ソニー・インタラクティブエンタテインメントの採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
Playstationとそのソフトの開発、販売を行っているソニー・インタラクティブエンタテインメント。2016年にソニーのゲーム部門とネット部門を統合して立ち上げられました。AV機器とPCと映像と、あらゆる技術を駆使して他社との差別化を図り、PS4は世界中で1億台以上を出荷しています。ゲーム制作予算が本社から支給されるため、「大規模案件で品質にこだわった開発ができる」「最新技術に触れられる」といった点は、ソフト開発専門で行っている会社と比べかなり恵まれている様子。
社内にはソニーの音楽部門、IT部門、ゲーム部門それぞれから来た人がおり、それぞれの業界の複合文化になっている模様。「やりたいことができる」「音楽をかけながら仕事をしている」といった自由な部分がある一方、ブランドの誇りと社員の結束が強い文化や、周りの人の右脳的な考え方に戸惑う人も。
ソニーブランドを大切に、チームワークや協調性を重視して、プロジェクトを成功に導いていく。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
書類審査後、面接数回が行われます。選考期間はまちまちで、1回の面接ですぐに採用になった人もいれば、面接が数回にわたり選考期間が3カ月以上にわたった人も。スケジュール調整に注意したいところです。
技術系職種では、書類審査や1次面接で重要となるのがポートフォリオ。今までに経験したプロジェクトの名前、内容、参加人数、自分の役割といった内容をわかりやすくまとめておきましょう。全部門で英語力が重視されていることが多く、職種によってはTOEICの点数が必要な場合も。TOEICの点数提出を求められない場合も、英語力が証明できる資格があればベストでしょう。また、面接中に英語での会話を求められることも。自分の自己紹介や今までの仕事内容くらいは英語で説明できるよう事前に準備を。
面接での服装はカジュアルな人が多く「ネクタイにジャケットで行ったが、周りにネクタイの人は誰もいなかった」という口コミも。オフィスカジュアルの服装で挑む人が多いようです。
■面接内容の傾向は?
好きなゲームは何かを必ずといっていいくらい聞かれます。ソニーのゲームを答えた方がいいように思いますが、意外とソニー以外のメーカーを答えた方にも合格者が。企業研究よりも正直さを重視する雰囲気で行われていることが多いようです。雰囲気がどちらに転んでもいいように、ソニーの中で好きなゲームも見つけておくと安心。ソニーのゲームをしてどう思ったか、広告を見てどう思ったかなども聞かれます。ゲーム業界の動向も踏まえてマーケティング的な視点もアピールしたいところ。しかし、「一緒に働きたいかどうかが重視されている」という口コミから、単に論理的でできそうであればいいという雰囲気ではなく、楽しく会話することを重視しつつ、ビジネス的な視点を交えて行くほうがよさそうです。
また、業務の再編による会社立ち上げから3年、チームがやっと出来上がってきたという時期。今後数年内に必要な人材が大きく変わっていく可能性もあります。それに伴い、面接の内容や雰囲気もがらっと変わる可能性も。口コミを頻繁にチェックしなおして、常に最新の情報を入手したいところです。
ソニー・インタラクティブエンタテインメントの面接攻略法(面接対策)
■ソニー・インタラクティブエンタテインメントの経営戦略を理解した上で自己分析をする
ソニー・インタラクティブエンタテインメントの面接を受ける上では、経営戦略を理解しておくことが不可欠です。主だった戦略には以下のようなものがあります。
ユーザーに近いDTCサービスとクリエイターに近いコンテンツIPを強化し、それ ぞれに共通の感動体験や関心を共有する人々のコミュニティ、「Community of Interest」を創造する。
ソニー・インタラクティブエンタテインメントの経営戦略は今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの経営戦略に合致する人材であることをアピールしましょう。
ソニーグループの経営戦略の根幹は「人に近づく」、つまり会員を増やし、コミュニティを活性化させることです。ゲーム事業では、「プレイステーション ネットワーク」の成長が最重要視されており、アクティブユーザーを増やしていくことが求められています。サイトの会員獲得、訪問頻度や利用時間の改善といった経験がアピール材料となるでしょう。戦略に「共通の体験や関心を共有するコミュニティを創出する」とあり、SNSを活用して集客した経験や、個人的な投稿であってもバズったり自分の立てたスレッドやコミュニティが盛り上がった経験があれば、成功理由を分析してエピソードとしてまとめておくとよさそうです。
ゲーム事業の収益源としてはアドオンコンテンツの強化が挙げられており、アプリ内課金のように、ダウンロード後追加で課金してしまう仕組みづくりに貢献した経験があれば、積極的にアピールしたいところです。
■「なぜソニー・インタラクティブエンタテインメントに転職したいのか」の明確化には他社研究を
ソニー・インタラクティブエンタテインメントの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜソニー・インタラクティブエンタテインメントか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、ソニー・インタラクティブエンタテインメントという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。同じゲーム会社でもPS4のソフトを作っている会社とはライバル関係になりにくく、一方でスマホなど他のハードのメーカーが脅威となっている点にも注目。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 任天堂株式会社
- Microsoft Corporation
- Apple Inc
ソニー・インタラクティブエンタテインメントの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの採用面接を受ける前には、経営戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「全員で協力して一つのプロジェクトを成功させる」という社風を意識して、「ユーザーどうしが共通の体験や関心を共有するコミュニティを創出することに貢献できる」人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
「営業やマーケティング部門にインセンティブがなく、クリエイティブはヒット作を作るとインセンティブが付く」という口コミもあります。たいていの企業は逆に営業のほうがインセンティブ制でクリエイターは給与固定または作業量に対する成果報酬ですから、人材戦略が特殊とも言えます。多数派の企業とは違った価値観を求められる可能性もあるため、「今までこういう回答をして評価された」という経験に頼りすぎず、その場のコミュニケーションを大切にしましょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
20代前半・女性/財務・会計関連職【結果:入社】
20代前半男性/ソフトウェア関連職【結果:2次面接で不採用】
20代前半女性/商品企画【結果:最終面接を辞退】
20代後半男性/プログラマ【結果:2次面接で不採用】
ソニー・インタラクティブエンタテインメントの採用面接に向けて
ソニー・インタラクティブエンタテインメントの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の5つです。
- 「ソニーブランドを大切に、みんなで協力して一つのプロジェクトを成功に導く」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
- ソニー・インタラクティブエンタテインメントの経営戦略を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 英語力をアピールできる材料を準備しておく。
- 会話を盛り上げつつ、ビジネス的な視点を交えて話す。
- 競合他社についても研究し、「なぜソニー・インタラクティブエンタテインメントか」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
慶応義塾大学卒業後、大手ITメディア、出版社ライターを経て、旅行会社に勤務。新規事業企画に携わる。