0編集部が注目した重点ポイント
①営業利益13%増の502億円で5期連続の増益を果たす
2026年3月期通期の連結営業利益は前年比12.8%増の502億円となり、5期連続の増益で計画(計画差+2億円)を達成しました。EPS(1株当たり当期純利益)は158.4円と過去最高を更新し、ROE(自己資本利益率)11.6%、ROIC(投下資本利益率)4.0%を含む主要3KPIはすべて計画を達成しています。
②「好き」を応援するカード会員が138万人に拡大する
アニメ・ゲームやエンターテインメントとのコラボレーションカードなどからなる「好き」を応援するカードは、新規会員38万人(前年差+4万人)、期末会員138万人(前年差+26万人)に拡大しました。一般カードに比べてLTV(生涯利益)が2~7倍高く、エポスカード全体でも新規入会87万人・会員数830万人といずれも過去最高です。
③小売とフィンテックを融合し経営体制を刷新する
今後の方向性として、小売とフィンテックを完全に融合し、別組織で行っていたグッズの企画・開発・仕入れも専門担当に統合する方針が示されました。2026年4月にはCTO(最高技術責任者)を新設し、2026年6月27日予定の役員異動では新任取締役候補4名が示されています。連結範囲に変更はなく前年比較への影響はありませんが、DXや「好き」を応援するビジネスに関わる職種でキャリア機会が広がる可能性があります。
1連結業績ハイライト
出典:丸井グループ 2026年3月期 決算説明と今後の方向性 P.8
売上収益
2,769億円
前年比 +8.8%
営業利益
502億円
前年比 +12.8%
経常利益
427億円
前年比 +6.8%
当期利益(親会社株主に帰属する当期純利益)
285億円
前年比 +7.1%
※営業利益には、債権流動化(カード債権を売却して資金化する取引)による損益の悪化23億円と、利息返還(過去のキャッシング利息の返還)に備える引当金の繰入15億円という特殊要因が含まれます。これらを除いた実質的な営業利益は前年差+95億円の増益です。
売上収益は前年比8.8%増の2,769億円、営業利益は12.8%増の502億円となりました。グループ総取扱高は5兆3,921億円(前年比+9%)と過去最高を記録し、フィンテックのカードクレジット取扱高が全体をけん引しています。一方、金利要因を中心に金融費用が増加し、営業外費用が前年差+30億円となったことから、経常利益の伸びは6.8%にとどまりました。
通期の着地は、営業利益が計画比+2億円、当期利益が計画比+5億円といずれも計画を上回っており、業績の進捗は順調と評価できます。小売は26億円、フィンテックは30億円の増益と、両セグメントがそろって利益成長に貢献した点も心強い材料です。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:丸井グループ 2026年3月期 決算説明と今後の方向性 P.10
小売セグメント(マルイ・モディ店舗)
事業内容
マルイ・モディ店舗を運営し、テナント収入やイベント、ECなどで収益をあげています。「売ること」を目的としない体験型テナントや飲食・サービスの導入を進めています。
業績推移
売上収益は884億円(前年差+61億円)、営業利益は112億円(前年比+30%)で5期連続の増益です。ROICは4.2%(前年差+1.1%)に改善し、既存店取扱高は44ヵ月連続で前年を上回りました。
注目ポイント
非物販テナントの面積構成は70%(前年差+5%)に拡大し、未稼働面積は4,700坪まで減少しました。出店スペースの検索から契約までオンラインで完結する「OMEMIE(おめみえ)」でテナント導入も進んでいます。今後はマルイシティ横浜で面積1/45・人員1/10を実現した「好き」を応援するユニットを外部施設へ展開し、今秋に大阪梅田エリアへの出店を計画。店舗・イベント運営のノウハウを持つ人材の活躍の場が広がりそうです。
フィンテックセグメント(エポスカード)
事業内容
エポスカードを中心に、クレジットカード、分割・リボ払い、家賃保証などの金融サービスを提供しています。
業績推移
売上収益は1,974億円(前年差+165億円)、営業利益は470億円(前年比+7%)。カードクレジット取扱高は4兆9,640億円(前年比+10%)で過去最高です。特殊要因を除くと68億円の増益となります。
