【平均年収689万円】丸井グループ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収689万円】丸井グループ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

丸井グループは、丸井、エポスカードなどを傘下に持つ持株会社です。小売とフィンテックを一体運営する企業グループとして、直近5期連続で堅調な増収増益を続けています。


目次

※本記事は、株式会社丸井グループ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


丸井グループは持株会社であり、単体従業員数は275名、グループ連結従業員数は3,820名です。

同社グループは、小売とフィンテックを一体運営する企業グループです。子会社20社および関連会社5社で構成されており、商業施設の賃貸・運営管理、衣料品・装飾雑貨の販売といった小売事業と、クレジットカード業務、カードキャッシング、家賃保証、投資信託販売などのフィンテック事業を展開しています。

主な国内グループ会社は、丸井、エポスカード、エムアールアイ債権回収(債権管理回収業務、信用調査業務)、エイムクリエイツ、ムービングなどです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


同社グループは、サステナビリティ経営を推進し、社会課題の解決と利益の両立を目指しています。多様な人材が活躍できる企業文化の醸成に注力し、働きがいのある環境づくりを進めていることが特徴です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


丸井グループでは、従業員の平均勤続年数が比較的長く、安定したキャリア形成が期待できる環境にあることがうかがえます。平均年齢も一定の水準を保っており、幅広い年代の社員が活躍している傾向が見られます。なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 6,888,700円
平均勤続年数 15.5年
平均年齢 39.6歳
単体従業員数 275人
連結従業員数 3,820人
単体のグループ内比率 7.2%


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「人の成長=企業の成長」という経営理念のもと、社会課題解決企業への進化を目指す人材戦略を掲げています。従業員一人ひとりの創造力を最大限に引き出すため、「仕事を通じてフロー体験できる」組織づくりに取り組んでいます。

人事評価制度では、業績に基づくパフォーマンス評価とバリューに関する360度評価を組み合わせた「パフォーマンスとバリューの二軸評価」を導入しています。また、役員報酬BIP信託制度や株式付与ESOP制度、グループ社員への譲渡制限付株式付与制度といった株式を活用したインセンティブ制度により、社員の株主意識を醸成し、長期的な企業価値向上を目指しています。

具体的な取り組みとして、社員が自ら手を挙げてプロジェクトに参画する「手挙げの文化」を推進し、グループ会社間の職種変更異動を奨励しています。また、最短25歳での管理職登用を可能とする早期管理職登用制度を設け、若手人材の活躍を後押ししています。DX推進にも力を入れており、UXデザインの専門人材を採用する合弁会社Mutureの設立や、CDXO、CTOの招聘・新設、テック専門組織マルイユナイトの設立を通じて、アジャイルなプロダクト開発と組織変革を進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。提出会社単体の男性育児休業取得率は本記事では取得できていません。

指標 数値
女性管理職比率 23.3%
男性育児休業取得率 -
男女賃金差異(全労働者) 80.7%
男女賃金差異(正規雇用) 73.8%
男女賃金差異(非正規雇用) 87.6%

働き方改革

指標 数値
1人当たり月間平均残業時間 6.0時間

多様性の推進

指標 数値
男性社員の育休取得率 100.0%
女性の上位職志向 57.0%

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
退職率(定年退職者を除く) 3.6%
入社3年以内離職率 17.0%
手挙げ参画社員割合 90.0%以上
グループ会社間職種変更異動経験者割合 87.0%
エンゲージメント指標(仕事での期待) 80.0%
エンゲージメント指標(職場での尊重) 69.0%
エンゲージメント指標(自分の強みを活かす) 61.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


丸井グループは、小売事業とフィンテック事業を一体で運営する持株会社です。同社グループは、両事業の連携を通じて、顧客に多様なサービスを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、持株会社である丸井グループと20社の子会社、5社の関連会社で構成されており、小売とフィンテックの2つのセグメントを主軸に事業を展開しています。収益モデルの特徴として、店舗の不動産賃貸収入やカード手数料など、顧客や取引先との契約に基づく継続的収入である「リカーリングレベニュー」の構成比が拡大しています。これにより、将来の収益の安定性を示す「成約済み繰延収益」も増加傾向にあります。

