を加速させる方針であり、先端技術と施工マネジメントを融合できる人材の採用拡大が予想されます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は空調設備の老舗でありながら、AIやBIMを活用した現場のDX推進、物流管理ツール「ConstraX」によるサプライチェーン革新など、従来のサブコン像を変革する取り組みを先導しています。また、原子力施設の特殊空調やJAXA関連の有人宇宙輸送システム(生命維持システムECLSS)といった先端技術領域にも挑戦しています。志望動機では、単に設備工事の施工管理経験をアピールするだけでなく、「自らの現場力や設計知見をDXツールと掛け合わせ、業界全体の生産性向上や脱炭素化に貢献したい」という問題意識と共鳴させることで、採用担当者に強い説得力を与えることができます。
面接での逆質問例
質問例1:「中期経営計画PhaseⅢにおいて、全職員の時間当たり完工高15%以上増を掲げられていますが、現場配属の技術者が日常業務で最も恩恵を実感しているDX施策や運用体制について教えていただけますでしょうか。」
※意図:現場の業務効率化への本気度と、自らがどのような環境で働くことになるかを確かめる質問です。
質問例2:「成長投資300億円の配分計画のなかで、AI・デジタル分野や宇宙関連・新規イノベーションへの投資が挙げられています。中途採用者がこうした新規開発や先端技術の現場実装プロジェクトに参画できる機会はどのように設けられていますでしょうか。」
※意図:既存の枠組みにとどまらず、会社の変革や先端領域に意欲的に関与する姿勢を示す質問です。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
仕事も丸投げになりがちになっている
プライベートの時間などほとんどなくまた改善される雰囲気もない。 また、上司も常に仕事に追われているからか わからないが部下へのサポートがほとんどない。 仕事も丸投げになりがちになっている
(施工管理・20代後半・男性) [キャリコネの口コミを読む]管理や人事の場合他多少考慮される
現場監督として働く場合、プライベートの時間などないに等しいため女性の場合かなり働きにくいのではないかと思う。 管理や人事の場合他多少考慮されると思う。
(施工管理・20代後半・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 新日本空調株式会社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 新日本空調株式会社 2026年3月期 決算説明資料



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