今回取り上げるのは、四輪・二輪からボートエンジン・ジェット機まで手掛ける本田技研工業(以下HONDA)です。
2022年07月28日
【年収のなぜシリーズ】平均年収はどれくらい?年棒それとも月給制?ボーナスは年何回?などの給与体系についての素朴な疑問を、取材データや口コミの内容を通じてお答えします。今回は本田技研工業(ホンダ)です。
今回取り上げるのは、四輪・二輪からボートエンジン・ジェット機まで手掛ける本田技研工業(以下HONDA)です。
HONDAの平均年収は778.7万円です(本田技研工業有価証券報告書)。キャリコネに投稿された給与明細を参考にHONDAの年代別年収レンジを算出したところ、20歳代で460〜510万円、30歳代で640〜690万円、40歳代で800〜850万円という結果になりました。正規雇用者の平均年収は495.7万円(国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果)で、比較して約1.58倍の額です。
決算月 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2022年3月期 | 778.7万円 | 44.7歳 | 22.2年 | 34067人 |
2021年3月期 | 798.9万円 | 44.9歳 | 22.5年 | 35781人 |
2020年3月期 | 816.8万円 | 45.5歳 | 23.8年 | 8168人 |
2019年3月期 | 819.8万円 | 45.6歳 | 24.1年 | 22675人 |
2018年3月期 | 808.6万円 | 44.9歳 | 23.5年 | 21543人 |
出典:本田技研工業・有価証券報告書
過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
HONDAの平均年収は前年を下回り778.7万円でした。
過去5年間では最低の額になりました。
続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。
年代 | 平均年収 | 平均月収 | 平均ボーナス | 年収中央値 |
---|---|---|---|---|
20代 | 477.9万円 | 30.9万円 | 87.3万円 | 430.11万円 |
30代 | 660.4万円 | 42.3万円 | 120.8万円 | 594.36万円 |
40代 | 820.7万円 | 52.2万円 | 150.2万円 | 738.63万円 |
50代 | 970.3万円 | 61.5万円 | 177.6万円 | 873.27万円 |
※キャリコネの口コミ、有価証券報告書、厚労省・経産省・国税庁発表の調査資料を元に、編集部で独自に算出
HONDAの給与体系は年功序列の色が濃く現れます。一例を挙げると、30歳チーフで650万円、35歳主任で750万円、42歳課長で1100万円、48歳部長で1400万円という具合に年齢に伴い給与が上がっていく仕組みです。40歳課長が年収1000万円超えのポイントです(研究職の場合は主任研究員)。
このように、今まではエスカレーター式で給与が上がっていましたが、近年では給与ステージごとの相対評価や研究員昇格条件が30歳以上で2~3年A評価取得などの制度変更により、成果が給与アップにつながるようになってきています。
昇格は年1回の試験で行われます。受験資格は前年の成績や評価などで得ることができます。
実際の給与明細を見比べると、目安では見えてこなかった驚きの現実が!
HONDA社員の給与明細(キャリコネ)
20代と30代では大きな差が!
20代技術職(非管理職)の 給与明細
30代技術職(非管理職)の 給与明細
同年代でも職種により大きな差が!
30代営業職(非管理職)の 給与明細
30代広告宣伝職(非管理職)の 給与明細
続いて年収の内訳を見てみましょう。
年収は基本給および諸手当、年2回の賞与で構成されており、諸手当には住宅手当、家族手当などがあります。
家族手当は、これまで配偶者扶養で月1万6000円、子供1人あたり4800円が支払われていましたが、2016年より配偶者手当を廃止し、子供1人あたり月2万円支払う新制度が導入されています。
賞与は夏と冬の2回支給されます。春闘で支給額が決まり、ここ数年は、1年で月給の6ヶ月分前後が支給されています。
年収に占める賞与の割合は非常に大きい。それゆえに業績によって大きく左右され、今後は変動幅が大きくなる可能性も捨て切れません。
口コミには年収の実態を如実に表す証言がありました。
HONDA社員の口コミ(キャリコネ)
昇給は年功序列だが賞与が多い
「昇給は基本的に年功序列で管理職になると大きくアップする仕組みだが、 賞与の割合が非常に大きく、会社の業績がよい年は新卒でも… 」
家族持ちの社員には嬉しい環境
「同業他社と比べると、給与面を含め総合的に良いと感じている。さらに、自分のように家庭を持った社員にとって特にありがたいのは…」
HONDAの競合や同業界であるトヨタ自動車、日産自動車、三菱自動車工業、スズキ、マツダ、SUBARUの7社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、HONDAが778.7万円、トヨタ自動車が857.1万円、日産自動車が811万円、三菱自動車工業が660.5万円、スズキが665.7万円、マツダが637.5万円、SUBARUが645.1万円です。
この7社の中で最高額はトヨタ自動車の857.1万円で、最低額がマツダの637.5万円。その差はおよそ220万円で、かなりの差があります。
この比較企業の中ではHONDAは3番目に位置します。
社名 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数(単体) | 売上高 |
---|---|---|---|---|---|
トヨタ自動車 | 857.1万円 | 40.4歳 | 16.4年 | 70710人 | 126078.58億円 |
日産自動車 | 811万円 | 41.9歳 | 16.5年 | 23166人 | 24093.48億円 |
HONDA | 778.7万円 | 44.7歳 | 22.2年 | 34067人 | 34542.63億円 |
スズキ | 665.7万円 | 40.8歳 | 18.3年 | 16267人 | 16907.61億円 |
三菱自動車工業 | 660.5万円 | 41.5歳 | 15.4年 | 13829人 | 16147.87億円 |
SUBARU | 645.1万円 | 39.1歳 | 16年 | 16961人 | 14998.98億円 |
マツダ | 637.5万円 | 41.8歳 | 16.6年 | 22652人 | 23392.9億円 |
HONDAの競合企業の年収についてはこちらの記事をご覧ください
出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報-2020年度実績-」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」
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