同社グループの売上収益は、その90%以上が日本国内の外部顧客からのものであり、海外比率は低い状況です。

小売

小売セグメントでは、商業施設の賃貸および運営管理、衣料品・装飾雑貨等の仕入販売、空間プロデュース、広告宣伝、トータルファッション物流、総合ビルマネジメントなど多岐にわたる事業を行っています。収益は、受託販売手数料、消化仕入売上高、商品売上高、関連事業収入、そして定期借家テナント賃料等から得ています。運営は、丸井、エイムクリエイツ、ムービング、エムアンドシーシステム、マルイファシリティーズなどが行っています。

フィンテック

フィンテックセグメントでは、クレジットカード業務、カードキャッシング、家賃保証、情報システムサービス、不動産賃貸、投資信託の販売、少額短期保険業などを展開しています。収益は、加盟店手数料、サービス収入(年会費等)、分割・リボ手数料、カードキャッシング利息、保険料収入等から得ています。運営は、エポスカード、エムアールアイ債権回収、エムアンドシーシステム、マルイホームサービス、マルイホームサービス管理、tsumiki証券、エポス少額短期保険などが行っています。

セグメント 売上収益(2025年3月期) 売上収益(2026年3月期)
小売 67.2億円 73.5億円
フィンテック 21.1億円 15.9億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上収益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加傾向にあります。特に、当期は売上収益、営業利益、経常利益、当期純利益が5期連続で増加しており、堅調な成長を示しています。1株当たり当期純利益(EPS)や自己資本利益率(ROE)も同様に増加しており、収益性の向上がうかがえます。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上収益 - - - 2,544億円 2,769億円
経常利益 355億円 364億円 388億円 399億円 426億円
経常利益率 - - - 15.7% 15.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 178億円 215億円 247億円 266億円 285億円
1株当たり当期純利益(円) 85.81 109.37 130.70 143.24 158.35

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上収益は前期から増加しており、従業員1人あたりの営業利益も同様に増加しています。これらの指標の改善は、同社グループ全体の生産性が向上している傾向を示しています。従業員一人ひとりの貢献度が着実に高まっている状況は、事業運営の効率化が進んでいることを示唆しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上収益(連結) 62.8百万円 72.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 11.0百万円 13.1百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


丸井グループは、フィンテック事業の拡大に伴う営業債権の増加により、資金需要が拡大している段階にあります。そのため、事業活動による資金の出入りは支出が上回っており、成長投資を積極的に行っている状況を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較してやや低い水準にあります。しかし、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を上回っており、効率的な資本活用がうかがえます。手元資金は前期から増加しており、事業運営に必要な流動性を確保している状況です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 2,466億円 2,448億円
自己資本比率 23.4% 21.4%
ROE(自己資本利益率) 10.6% 11.6%
現金及び預金 492億円 535億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは△460億円の支出となり、前期の△45億円の支出から支出額が増加しました。これは主に、フィンテック事業の拡大に伴う営業債権の増加によるものです。投資キャッシュ・フローは△10億円の支出となり、前期の△137億円の支出から支出額が減少しています。

財務キャッシュ・フローは513億円の収入となり、前期の28億円の収入から大幅に増加しました。これは有利子負債の増加による収入が主な要因です。結果として、フリーキャッシュ・フローは△470億円の支出となり、前期の△181億円の支出から支出額が増加しています。同社グループは、フィンテック事業の成長に伴う資金需要を、有利子負債の増加によって賄っている状況です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △45億円 △460億円
投資CF △137億円 △10億円
財務CF 28億円 513億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △181億円 △470億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、小売とフィンテックを一体運営しており、消費動向の変化や競合の激化、EC市場の拡大、決済手段の多様化といった環境変化に直面しています。これらの変化により、店舗の入店客数や取扱高、クレジットカードの利用額、手数料収入が減少する可能性があります。また、経済状況の悪化や関連法律の変更により、貸倒損失や引当金の急激な増加、利息返還損失引当金の追加費用が発生するリスクも認識されています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、少子高齢化や生産年齢人口の減少に伴う人材獲得競争の激化、既存社員の流出、将来の経営人材不足をリスクとして認識しています。これらのリスクが顕在化した場合、事業の進化や継続性に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


丸井グループは、「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」というビジョンを掲げ、すべてのステークホルダーとの共創を通じて、社会的な価値と経済的な利益の両立を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


丸井グループは、「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という経営理念に基づき、「すべての人が『しあわせ』を感じられるインクルーシブな社会を共に創る」ことをミッションとしています。

