博報堂の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
創業120年以上の歴史を持つ博報堂は、純粋な広告周りの企画業務だけではなく、蓄積されている豊富なデータや知見と社員一人ひとりの個性を強みに「マーケティング」「クリエイティブ」「コンサルティング」など多様な事業を展開しています。
社風は、就業後の会食やクラブ活動、休日のイベントなどの機会が多いことからも愛社精神の強い社員が多く、コミュニケーションが活発な職場環境であることが伺えます。社員同士がとても仲が良いため、社内恋愛も多く且つ、寛容であるようです。また、会食は多いものの強制されることはなく、文化系で自由な雰囲気であるという声が多く見受けられます。
博報堂では、昔から「できるだけ異なるバックグラウンド、価値観、考え方を持つ人を尊重する」という考え方が続いており、一人ひとりが異なる強みや面白みを持ち、魅力的な社員が多いという口コミが見受けられます。一方で、業界的にもコネクションの強い人や育ちの良い人が社員に多いため、比較的プライドの高い社員もいるようです。
また、高品質な業務成果を上げるほど、指名によるアサインが増えて忙しくなるという「実力主義」の会社である反面、昇進・昇格については年功序列の考え方が昔から続いており、評価体系に課題を抱いている社員も見受けられます。
時間外労働や休日出勤が多いため、女性社員にとって、仕事と家庭を両立することは体力的にも精神的にも困難であり、特に産休・育休からの復職後は、職種や働き方を変えるなどキャリアを断念せざるを得ず、全体を見ても女性管理職は極めて少ないようです。出産後も女性社員がキャリアを諦めることなく、活躍できるようにとオフィスに保育所をつくるなど、会社全体でサポート体制を整えようとしていることが分かります。
福利厚生は、住宅補助はありませんが、レジャー施設の優待価格利用可、月2万円の医療費補助、オフィスにプロのマッサージ師が常駐しているなど「健康」に焦点を当てた制度が充実しているようです。
自身の専門性と個性を最大限に活用して、クオリティの高い業務成果を出していく。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
選考プロセスは書類選考後、1~2回の面接と筆記試験です。
1次面接は人事部と応募部署の社員が2名、2次面接は人事部と応募部署それぞれの部長が担当することが多いようです。
面接官は気取らずざっくばらんに話してくれる場合が多く、比較的和やかな雰囲気のようですが、質問に対する答えが論理的でないと、追及されることがありますので、自分の考えていることを自分の言葉で論理的且つ、端的に述べられるよう準備しておきましょう。
募集職種は、「マーケティングシステムプロデュース」「事業開発」「Webサービス」など8種の事業領域に分類されます。領域によって、年齢制限や必要とされるスキルなど要項が定められているため、募集職種の全体像を把握したうえで、「その中でもなぜその職種に応募したのか」を明確に説明できるようにしておきましょう。
■面接内容の傾向は?
面接内容には、「自身の専門性と個性を最大限に活用して、クオリティの高い業務成果を出していく」という社風が大いに反映されています。
面接では、「大学時代何をしてきたか」「お金を稼ぐことに興味がありますか」など、価値観や人間性などその人の個性を、また入社後どのように活躍できる人材なのかを確認するための質問が見受けられます。
また、これまでの経歴や仕事に対する姿勢、役回り、スキルなどを問う質問も多いことからも個性に加えて専門性についても博報堂の社風に適しているかを見極める評価軸になっていると言えるでしょう。
また、広告業界や各媒体の将来性や未来予測などを問われることも多いので、長期的な視点と短期的な視点で自身の考えを整理しておき、面接時にはしっかりと端的且つ、論理的に話せるように回答内容を準備しておきましょう。
博報堂の面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
博報堂の面接攻略法(面接対策)
■博報堂の経営戦略を理解した上で自己分析をする
博報堂の面接を受ける上では、経営戦略を理解しておくことが不可欠です。2019年より、新中期経営計画として以下を掲げています。
これは、博報堂の企業カルチャーの土台となる価値観。博報堂の経営戦略は今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこれに合致する人材であることをアピールしましょう。
これまでの中期経営計画にも掲げていた「データ」「デジタル」というキーワードに加えて、新中期経営計画では、全事業フィールドにおいて「イノベーション」が重要視されています。これは、技術の進化や多様化している社会を背景に、先見性を持ち、ニーズを的確に捉え、新たな価値を創造できる人材が求められていると言えるでしょう。面接では、これまでの仕事において自身の個性や専門性を活かして、革新的な発想や独創的な商品やサービスを生み出した経験があれば、具体的な事例とともに話すことで博報堂に相応しい人材であることを強いアピールとなるでしょう。
また、成果を紹介する際には、自身がチームの中でどのように貢献してきたのか、「チームワーク」を意識してエピソードを紹介することで、より即戦力として活躍できる人材であるとアピールできるでしょう。
■ 「なぜ博報堂に転職したいのか」の明確化には他社研究も忘れずに
博報堂の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ博報堂か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、博報堂という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
●株式会社電通
●株式会社ADKホールディングス
●株式会社サイバーエージェント
博報堂の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、博報堂の採用面接を受ける前には、経営戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「自身の専門性と個性を最大限に活用して、クオリティの高い業務成果を出していく」という社風を意識して、「技術の進化や多様化している社会を背景に、先見性を持ち、ニーズを的確に捉え、新たな価値を創造できる人材」であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
[32歳・女性/アカウントエグゼクティブ] 【結果:入社】
[28歳・男性/調査・分析] 【結果:入社】
[27歳・男性/法人営業] 【結果:1次面接で不採用】
[27歳・男性/代理店営業] 【結果:1次面接で不採用】
博報堂の採用面接に向けて
博報堂の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●「自身の専門性と個性を最大限に活用して、クオリティの高い業務成果を出していく」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
●博報堂の経営戦略を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
●競合他社についても研究し、「なぜ博報堂か」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
筑波大学卒業後、大手食品メーカーに入社。人事部、広報宣伝部に配属。ダイバーシティ推進、制度の改革や研修企画などに従事。英国在住。