トリドールホールディングスの転職研究 2026年3月期通期決算に見るキャリア機会

トリドールホールディングスの転職研究 2026年3月期通期決算に見るキャリア機会

トリドールホールディングスの2026年3月期通期決算は、売上収益・事業利益がともに過去最高を更新し、英国Fulham事業の再建にも着手。「なぜ今トリドールホールディングスなのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0編集部が注目した重点ポイント

①売上・事業利益がともに過去最高を更新した

売上収益は2,787億円(前期比+3.9%)、事業利益は215億円(同+17.9%)と、いずれも過去最高を更新しました。丸亀製麺セグメントは売上・事業利益ともに過去最高、海外事業も事業利益52億円と過去最高となり、国内と海外の両輪で稼ぐ力が高まっています。

②英国Fulham事業の抜本的な再建に踏み切った

2026年4〜5月、英国のFulham Shoreで事業再建に着手しました。ピザ業態「フランコマンカ」は不採算店舗を解約して51店舗に絞り込み、ギリシャ料理業態「ザ リアルグリーク」からは撤退します。27/3期はFulhamの売上が約46%減る計画で単純比較は不可。海外では成長領域へリソースを再配分する方針です。

③28/3期にROE8%以上を掲げ再成長へ舵を切る

中長期経営計画を実現性の高い水準へ見直し、28/3期に売上収益3,050億円、事業利益240億円、ROE(自己資本利益率)8%以上を目指します。直近2期の海外ポートフォリオ再編に一定の目途が立ったとして、27/3期以降は収益性と成長性を両立する「再成長フェーズ」へ移行する方針です。

1連結業績ハイライト

2026年3月期は、売上収益と事業利益が過去最高を更新する一方で、海外事業の減損損失が営業利益を押し下げる決算となりました。
26/3期 連結業績

出典:トリドールホールディングス 2026年3月期 決算説明資料 P.6

売上収益

2,787億円

前期比 +3.9%

事業利益

215億円

前期比 +17.9%

営業利益

106億円

前期比 +21.9%

親会社の所有者に帰属する当期利益

23億円

前期比 +23.3%

※事業利益=売上収益-売上原価-販売費及び一般管理費(本業の稼ぐ力を測る同社の指標)。営業利益は、事業利益から減損損失を差し引き、その他の営業収益・費用を加減して算出します。

増収の主因は丸亀製麺(+90億円)と国内その他(+42億円)の伸長で、海外事業は不採算店舗の閉店などにより減収となりました。事業利益は、Tam Jaiの収益性改善やMARUGAMEのアジア事業の貢献で海外事業が約2.1倍に拡大し、連結の事業利益率は7.7%(前期6.8%)へ上昇しています。一方、主に海外事業の不採算店舗やのれんについて減損損失114億円を計上しました。

通期計画に対する達成率は、事業利益が109.5%と計画を上回り順調でした。売上収益は98.8%と概ね計画並みでしたが、営業利益は減損の影響で72.5%、親会社の所有者に帰属する当期利益は42.0%と計画に届いていません。

2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

同社は丸亀製麺、国内その他、海外事業の3セグメントで構成され、2026年3月末時点で30ヶ国・地域に2,102店舗を展開しています。
26/3期 セグメント別業績

出典:トリドールホールディングス 2026年3月期 決算説明資料 P.9

丸亀製麺(株式会社丸亀製麺)

【事業内容】
日本国内で本格讃岐うどん専門店「丸亀製麺」を887店舗展開しています(2026年3月末)。全店に在籍する麺職人(同社独自の人材育成システムで育つうどんづくりの専門人材)が手づくり・できたてを担います。

【業績推移】
売上収益1,371億円(前期比+7.1%)、事業利益219億円(同+5.1%)といずれも過去最高。既存店売上高は前期比104.5%で、客数・客単価ともに伸びました。

【注目ポイント】
麺増量無料などのキャンペーンや「ドラゴンボールZ」とのコラボで客数増を図り、「Japan Branding Awards 2025」では最高賞「GOLD」を受賞しました。一方、食材高騰や店舗従業員満足の向上に伴う人件費増で事業利益率は16.0%(前期16.3%)に低下。27/3期は45店舗出店と新カテゴリー「丸亀うどんメシ」を打ち出し、店舗運営と商品開発の両面で人材の役割が広がっています。

