セーレンの転職研究 2026年3月期通期決算に見るキャリア機会

セーレンの転職研究 2026年3月期通期決算に見るキャリア機会

セーレンの2026年3月期通期決算は、売上・利益ともに5期連続過去最高を更新。車輌資材の回復に加え、エレクトロニクスが急伸し営業益は16.6%増の208億円を達成。「なぜ今セーレンなのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

①5期連続の増収増益で過去最高益を更新する

2026年3月期の売上高は前年同期比7.6%増の1,717億65百万円、営業利益は同16.6%増の208億32百万円に達し、5期連続の過去最高益を更新しました。主力の車輌資材事業に加え、先端エレクトロニクス分野の躍進が全体の高収益化を強力に牽引しています。

②NBセーレンを子会社化し事業基盤を拡大する

2026年1月にNBセーレンを新規連結子会社化しました。車輌資材や環境・生活資材、メディカル領域へ製品群が加わり、事業基盤の厚みが増しています。統合に伴う構造改革やシナジー創出を担うマネジメント層や技術系人材にとって、大きなキャリア機会が創出されています。

③半導体や宇宙など先端成長分野へ集中投資する

「非衣料・非繊維化」の戦略のもと、人工衛星関連部材や半導体向けシリコンウェーハ酸化膜加工が急伸しています。2025~2027年度で総額291億円の成長投資を推進しており、先端技術開発と量産化の体制構築に向けた専門人材の獲得が急務となっています。

1 連結業績ハイライト

主力事業の受注回復と高付加価値分野の拡大により、売上高・各段階利益ともに過去最高を達成しました。
2025年度 連結業績概要

出典:2025年度(2026年3月期)決算のご説明 P.5

売上高
171,765百万円
前年比 +7.6%
営業利益
20,832百万円
前年比 +16.6%
経常利益
22,005百万円
前年比 +14.2%
当期純利益
15,599百万円
前年比 +12.3%

当連結会計年度は、国内自動車メーカーの生産停止影響からの回復や、メキシコ・アジアでの受注拡大が車輌資材事業を押し上げました。さらにエレクトロニクス事業における半導体および人工衛星関連部材の大幅伸長、経費削減活動の進展により、営業利益率は12.1%へ向上しました。

通期業績の達成状況の評価としては、期初からの重点施策が着実に結実し、売上高および各利益指標のすべてにおいて計画を上回る堅調な着地を達成しています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

各事業部門および地域拠点がそれぞれの強みを発揮し、車輌資材とエレクトロニクスが全体成長を牽引しています。
連結業績のセグメント別内訳

出典:2025年度(2026年3月期)決算のご説明 P.6

車輌資材事業

【事業内容】自動車・鉄道車輌等の内装材(シート材、エアバッグ、加飾部品)の開発・製造・販売を展開しています。

【業績推移】売上高は1,152億58百万円(前年比5.0%増)、営業利益は161億99百万円(同16.1%増)と大幅な増収増益でした。

【注目ポイント】国内での受注回復に加え、メキシコでの新規車種立ち上げやアジアでのファブリック・合皮シート材販売が好調でした。2026年1月よりNBセーレンの自動車向け資材が加わったほか、環境対応型新合皮や一貫生産エアバッグのグローバル展開が進んでおり、量産立ち上げや品質保証を担う技術者が強く求められています。(注:NBセーレンは2026年1月より新規連結)

注目職種:車輌内装材の生産技術エンジニア、品質管理・品質保証、海外拠点プロジェクトマネージャー

エレクトロニクス事業

【事業内容】導電性素材、工業用ワイピングクロス、電子機器、シリコンウェーハ成膜加工、人工衛星関連部材を展開しています。

【業績推移】売上高は133億88百万円(前年比21.9%増)、営業利益は30億86百万円(同67.2%増)と極めて高い成長を記録しました。

【注目ポイント】モバイル端末向け商材の伸長に加え、人工衛星の売上寄与や半導体向け防塵衣用導電糸「ベルトロン」が好調でした。セーレンアドバンストマテリアルズによるシリコンウェーハ酸化膜加工も拡大しており、半導体・宇宙産業向けの先端プロセス開発において高度専門人材のニーズが高まっています。

注目職種:半導体プロセス開発エンジニア、宇宙・衛星関連機器の機構設計、機能性電子材料の営業

環境・生活資材事業

【事業内容】建築用資材、インテリア用資材、健康・介護商品、環境・土木・農業関連資材を取り扱っています。

【業績推移】売上高は132億84百万円(前年比32.9%増)、営業利益は10億33百万円(同4.9%増)の増収増益でした。

【注目ポイント】住宅着工減や病床数適正化による苦戦があったものの、KBセーレンの民生資材回復とNBセーレンの産業資材向け繊維・不織布の新規合流が増収に寄与しました。分離膜スペーサー工場の拡張など水処理・環境インフラ素材の拡大を進めており、製造・開発人材の活躍余地が広がっています。(注:NBセーレンは2026年1月より新規連結)

注目職種:不織布・環境資材の材料開発研究員、生産設備技術者、産業資材法人営業

ハイファッション事業

【事業内容】各種衣料製品の製造および独自のデジタルプロダクションシステム「Viscotecs®」による衣料用繊維加工を展開しています。

【業績推移】売上高は213億24百万円(前年比0.1%減)、営業利益は14億11百万円(同0.6%減)と微減収微減益でした。

【注目ポイント】スポーツ・アウトドア向け素材が好調だった一方、ファッション衣料が伸び悩みました。KBセーレンにおける不採算商品見直しや、リサイクル・生分解性素材の開発を加速させており、サステナブル素材の企画・サプライチェーン最適化を推進できる専門家への期待が高まっています。