注目ポイント
分割・リボ手数料収入は690億円(前年差+94億円)に拡大しました。一方で入会3年後もメインカード化していない顧客が約3割残っており、同社はAIを活用して対面で培った「信用の共創」をデジタル上で再現し、メインカード率を23%から35%へ(2031年3月期)高める計画です。CTOの新設やマルイユナイトを通じた専門人材の採用が進んでおり、データ・AI・UX(利用者体験)領域の人材が求められる背景となっています。
3今後の見通しと採用の注目点
出典:丸井グループ 2026年3月期 決算説明と今後の方向性 P.34
2027年3月期は売上収益2,960億円(前年比+7%)、営業利益550億円(同+10%)、当期利益295億円(同+4%)、EPS164.0円を見込んでいます。セグメント別では小売115億円(+3%)、フィンテック510億円(+8%)の見通しで、配当は134円と15期連続の増配を予定しています。中長期では「経営ビジョン&戦略ストーリー2031」のもと、2031年3月期にグループ総取扱高10兆円、EPS240円以上、PBR3~4倍を掲げています。
一方で、経常利益は営業外損益が34億円悪化する前提で前年比+3%にとどまる見通しです。利息返還額が従来予測をやや上回って推移していることや、自己資本比率が21.4%(前期末差マイナス2.0%)に低下している点は今後の注視点といえます。
採用面では、中途採用・業務委託・副業・長期インターンなど社内外の人が参加できるプロジェクト型の働き方を拡大する方針です。「好き」を応援するビジネスコンクールは2026年に社外からの応募が8割を占めるなど、開かれた組織づくりが進んでいます。人的資本投資は97億円(人件費に対する割合27%)にのぼります。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
- 小売・フィンテック・共創投資の中心に「好き」を置く「好き」を応援するビジネスへの共感を、自身の経験と結びつけて語ると説得力が増します。
- カード・店舗・ECを持つ同社ならではのリアルとデジタルの融合に、どのスキルで貢献できるかを具体的に示しましょう。
- 創業以来のコアコンピタンスである「信用の共創」をAIでデジタル上に再現する挑戦に、自分がどう関わりたいかを語るのも有効です。
面接での逆質問例
- 「好き」を応援するユニットを外部施設へ展開するにあたり、店舗運営とカード会員募集を両立させるために、現場ではどのようなスキルが求められていますか。
- メインカード率35%の目標に向け、AIを活用した「信用の共創」のデジタル化では、どのような職種が連携して開発を進めていますか。
- プロジェクト型の働き方が広がる中で、中途入社者が「好き」を応援するビジネスコンクールなどを通じて事業を立ち上げる機会はありますか。
5転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
本社組はほぼ残業がない
技術系の職種なのだが、試験はグループ共通なので、本社組が有利な印象をうける。本社組はほぼ残業がないので、勉強時間に時間を費やすい。しかし、グループ会社で技術系の部署は残業も多く、勉強時間がない。よってそこに不公平さを感じました。
(技術関連職・30代前半・男性) [キャリコネの口コミを読む]昇進するにはグループ会社共通の筆記テスト+
昇進するにはグループ会社共通の筆記テスト+グループディスカッションの試験に合格しなくてはならない。コミュニケーション力もあり、仕事もできるのに、その試験に受からず、ずっと昇格できない上司。コミュニケーション力もなく、仕事もミスが多い部下が、試験に合格し昇進なんていう、逆転現象が起きているのも事実。試験対策はグループ会社によってバラバラで、本社組は充実している印象。
(技術関連職・30代前半・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 丸井グループ 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 丸井グループ 2026年3月期 決算説明と今後の方向性(決算説明会資料)



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