注目職種:店長・店舗マネジメント、エリア統括、商品開発、マーケティング・ブランディング

国内その他

【事業内容】
「コナズ珈琲」「ラー麺ずんどう屋」「晩杯屋」「天ぷらまきの」「とりどーる」など、丸亀製麺以外の国内業態を展開しています。店舗数は292店舗です(2026年3月末)。

【業績推移】
売上収益396億円(前期比+11.9%)と過去最高。コナズ珈琲(+16.9%)、ずんどう屋(+10.7%)が牽引した一方、原材料費・人件費の増加で事業利益は41億円(同-6.6%)でした。

【注目ポイント】
コナズ珈琲は2026年3月に新ブランド「KNOWS COFFEE」を出店し、渋谷でのハワイアンダイニング「goodNess」出店も予定するなど、多ブランド展開を加速しています。27/3期は売上収益430億円(+8.5%)、事業利益44億円(+6.0%)の増収増益を計画。デリバリー比率上昇に伴う手数料増などのコスト管理が課題であり、業態開発と収益管理を両立できる人材の活躍余地が大きい領域です。

注目職種:業態開発、店長・店舗運営、商品企画、店舗開発

海外事業(セグメント全体)

【事業内容】
海外を拠点とする業態の直営店・FC(フランチャイズ)等を運営しています。主力はTam Jai、MARUGAME UDON、Fulham Shoreで、923店舗(直営436・FC等487)です。

【業績推移】
売上収益1,018億円(前期比-2.7%)と減収ながら、事業利益は52億円(同+109.4%)と過去最高。事業利益率は2.4%から5.2%へ改善しました。

【注目ポイント】
直近2期は「選択と集中」を進め、2025年8月にTam Jai International Co. LimitedとWOK TO WALK FRANCHISE B.V.を完全子会社化、2025年9月にはMONSTER CURRYを運営するMC GROUP PTE. LTD.を売却し連結から外しました。その他業態(売上収益32億円)は前期にMONSTER CURRYを含むため単純比較に注意が必要です。今後は成長領域への資源集中を進めます。

注目職種:海外事業開発、FC事業支援、経営企画、M&A・投資管理

海外事業:Tam Jai

【事業内容】
スパイシー米線ヌードル店「譚仔三哥米線」「譚仔雲南米線」などを香港中心に展開し、232店舗を運営しています(2026年3月末)。日本国内の店舗も海外事業に含まれます。

【業績推移】
売上収益517億円(前期比-5.7%)と減収。前期の不採算店舗閉店が響いたものの、原価・人件費のコスト管理が奏功し、事業利益は+14億円の増益要因となりました。

【注目ポイント】
香港の外食市況は低迷が続くものの、店舗の収益性改善が進んでいます。2026年1月にフィリピンへ初出店し、日本では麻辣湯専門店「譚仔麻辣湯」を2026年4月に吉祥寺でスタート。27/3期は売上収益540億円(+4.3%)、24店舗の出店を計画しており、新たな国への展開や新業態の立ち上げを担う人材が求められる局面です。

注目職種:海外店舗運営、FC事業開発、商品開発

海外事業:MARUGAME

【事業内容】
丸亀製麺の海外展開で、台湾・香港・米国などの直営と、インドネシア・フィリピンなどのFCを合わせて344店舗を展開しています(2026年3月末)。

【業績推移】
売上収益266億円(前期比+3.6%)。英国事業のFC化による減収要因はあったものの、台湾をはじめアジアが好調で、事業利益は+17億円の増益要因となりました。

【注目ポイント】
台湾は高い利益率を保ちながら増収増益、米国はフェアメニュー強化や勤務シフト管理の強化で増収増益となりました。27/3期は売上収益300億円(+12.7%)、44店舗出店を計画し、タイへの再進出(直営方式、バンコク中心に検討中)も予定しています。中期的には欧州や中東への進出も検討しており、海外出店やFCのオペレーション支援を担う人材の活躍が期待されます。