注目職種:繊維テキスタイルデザイナー、エコ素材開発技術者、アパレルOEM営業

メディカル事業

【事業内容】医療用資材、化粧品、水処理用資材、医療システムの開発および販売を行っています。

【業績推移】売上高は66億76百万円(前年比1.6%減)、営業利益は7億39百万円(同7.0%増)と減収増益でした。

【注目ポイント】水処理資材の反動減があったものの、サポーターや絆創膏用途「エスパンシオーネ」が伸長しました。NBセーレンの貼付材向け短繊維が加わったほか、生体適合性材料など高付加価値ヘルスケア製品の開発体制強化を進めており、薬事・研究開発のポストが注目されます。(注:NBセーレンは2026年1月より新規連結)

注目職種:医療機器・衛生材料の開発エンジニア、メディカル製品の薬事申請担当、ヘルスケア営業

その他事業

【事業内容】ソフトウェアの開発・販売、保険代理業、不動産賃貸管理、包装フィルム・容器類原料販売等を含みます。

【業績推移】売上高は18億32百万円(前年比152.0%増)、営業利益は5億58百万円(同7.9%増)と大幅な増収増益でした。

【注目ポイント】ナゴヤセーレンの不動産管理やセーレン商事の保険事業が手堅く推移したことに加え、NBセーレンのフィルム・原料販売が新たに加わりました。グループ内IT推進や新規サービス構築をリードする社内SEや事業企画人材の活躍基盤となっています。(注:NBセーレンは2026年1月より新規連結)

注目職種:社内システムエンジニア、DX推進リーダー、グループ事業管理スペシャリスト

地域別動向とグローバル展開

【事業内容】日本、中国、その他アジア、北米、その他(欧州・中南米含む)の5地域で生産・販売拠点を展開しています。

【業績推移】日本は734億55百万円(前年比14.0%増)、中国は345億74百万円(同3.4%減)、その他アジアは239億41百万円(同14.0%増)、北米は330億98百万円(同0.5%増)、その他は66億95百万円(同22.0%増)でした。

【注目ポイント】国内の堅調な回復に加え、インド(売上高28.4%増)やハンガリー(同31.1%増)、ブラジル(同24.0%増)など新興国・欧州拠点の急成長が目立ちます。最適地生産・最適地仕入のグローバルSCM強化に向けて、海外駐在や国際事業管理を担えるグローバル人材の重要性が一層高まっています。

注目職種:海外拠点工場長候補、グローバルSCM企画担当、国際貿易実務スペシャリスト

3 今後の見通しと採用の注目点

中期方針に基づく成長8分野への先行投資とスマートファクトリー化により、持続的な企業価値向上を目指しています。
2026年度 連結業績予想

出典:2025年度(2026年3月期)決算のご説明 P.18

2027年3月期の通期連結業績は、売上高1,903億円(前期比10.8%増)、営業利益209億円(同0.3%増)と、6期連続の増収および過去最高営業利益の更新を計画しています。地政学リスクや為替変動、エネルギーコストの高止まりを見込む一方、AIやロボットを活用した生産性向上、燃料転換による調達リスク低減を推進します。さらに中期経営計画では2028年度に営業利益237億円を掲げ、「車輌資材」「エレクトロニクス」「環境・メディカル」等の成長8分野へ291億円を集中的に投じる方針です。現場力向上と新規事業開発を両立できるエンジニアや、事業ポートフォリオ変革を推進するリーダー層の採用意欲が極めて旺盛です。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

セーレンは繊維加工技術を基点としながら、「非衣料・非繊維化」を掲げて自動車内装材から半導体材料、人工衛星部材にまで事業領域を急速に拡大しています。志望動機を構築する際は、単なる素材メーカーとしての理解にとどまらず、「Viscotecs®」に代表されるデジタル生産技術や高度な表面改質技術が、成長市場の課題解決にどう貢献しているかを言語化することが鍵となります。自身のこれまでの専門性(生産技術、材料開発、海外事業推進など)が、同社の推進する「成長8分野」の量産化やグローバル展開においてどのように即戦力として機能するかを論理的にアピールすることが極めて有効です。

Q&A

面接での逆質問例

面接での逆質問では、経営方針「五ゲン主義」の実践状況や、新規事業立ち上げにおける現場の裁量について質問するのが効果的です。例えば、「2026年1月に連結化したNBセーレンとのシナジー創出に向け、開発現場や生産拠点間での技術融合をどのように推進されていますか」といった組織統合に関する質問や、「半導体酸化膜加工や人工衛星関連部材などエレクトロニクス事業の急拡大に伴い、中途入社の技術者に期待される最大のミッションは何ですか」など、事業成長のボトルネック解消や自身が貢献できる具体的な役割に踏み込んだ質問を行うことで、高い当事者意識と意欲を面接官に印象付けることができます。

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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基本的にスタッフ職は残業が多い傾向がある

基本的にスタッフ職は残業が多い傾向がある。重要な仕事はできる人へすべて振るような傾向があり、一部の人へ負荷がかかるようになっている。残業をきちんとつけれるようになれば、どれだけ人員が不足しているかをわかるよう数値ができるが、制限があるためつけていない。

(法人営業・20代後半・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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やりたいことをやりたいようにできるところはある

やりたいことをやりたいようにできるところはある。しかし、どこまで管理されるかは上司次第なところでもあるので、いかに上司を説得できるかでやりたいことができるかどうかが変わってくる。

(法人営業・20代後半・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • セーレン株式会社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
  • セーレン株式会社 2025年度(2026年3月期)決算のご説明

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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