同社グループは「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」というビジョンを掲げ、ステークホルダーの「利益」と「しあわせ」の調和を企業価値としています。2031年に向けた経営ビジョンとしては、「『好き』が駆動する経済」の実現を目指しています。これは「機能と価格」で規定される「コスパ経済」の対極に位置する概念であり、一人ひとりの感情や価値観が原動力となる経済のあり方です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


丸井グループは、ステークホルダーとの「共創経営」を推進し、すべての人の「利益」と「しあわせ」の調和と拡大を目指しています。企業文化の変革として「人の成長=企業の成長」という理念を根本に据え、社員一人ひとりの働きがいと組織活力を高める取り組みを進めています。

具体的には、双方向のコミュニケーションを重視する「対話の文化」や、社員が自ら手を挙げて参画する「手挙げの文化」を醸成しています。また、仕事の本質を「時間の提供」から「価値の創出」と捉える働き方改革や、「男女」「年代」「個人」の3つの多様性の推進にも取り組んでいます。人事評価においては、業績だけでなくバリューに関わる360度評価を実施し、一人ひとりがやりがいを持って仕事に取り組める「Well-being」な組織を目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


丸井グループは、2031年に向けた戦略ストーリーとして「『好き』を応援するビジネス」を軸に、社会的なインパクトと利益の両立を目指しています。具体的には、「好き」を通じて「自分のため」の消費が「誰かのため」、そして「社会のため」へと広がる消費を推進しています。

また、「好き」を応援するファイナンシャル・エンパワーメントを通じて、自営業、スタートアップ、フリーランス、日本で働く外国人など、多様な働き方をするすべての人の自己実現を支援しています。さらに、社員一人ひとりの創造性を発揮できる組織づくりを目指し、「フロー」という概念に注目した働きがい向上や、社内起業家(ソーシャル・イントラプレナー)による事業開発を促す取り組みを進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


丸井グループは、取締役会と監査役会からなる監査役会設置会社です。独立した客観的な立場から経営を監督する体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


丸井グループの株主構成を見ると、信託銀行が上位を占めています。一方で、青井不動産や公益財団法人青井奨学会など、創業家に関連する株主も上位に名を連ねています。これにより、安定した資本基盤の中で、創業家も経営に一定の影響力を持つ構造となっています。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 23.61%
日本カストディ銀行(信託口) 15.29%
青井不動産 3.34%
日本カストディ銀行(信託口4) 2.34%
公益財団法人青井奨学会 1.84%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性7名・女性3名)で構成され、女性役員比率は30.0%です。代表取締役社長代表執行役員は青井浩氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
青井 浩 代表取締役社長代表執行役員 1986年7月 同社入社。2005年4月 同社代表取締役社長。2006年10月 同社代表取締役社長代表執行役員。2019年4月 同社代表取締役社長代表執行役員CEOより現職。
加藤 浩嗣 取締役専務執行役員 1987年3月 同社入社。2016年6月 同社取締役上席執行役員。2019年4月 同社取締役常務執行役員CFO。2025年4月 同社取締役専務執行役員CFOより現職。
小島 玲子 取締役常務執行役員 2000年5月 古河電気工業専属産業医。2011年4月 同社専属産業医。2021年6月 同社取締役執行役員CWO。2026年4月 同社取締役常務執行役員CWOより現職。


社外取締役は、岡島悦子氏(㈱プロノバ代表取締役社長)、中神康議氏(みさき投資代表取締役)、ピーター D.ピーダーセン氏(㈱イースクエア代表取締役社長)です。

丸井グループは監査役会設置会社であり、6名の取締役と4名の監査役で構成されています。取締役のうち3名が社外取締役であり、独立した客観的な視点から取締役会の監督機能強化を図る体制となっています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


丸井グループの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして、株主利益と連動した報酬体系を採用しています。基本報酬に加えて、単年度の業績に基づく業績連動賞与と、中長期的な業績に基づく業績連動型株式報酬で構成されています。社外取締役の報酬は、その独立性を考慮し基本報酬のみとなっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 3名 1.9億円 64.7百万円
監査役(社外除く) 2名 43百万円 21.5百万円
社外役員 5名 79百万円 15.8百万円


なお、人数は当期末時点の在籍人員であり、業績連動賞与および業績連動型株式報酬は当事業年度に係る費用計上額を記載しています。

個人別報酬が開示されている役員は、青井浩氏(1.24億円)です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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