【18年12月期】2019年度は赤字計画! ユーザベースの有報から「大胆な挑戦」を読み解く

【18年12月期】2019年度は赤字計画! ユーザベースの有報から「大胆な挑戦」を読み解く

B2B向けデータベース「SPEEDA」と、B2C向けメディア「NewsPicks」の両輪で事業を進めてきたユーザベース(UZABASE)が、2018年12月期の有価証券報告書を公表した。2018年7月に米「Quartz」を買収。業績好調の中、将来のさらなる成長に向けて「大胆な挑戦」を行う決断をしたようだ。


メディア買収やオフィス移転で販管費が増加

株式会社ユーザベース(UZABASE)は2019年3月29日、2018年12月期の有価証券報告書を公表した。売上高は93億4000万円で前期比204.6%と大幅増。EBITDA(営業利益+のれん償却費を含む減価償却費)は11億8700万円で前期比199.5%だった。

上記連結PL実績について、EBITDA=営業利益+減価償却費(のれん償却費含む)。SPEEDA事業には「entrepedia」「FORCAS」の各サービスを含めており、NewsPicks事業には「Quartz」も含めている。「Quartz」は、2018年7月31日の買収完了後の8月から12月までの5ヶ月分実績が連結されている。

SPEEDA事業、NewsPicks事業ともに伸びているが、後者の売上高が前期比323.7%と急増し、前者を抜いているところが目を引く。ただしこの中には、2018年7月末に買収が完了した米経済メディアQuartz(クォーツ)の売上が含まれている。

有価証券報告書の「連結損益計算書」を見ると、売上原価が抑えられているため、売上総利益(粗利)の伸びが前期比233.3%と非常に大きくなっている。しかし、販売費及び一般管理費の伸びがさらに上回ったため、営業利益の伸びが比較的小さくなっている。

販売費及び一般管理費の増加理由について、有価証券報告書は、主に

●Quartz社買収に伴い販売費及び一般管理費の総額が増加したこと
●『SPEEDA』事業及び『NewsPicks』国内事業について事業規模が拡大し、人件費、広告宣伝費等が増加したこと
●国内本社のオフィス移転により支払家賃が増加したこと


等によるもの、と説明している。

なお、ユーザーベースは、2018年7月1日に本社オフィスを六本木へ移転。また、同じビルに子会社の株式会社ニューズピックスが新拠点「NewsPicks Roppongi」をオープンしている。

利益を生み出す「SPEEDA事業」

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