注目職種:海外出店開発、FCオペレーション支援、店舗運営

海外事業:Fulham Shore

【事業内容】
英国でピザ業態「フランコマンカ」とギリシャ料理業態「ザ リアルグリーク」を運営しています。2023年7月に買収し、2026年3月末時点で96店舗です。

【業績推移】
売上収益202億円(前期比-2.3%)。英国の外食市場の低迷や閉店の影響で減収となり、事業利益は-7億円の減益要因となりました。

【注目ポイント】
日本からエキスパート人材を派遣し、労務管理やコスト管理、サービスの改善を進めましたが、全社レベルの改善には至りませんでした。2026年5月にCVA(英国の倒産法制に基づく再建手続き)が承認され、フランコマンカは採算店舗の51店舗に注力し、ザ リアルグリークは撤退します。新生地を導入したモデル店舗では客数が前年比+4.8%と、商品力強化の成果も出始めています。

(注:27/3期はFulhamの売上収益が45.8%減の計画で、前期との単純比較は不可)

注目職種:店舗オペレーション改善、商品開発、事業再建・PMI

3今後の見通しと採用の注目点

27/3期を再成長に向けた「仕込み」のフェーズと位置付け、増収増益を計画しています。
23/3期-28/3期 中長期経営計画の進捗

出典:トリドールホールディングス 2026年3月期 決算説明資料 P.29

27/3期は売上収益2,870億円(+3.0%)、事業利益220億円(+2.5%)、営業利益170億円(+60.7%)を計画しています。営業利益の大幅増は、減損損失などを含む「その他の営業損益等」の費用を前期の約109億円から50億円に見込むことによるものです。丸亀製麺・国内その他は増収増益、海外事業はFulhamの再構築で減収ながら増益の見込みで、店舗数は約2,190店舗へ拡大します。28/3期には約2,340店舗、ROE8%以上を目指し、配当は1株12円へ1円の増配を予想しています。一方、中長期経営計画は外部環境の不透明感を織り込んで見直されており、英国の外食市場や原材料費・人件費の上昇は引き続き注視すべき要素です。

4求職者へのアドバイス

HINT志望動機のヒント

  • 同社は従業員の幸福とお客様の感動が循環する「心的資本経営」を掲げています。子育て中の従業員約6,000名を対象とした「家族食堂制度」など具体策もあり、「人を起点に食の感動体験をつくる」姿勢への共感は説得力のある動機になります。
  • 丸亀製麺の全店に在籍する麺職人や「手づくり・できたて」へのこだわりは、ブランド価値の源泉です。現場の品質と顧客体験を高めたいという思いと結びつけると具体性が増します。
  • 30ヶ国・地域で2,102店舗を展開し、タイ再進出や中東・欧州の検討など海外展開を加速中です。グローバルな外食ビジネスに挑戦したい人には大きな魅力となります。

Q&A面接での逆質問例

  • 「Fulham Shoreの事業再建で得た知見は、今後の海外展開やM&Aの判断にどのように活かされる予定でしょうか。」
  • 「丸亀製麺では店舗従業員満足の向上に伴い人件費率が上昇していますが、従業員満足と収益性の両立に向けて現場ではどのような工夫をされていますか。」
  • 「「心的資本経営」の考え方は、評価制度や日々のマネジメントにどのように反映されているのでしょうか。」
  • 「タイへの再進出やTam Jaiの新国展開において、日本から参画する人材にはどのような役割が期待されていますか。」

5転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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人柄はすばらしく感じていた

人柄はすばらしく感じていた。社内の自由な気質は社長の人柄ではないか。ただ現場と本社との雰囲気のギャップはある。仕方がないかもしれないが離職率の高さが全てを物語っている。

(販売促進・30代前半・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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第二の柱となる業態を模索中であるがどれもうまくいっていない

主軸のうどん業態に陰りが見え始め、第二の柱となる業態を模索中であるがどれもうまくいっていない。また売上のほとんどを海外・国内企業の買収に当てていることから今後はより荒れてくるのではないかと危惧してしまう。

(販売促進・30代前半・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 株式会社トリドールホールディングス 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
  • 株式会社トリドールホールディングス 2026年3月期 決算説明資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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